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日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

日比谷高校に入学するための塾選び2017 ~受験マネジメント

 平成29年度の大学入試の結果も固まり、いよいよ春休みの始まるこの時期、中学3年生となる君ばかりでなく、この春新たに公立中学校へ入学する新中学生やその保護者の方もきっと思っているはず。

日比谷高校に合格するために、どのように勉強したらよいのか、塾に通うべきなのか、行くとすればどの塾に行けばいいのかと。

そんな中、内申点が絡んだ都立高校入試制度の見える化として前回の記事で紹介した、都立と国私立入試との合格ボーダーラインの比較グラフは、東京だけではなく、全国の多くの方の関心を集めることとなりました。 

そこで今回は、学習塾がこの春の合格実績を大々的に謳い、新しい生徒を獲得するために春休みに向けた春期講習会や無料の体験講座を募集するこの時期に、塾選びに先駆けて確認したい、都立入試に向けた受験マネジメントの基礎になる情報についてお話ししたいと思います。 

 

まず認識すべきは合格の仕組み

 大航海時代のコロンブスやマゼランも、君が初めて下りる駅の待ち合わせ場所に行く場合も、一番大切なことは現在位置と目的地までの経路を常に把握すること。
そしてそのために、信頼の足る航海図、受験チャートを手に入れること。

現代ならば、身近なAIパートナーたる携帯が、盲目的に君を目的地に導いてくれる。
そして中学受験や国立私立高校受験であれば、学力を向上させることが、いつでも目的地到達までの最短距離。
コンパスはなくとも、進むべき方向は、偏差値の向上という上向きの一本道。
迷子になる暇さえありません。

ところが都立入試の場合、進むべき方向の選択肢は多様化する。
そう、いたずら好きの内申点が君の計画や羅針盤に狂いを与え、大海原のように広がる受験地図の中に、君を放り出してみせる。
例えば次の図のように。

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赤い直線は日比谷高校の、青い破線は難関国立私立高校の合格ライン。

見た目の通り、グラフの形状が全く異なります。
国私立の破線は波線ともいうべき大海原と同じ真っ直ぐな水平線。
水面上に顔を出すには、引かれたラインより上の学力を手に入れるしかない。

仮に図中の緑色の地点が現在の君の立ち位置だとすると、国私立高校合格のためには、とにかく偏差値を上げていくことが合格への一本道。
迷うことなどありません。

ところが都立の場合はそう単純な話ではない。 

このグラフで最も注目すべきは、赤いグラフが傾いているという事実です。 これが都立高校受験の極秘中の極秘情報です。
といっても、誰も隠しているわけではありませんが。

2017年東大合格速報 そして新たに日比谷高校を目指す受験生へ - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉


都立入試の合格点は、試験当日の得点と内申点との総合評価で決まるため、合格ボーダーラインに傾きが生じます。
このため同じ合格点といえども、多様な得点の獲得方法が存在するため、学力でみれば上下幅広いレンジの生徒が混在する事になる。そしてその裏返しのように、現在位置から赤い合格ラインに向けた合格方向性も多様に存在するのです。

これから受験を迎える君の立ち位置は、これまで手にした模試や学校の通信簿で客観的に把握可能だとしても、現在位置から舵を切るべきベクトルは、なかなか見極めるのが難しい。

できれば、嵐が少なく順風満帆で、しかも短い航路を選びたい。
どうせ勉強するなら、無駄なく合格への最大効果を発揮する方法を採用したいと誰しも思うもの。
しかしそれがどの方角なのか、どこが最短距離なのか、その方向を導くものが何なのか、何が最も効果的な勉強法なのか、誰も教えてくれません。
まさに大海原の中でポツンと一人ぼっち。方角の見方さえ分かりません。

受験進路に対して迷いが生じる時、君の心に強く響くのは、学習塾の華々しい合格実績や先輩たちの合格体験談。

でもそれらの情報は、君の立ち位置や状況とは異なる誰かのたどった特殊解。
その方法論が、君の受験を成功に導く航海図になるとは限りません。


ではどのようにして、自分の進むべき航路や信頼できる航海図や協力者を見つけるのか?

日比谷生のわが子が1学年を過ごした今になってこそ強く思うのは、塾選びから入らない、そして合格してから後悔しない、合格のためではなく日比谷高校入学のために必要な受験マネジメント。

とにかく合格すればよいではなく、どのように合格したいのかを事前に考えること

合格経路の多様な都立受験であればこそ、受験という大海に漕ぎ出す前のこの一考察が、結果の如何に関わらず、納得のいく受験で終わらせるために欠かせないスキームの一つではないかと思うのです。

では、どのように合格するとはどのようなことなのか?

具体的に考えてみましょう。

 

 

受験スタート時の立ち位置の確認

 さて、マネジメントというからには、もっと具体的な検討材料がほしいところ。
そこで先の図に、君を導く受験チャートとなり得る補足情報を落としてみましょう。

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はい出ました。
まずは入試スタート地点の情報です。

この母集団の分布図は、受験生の公の統計に基づいた客観的な情報ではなく、あくまで個人の頭に抱くイメージですので、参考情報である点を予めご理解の上ご覧ください。

ただ実際にこの直近2年間ほど都立受験を見守っている保護者の立場から見ると、何も拠り所がない暗中模索の状況と比べれば、十分参考になる情報であるとは思います。

いずれにしても、こうして見える化すれば、大海原の中で見えないライバルと共に泳ぐ自分の立ち位置が少しは見えてくるでしょう。

グラフの軸線の数字は以下の通りです。

  • 縦軸:700点換算試験得点
        ( )内は元となる500点得点
  • 横軸:300点換算内申点
         ( )内は元となる45点内申点

この春受験生となる君は、現在おそらく合格ラインの下に位置する卵型の母集団の中に位置しているものと思います。
その地点からどのように成長して合格圏の上半分の殻の中に滑り込むのか、そのために受験勉強の進むべき矢印をどこに向けて引いたらよいのか、まずはじっくりグラフを眺めてみる。

縦軸は偏差値ではなく実際の本番の試験の得点ですから、現状はみな合格ラインの下に並んでいるものと思います。

日比谷高校受験生の内申平均点は、男子で概ね40~42、女子で41~43程度、グラフの中の緑の帯で示したライン。
現在この帯上にいる君であれば、赤い合格ラインを少し超えるあたりを狙うのか、あるいは入学試験得点8割を超える位置に引かれた、難関国私立合格想定ラインを到達点として定めるのか。

まずはこのグラフを印刷して、これまでの実績から想定される現在の立ち位置と、受験本番を迎える当日に自分が到達するであろう目標地点を、感覚的でよいのでこのグラフの上に落とし込んでみてはいかがでしょうか。

そこが君の潜在的に希望する到達点となります。



塾選びの前にすべき入学目標選び

 入学目標って何だろう?合格が絶対的な目標ではないのでしょうか。
先に自分の立ち位置と目標をぼんやり定めたならば、次のグラフを見てみよう。

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ここまで具体的な情報を落とし込めば、これから入試に向かう君にも目標への到達距離と到達結果は想像しやすいはず。
中学生の君には少し厳しい現実が見え隠れする、でも受験の現実を反映した、入試到達点を考える上では必要な情報を与える赤裸々な図ではないでしょうか。

君は先の図で、どの位置に目標の点を描いただろう。 

もちろん、この図も社会的統計に基づくものではなく、単なる一個人の中にあるイメージの投影ですので、正確に何かを表現した図ではありません。ただ、日比谷高校受験を経験し、高校生活一年過ごした保護者が抱いた印象には違いありません。

そして入学後の学力的な目安をお伝えするために、誤解を恐れず入学時点における想定到達順位を記載してみました。
内申点は入試におけるスパイスとでもいうべき調整軸。入学以降は意識することすらなくなります。

「入学時順位」というのは、内申も含めた1,000点満で順位づけされる合格点の序列ではなく、内申点の関係しない入学時の実質的な学力による想定校内順位を示します。
試験で獲得した得点順位が、これに近いと思います。

日比谷高校入学を通じた大学進学以降の将来の目標実現を目指す君であれば、受験目標を設定する上でも、入学後の自分の立ち位置を確認するためにも、こうした現実は把握した上で受験に臨んだ方がいい。
その情報が、合格するだけではない、受験をしっかりコントロールするための検討材料となるはず。

特に受験サポーターである保護者の方には、ぜひ認識してほしい情報です。 

今にして思えば、開成は合格しないでもよいので、もっと経済的で第一志望の日比谷高校に一直線に向かうような塾選択があったようにも思いますし、逆に都立入試問題レベルを超えた受験勉強を経験したからこそ、入学時点での心や学力面での余裕が生まれているとも言えます。

大失敗で大成功!? わが家の塾選び - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉


今でこそ分かったような顔をしてこのような文章を書いている身ですが、受験生の保護者だった1年前までは、受験マネジメントなどという言葉とは対極的な、入試制度にも学習塾毎の違いなどにも全く無知で無頓着な、受験生の親としては失格保護者だったのです。 

さて上記のような前置きを念頭に、塾選びについてお話しすると、結果オーライではありますが、本当に失敗組だと言えるのです。
何が失敗かといって、中学入学時点で都立高校を絶対的な第一志望にしているにもかかわらず、何と早慶難関私立の合格実績を売りにしている塾を選択してしまったのです!
あまりに無知でした。

大失敗で大成功!? わが家の塾選び - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

 

一言でいえば結果オーライ。
開成高校合格が初めから望んだ目標であったなら、わが家は高校受験勝ち組ともいえる結果です。
しかし親の目から見た現実は、中学入学時点に想定した経路とは全く違ったのです。

すぐ目の前にある目的地にたどり着くまでに、知らない外国の土地で乗るタクシーのように、大回りともいえる経路を進み、全く予期しない景色をドキドキ眺めながら、乗車費用も想定を上回りつつ、最終的には当初定めた目的地に到着したのでした。
あるいは、インドを目指しながら、図らずも新大陸にたどり着いたコロンブスのよう。

難易度も分からないまま日比谷高校合格という漠然とした目的地を掲げながら、高校受験の海を渡る地図もなく、たまたま所属した塾の方針に翻弄され続けた受験だったのです。本当に落ち着かない日々。 

そんな私が今描くことができるのは、日比谷高校合格においては、先に示した図にあるように、学力的には概ね3段階の到達点があるということ。
そしてどの段階を目指すかによって、選ぶべき勉強方法も異なる事実。
もちろん、学習塾や受験教材選びもそれによって全く変わります。


こうしてチャート図を眺めてみると、わが家が当初望んだのは、合格圏の右下の隅に位置する「都立重点校レベル」と書かれたエリア。
極端な話、日比谷以外のどこにも合格する必要はないと考えていたのです。

そしてそこを目指していたのなら、本来は都立高校合格を標榜する学習塾に通うべきだったでしょう。
そうすれば、わが子はきっと塾の特待生。塾代もすべて無料です。

賢く親孝行の君であれば、敢えてその道を選ぶことも選択肢の一つです。

ただしその受験勉強は、潜在能力からみれば緊張感のないものになっていたでしょう。
合格こそすれ、それが子供にとってよい受験となりえたのかは分かりません。
大回りして高校受験界の雲の上を垣間見た経験が、例えば高校生の海外留学のような、新たな世界と経験をもたらしたことは間違いないでしょう。
そして難関校合格のお土産付き。
もちろん上位クラスの乗船費用は、定期航路の運行費用よりもかかるでしょう。

それらはどちらもあり得る選択肢。
大切なのは、それが自ら望んだ結果であったかどうかです。

ここでお伝えしたいのは、塾が君の航路や到達地を決めるのではなく、君が望んだ目標を実現するためのパートナーとして、塾をはじめ通信教材や家庭教師、あるいは独学といった方法論を選択する方が、きっと君の人生にとってもより建設的な受験になるということ。

それは上下どの場所を目指す場合にも言えること。

そして日比谷高校入学後も続く人生を自分自身でコントロールするために、ここに掲げたチャート図を、よく眺めてほしい。

君はどんな目的で、どの場所に入学を果たしたいのかと。
人それぞれ能力も家庭事情も十人十色。どこが正解というものはありません。

君がどこに向かいたいのかがあるだけ。
そう思うのです。

塾や教材とのミスマッチで受験期間を無駄に費やさないように、合格の後から事実に気づいて愕然としないように、君自身がどのような状態での入学を望むのか、受験生となるこの春に、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

合格のためではなく、入学のためを考える。
一つの提案です。



塾の広告や情報の波に押し流されないために

 では最後に、君が設定した目標地にたどり着くための参考情報をお伝えしたいと思います。

最後となる図をご覧ください。 

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この図の示すものは、先に見た到達点を実現するために、君が選択すべき航路を示したチャートです。

学習塾を例にとっていうならば、君が通うべき塾のクラスに当たります。
つまり、どの塾かではなく、どのクラスかを意識してほしい。 

自分の所属する塾のクラスから、毎年何人の合格者が出ているのか?
繰り返しになりますが、塾全体の合格実績を目当てに通塾しても意味がありません。

悩める君が塾に聞くべきたった2つのこと - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉


塾の合格実績に惹かれても、君がその実績を出したクラスに所属していなければ意味がない。 

そして塾や学習教材には、実質的な守備範囲がある。

「都立に強い」とか「難関私立に強い」とか、塾が打ち出すキャッチフレーズが示すように、それぞれの塾には得意不得意があり、どこに所属するかによって到達点が自ずと決まってくる。

最高偏差値を目指して受験学力の向上をひたすら目指すのか、内申点を確保しながら学力はそこそこに合格圏に滑り込ませようとする戦略なのか、君が選択するその塾のクラスによって、君の進むべきルートは決まってしまう。
それを君が意識していようとしていまいと。

わが家の例で見れば、日比谷高校一択という気持ちで臨んでいたにもかかわらず、何故だか難関私立向けの塾に入ってしまい、後から分かって愕然としたことには、結局本番2週間前になるまでは、日比谷高校向けの受験勉強はしていなかったということ。

今にして思えば、その学習塾の上位クラスには、都立高校受験指導のためのノウハウなどなかったのです。
ただ、望む学力を上回るプログラムが存在した。

日比谷高校に合格するという観点だけで見れば、試験本番で仮に数学を白紙答案で出していても、素内申が30しかなかったとしても合格圏に届いたほどの余裕の総得点で合格していたことを思えば、わが家の受験は最高に時間とお金を浪費したとも言えなくもなく、また逆に結果的に最高の状況に達する事が出来たとも言えなくもない。

結局わが家の高校受験マネジメントは初めから完全に破綻していたのだけれど、結果的には成功を収めて事なきを得たのです。

君にはこの選択過程を、是非自らの意志で決定してほしい。

結果的にたどり着く場所に降り立つのではなく、君が持つ志や家庭の事情に配慮しながら、目指すべき場所へ到達するために乗るべき船やパートナーを選ぶ。

もし仮に上を望む志と能力がありながら、家庭の事情でそれが叶わない場合でも、その事実を自ら意識して受験に臨むことで、より高い到達点と入学後の伸び代を密かに育むことが出来る。

家族旅行に旅立つ前には当たり前に行う経路や契約パートナーの検討スキームを、学習塾やその他のサポーターを選択する際にも適用することをお勧めしたい。

日比谷高校に合格するためではなく、目的をもって入学するために。

 

さて、本日は多くの学校で終業式を迎えていることでしょう。
休みを迎えてのんびり気分のわが家の子供たちとは裏腹に、逆に年度末の多忙で時間がなかなか取れない自分にいらだちつつも、大好きな桜の満開を間近に感じつつ、この春からの君の活躍を応援しています。

時間はなくてもお伝えしたい内容は溢れ出す。春の桜のつぼみのように。
東京の高校受験をめぐる航海は、新学期からもまだしばらく続きそうな春の予感です。

ではまた次回。


※3月25日は平成29年度の日比谷高校第1回学校説明会。
参加された方で、本年度入試の内申平均点や合格点などの情報をお知らせいただける方がいらっしゃいましたら、PC版上の入力フォームから是非お知らせください。
ご協力をお願いいたします。

4月11日追記:
呼びかけに対し、複数の方から情報をいただきました。
いただいた情報は、4月12日付記事として配信しています。ご覧ください。

 

直近2017年度入試の結果報告  

 

マネジメント力0の塾選びの反省点 

 

塾選びの方法論 ~文章編 

 

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