日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

都立高校入試本番、インフルエンザで休んだら ~学校感染症患者等への追検査実施方法

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<本記事の内容>
 平成30年度都立高校入試で新たに始まる、インフルエンザ等で試験を欠席した受験生への追試制度について、実際欠席となった場合の対応方法についてお知らせします。


  受験生にとって、試験直前期に最も大切な受験対策の一つが健康管理。
言うまでもなく、特に警戒すべきはインフルエンザです。入試に向けて準備してきたその努力が全て無に帰するようなその威力は、受験生にとっては大いなる脅威に違いありません。

現在日本各地で猛威を振るっているインフルエンザに対し、過敏になりがちな受験生も多いことでしょう。青春期の拠り所を決する一大イベントを前に、それはある意味当然の反応です。

そんな中、平成30年度都立入試からは、このインフルエンザをはじめ学校感染症のために試験当日欠席となる受験生に対しては、追試が実施されることとなりました。

これは平成28年10月14日付で文部科学省が全国の教育委員会や私立高校に求めた通知に基づく対応だと思いますが、これにより、都立高校においても試験当日のインフルエンザ等やむを得ない欠席による無念の不合格が回避されることとなります。

もちろん、体調万全で試験本番に臨むのがベストな状況に変わりありませんが、過去最多のインフルエンザ感染者となった今年、本人や家族が十分注意をしていても、万が一の状況を完全に排除することはできないもの。
そういう意味では、ちょうど良いタイミングで最低限のセーフネットが備わった、といえるでしょう。

では、実際にインフルエンザの影響で、試験当日に欠席せざるを得ない場合はどのような対応になるのでしょう?
今回は、入試直前の不測の事態に備える精神的なお守り代わりに、今年度から新たに始まるこの都立高校追試制度について、詳しく見てみたいと思います。

 

追検査の実施詳細

 東京都教育委員会は、2018年1月12日付(17日情報更新)で追試に関する実施要項を発表しています。
これによると、追検査の対象となる受験生は概ね以下の通りです。

追検査の対象者

第一次募集で出願した受験生の内、以下をすべて満たす者

  • 試験当日のインフルエンザ等の学校感染症罹患者
  • 特別措置を申請した者
  • 当該都立高校校長から承認を得た者

または

  • 試験当日の本人の責めによらないやむを得ない入院等の者
  • 第三者機関によりその事実を証明できる者
  • 中学校長経由で当該都立高校長から承認を得た者

本制度は大部分の都立入試が対象となりますが、分割募集を実施している学校は追試対象にはなりません。これは制度上、予め2度の受験機会が設定されているためです。
そして特に記載はありませんが、推薦入試の場合も追試には該当しません。これは元より学力試験のチャンスが控えているからでしょう。

また、学校感染症だけでなく、不幸にも当日事故や病気等で緊急入院を余儀なくされた場合なども追試対象となる可能性があることが明記されています。

そして追検査を受けるためには、試験を欠席した際に「特別措置の申請」を行う必要があります。ではこの『特別措置』とはどのような手続きになるのでしょう。
インフルエンザによる欠席の場合、東京都教育委員会の資料からは以下のスキームとなりそうです。確認してみましょう。

Step1:試験欠席の中学校への連絡

 まずは学力試験欠席の旨を在籍中学校へ連絡し、特別措置の意思表示と学校側の対応を依頼することが基本です。連絡時間については記載がありませんが、常識的に試験開始前の連絡が望ましいように思います。
ただし、試験当日に既に中学を卒業している場合や、都外の学校に在籍している場合、このステップ1は必要ありません。ステップ2からとなります。

Step2:試験欠席の受験高校への連絡

  • 都内中学校在籍者(Step1を行った者)
     所属中学校から受験高校へ連絡
  • 既卒業生、都内中学校に所属しない受験生
     本人または保護者が直接受験高校へ連絡

こちらも当然、試験開始前の連絡が望ましいことは同じです。

Step3:病院発行の罹患証明書の取得

 追試対象者であることを証明するための書類の取得が必須条件となります。
尚、追試対象となる学校感染症等の詳細は、『追検査実施要項』内に別表3として掲載されています。それ以外の一般疾病による発熱等で休む場合は、追検査の対象とならないと考えられますから注意が必要です。

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Step4:特別措置申請

  • 都内中学校在籍者(Step1を行った者)
     中学校長を経由で第一次出願高校へ申請
  • 既卒業生、都内中学校に所属しない受験生
     本人または保護者が直接受験高校へ申請

 申請日時:
  平成30年2月26日(月)午後5時〆切

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Step5:追検査の出願

 特別措置の申請は、あくまで追検査の許可を得るための意思表示にすぎません。追試を受ける場合は別途出願行為が必要となります。
この際、出願先の変更はできませんので、必ず欠席した受験校への応募となります。

 出願日時:
  平成30年3月6日(火)9時~15時

実はこの追検査の出願は、分割後期募集・全日制第二次募集への出願と同じスキームとなります。つまり、一次試験を止むを得ない理由で欠席した場合は、分割後期募集・全日制第二次募集制度に沿って第一志望校への再チャレンジとなるわけです。
分割募集実施校が本制度の対象外であるのはこれが理由です。

このため、日比谷高校をはじめとする自校作成問題を課す学校へ出願した者が追試を受ける場合、その試験科目は推薦入試、一般学力試験どの方法とも異なる特別な審査方法が適用されることとなります。その試験方法とはどのようなものでしょうか。
それでは早速追試験の中身を見てみましょう。

追試験検査内容

1)学力検査

  国・数・英3教科の共通問題
  (分割後期・全日制第二次と同一問題)

2)出願校が実施する面接等

 追試においては、要するに共通問題を3教科受けることになります。
ですから、進学指導重点校の受験生がインフルエンザなどで欠席して追試に回った場合には、自校作成問題を受ける機会はありません。英数国の共通問題で高得点を狙うことになります。

また、本来の学力試験では課されるはずの理科、社会の共通問題の受験機会も省略されてしまいますが、重点校をはじめ多くの学校では、この理社に関しては別の形式で問われることになりますので後ほど紹介します。

1.学力検査の実施

  • 3教科共通試験:平成30年3月9日(金)
  • 試験会場:東京都教職員研修センター 

 追試を受験する場合は、生徒は1ヵ所に集まっての受験となります。
実際にインフルエンザによる追試対象者は各校1名いるかいないか程度だと考えられますから、運営側の都合、つまり試験官の配置から考えると、志望校毎の別教室試験は考えにくいでしょう。このため、トップ校の生徒も一般校の生徒も同じ教室で試験を受ける可能性が高いように思います。

ただし、追試受験者がある程度の数存在する場合は、受験校の学力に応じて席次を考慮してほしいものです。トップ校受験生は共通問題であれば、おそらく猛烈なスピードで回答していくと思われますから、一般校の受験生が近くにいる場合は、ペースや気持がかき乱されそうですから。

2.各校個別面接等:3月9日以降

 追試験のもう一つの特徴は、3教科学力試験に加えて面接など各校が定める検査が行われる点です。その内容は、既に『追検査実施要項』として都教育委員会のホームページ上に公開されていますのでここで確認してみましょう。
3教科試験に加えて実施される検査には、以下の2種類があります。

  • 個人面接(理社の内容含む)
  • 小論文・作文(理社の内容含む)

つまり、

3教科学力試験 + 個人面接 + 小論文

の組み合わせで追試特別選考が行われます。そしてここで気になる点は、面接と小論文の内容に理社が含まれる点ではないでしょうか。いったいどのような形式の試験問題になるのでしょう?
面接と小論文についての実施有無やその内容は、各高校により配点も含めて大きく異なりますので、主なトップ校の選考内容を見てみましょう。

日比谷公高校
  • 英数国(共通問題300点)
  • 3月12日:小論文(50分・250点)
     社会又は理科に関する文章や統計資料を読んで、自分の考えを論理的に記述。
  • 3月12日:個人面接(10分・150点)
     高校生活への期待・将来の展望など
     社会又は理科に関する口頭試験
  • 上記700点 + 内申点300 =1,000点満点

公開された情報からは、小論文は推薦入試で課される適性検査的な問題と同様の内容だと考えられます。万一追検査を受けることになった場合は、日比谷の推薦入試の小論文問題を対策することになるでしょう。

西高校
  • 英数国(共通問題300点→700点換算)
  • 3月12日:作文(50分・300点)
     与えられたテーマについて考えたことを記述
  • 個人面接(20分・200点)
  • 上記1,200点満点 + 内申点300点 =1,500点満点

西高校の場合も、作文は推薦入試で課される形式と同じだと考えられます。ですから、西の場合も推薦入試の作文対策が現実的な対応になると思います。

国立高校
  • 英数国(共通問題300点→700点換算)
  • 3月12日:個人面接(10分100点)
  • 小論文(実施なし)
  • 上記800点満点 + 内申点300点 =1,100点満点

この情報を見る限り、国立の面接は10分間で、しかも理社の内容を含むと明記されていませんから、入学意思や人物確認といった基本的な内容となるように思います。
実施要項の情報からは、ここに掲げた5校の中では、面接や小論文に対する要求が一番緩いようにも思いますが、短い時間と簡単な質疑応答で結果が決まることになるため、逆にシビアかもしれません。

戸山高校
  • 英数国(共通問題300点)
  • 3月12日:個人面接(30分・100点)
     社会及び理科の内容の口頭試験を含む。
  • 小論文(実施なし)
  • 上記400点→700点換算 + 内申点300 =1,000点満点

戸山高校の面接については30分と長いため、人物確認だけでなく、理社についても詳しい説明が求められる口頭試験になりそうな雰囲気が漂っています。

青山高校
  • 英数国(共通問題300点)
  • 3月9日:個人面接(30分・200点)
  • 高校生活への期待・将来の展望
     現代的な課題に対する1分間の意見発表
     中学校までに学習した理社の質疑応答
  • 小論文(実施なし)
  • 上記500点→700点換算 + 内申点300 =1,000点満点

青山高校の面接についても、戸山高校同様に的確な説明が求められそうです。しかも、この面接試験の配点が著しく高いです。共通問題ではなく、本人の能力をしっかり確かめたいという学校の意思の現れでしょうか。
また、現代的な課題に対する意見発表というのは、学校側が与えたテーマについて語るのでしょうか、あるいは自主的なテーマなのでしょうか。いずれにしても、日頃の時事問題等への関心が求められそうです。


こうしてみると、各校それぞれ独自の考えで追検査を行う様子が理解できます。
これは本年度初めて適用となる制度ですし、実際に対象となる受験生が出るか分かりませんので、これ以上の詳細情報は取得できません。

それにしても日比谷高校や西高校は、受験対象者が出るかどうか分からない試験に対して小論文を新たに1問準備しておくのでしょうか?
特に日比谷の小論文は作成するのにかなり時間がかかりそうですから、あらかじめ準備しているとすると、手を抜かないなかなか気合の入った対応です。

 

追検査での合格枠

 もしかすると、受験生の中には次のような不埒な考えが浮かぶ生徒もいるかもしれません。自校作成問題の本試験を受験するよりも、インフルエンザになって追検査を受ける方が合格する可能性が高いのではないのかと。
特に学力に不安を覚える場合はそんな想像をしてしまうかもしれません。そしてそれを見越してか、教育委員会は次のような制限枠を設定しています。

 追試による募集人員: 原則各校1名

毎年どの程度の受験生が実際にインフルエンザ等の止むを得ない原因で欠席を余儀なくされているのかは発表値がないため分かりませんが、状況にかかわらず、追試での合格者は各校1名と都教育委員会が定めています。

もちろん、追試を狙って計画的にインフルエンザに罹ったり事故を演出したりしようと戦略を練る15歳の受験生はいないと思いますし、万一いたとして首尾よく合格を勝ち取った場合でも、戦略家や策士としては大成する可能性があるかもしれませんが、幸せな一生を送るようには思えません。
この制度はあくまで非常事態に対する救済措置のため、合格枠が少ないのはやむを得ないことではないでしょうか。

追試受験者が1人しかいない場合でも、簡単に合格とは判断されないでしょう。そもそもこのルートは昨年までは存在しなかったのであり、試験を受ける機会さえなく不合格となった先輩方を思えば、リトライの機会があるだけで感謝すべきかもしれません。

いずれにしてもそのような状況で、自校作成問題校を受験する君が最も気になる点といえば、追検査で最低何点取れば合格とみなされるかということではないでしょうか。共通問題を何点以上獲得することが求められているのか。
教育委員会はその点について、以下のように定めています。

 

追検査合格者の決定

 追試の合格者基準については、以下のような記述があります。

  • 追検査を受検した者のうち、各都立高校が定めた基準に達していると認められた者の中から、あらかじめ定めた人員を、その都立高校の合格候補者とする。
  • 当該都立高校長は、選考委員会で決定した合格候補者を合格者として決定する。

これはつまり、最低合格基準点を各校が定めているということです。
ですから当然、自校作成問題に代わって学力水準を見るための英数国の共通問題3教科についても、合格基準点が設定されているはずです。それが何点なのか。

これについては、分かりません。
ただ毎年の試験難易度によって動く相対的な基準ではなく、絶対基準として線引きするものだと思われますから、例えば90点以上といった具体的な数字が設定されているように思います。

もっと詳細の必要得点が知りたいのであれば、例えば東京都校長会の都立高校志望予定調査から割り出された数字を参考にするのが目安となるように思います。
これは、自校作成問題出題校の合格目安点数を、共通問題の点数として表示したものであり、様々な学習塾が予想値を発表しています。

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例えば直近平成30年1月に新教育研究協会が発表した共通問題5教科700点満点の数字では、60%合格基準として以下の通りとなります。

  • 日比谷  男:645点 / 女:640点
  •  西   男:645点 / 女:640点
  • 国 立  男:645点 / 女:640点
  • 戸 山  男:630点 / 女:615点
  • 青 山  男:615点 / 女:605点

例えば日比谷男子の場合、5教科共通問題が700点換算で645点、つまり500満点換算で645x500/700=460.7点となります。これを5教科単純平均すると92.1点。
60%合格でこの数字ですから、英数国3教科は95点辺りを確保する気持ちで臨む必要がありそうです。

そして繰り返しになりますが、この制度はあくまで緊急事態への対応であるので、予め気にしても仕方がない。それよりも受験当日まで、体調管理に気を使って十分な栄養と睡眠を確保することに気を回すべきだという点を改めて強調したいと思います。

平成30年度都立入試本番までは、既に残り1か月を切っています。
本日発信されたニュースでは、インフルエンザの患者数が過去最多の283万人で、日本中で大流行していると伝えています。そのようなタイミングで受験のセーフネットとなる追検査制度が実施される状況に感謝しつつも、すべての受験生が追試を利用することなく学力試験本番が迎えられることを願ってやみません。

ここまでくると、学力よりも当日の体調が成否を大きく分ける要素となりそうです。
睡眠負債や体調不良を抱えることなく、気持ちよく試験本番を迎えることができますように。

ではまた次回。

追検査実施概要リーフレット

「追検査を実施します」東京都教育委員会>>

インフルエンザなど罹患追検査実施詳細

受験本番を迎える君の心に贈る

 インフルエンザ以上の脅威、志望校出願の壁 

まずは何より自校作成問題対策 

受験直前を乗り切る強い気持ち