日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

惜敗!甲子園予選決勝、都立小山台高校と進学指導特別推進校の大学合格実績

 第100回記念大会となる全国夏の高校野球東東京大会では、都立小山台高校が甲子園出場に大手をかけながら惜敗しました。全国最多チームを擁する激戦区を決勝まで勝ち進んだのは本当にすごいことです。選手や関係者の皆さんお疲れさまでした。

そして小山台高校は都立の進学指導特別推進校。大学受験がもう一つの甲子園です。

そこで今回は、運動も進学実績も成長著しい小山台高校を中心に、都立を目指す受験生や保護者からの人気が高い、都立進学指導特別推進校の大学合格実績にスポットを当ててみたいと思います。

 

都立進学指導特別推進校

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出典:東京都教育委員会ホームページ

教育委員会が認めた都立進学校は全部で17校あり、期待される大学進学実績毎に3つのカテゴリーに分類されています。

この中で、日比谷高校をはじめ最難関大学への進学を目指すのが『進学指導重点校』。平成30年現在7校が指定されています。

そしてそれに次ぐのが小山台を擁する『進学指導特別推進校』。今年小松川高校が進学指導推進校から新たに昇格し、現在7校が指定されています。

進学指導特別推進校に求められる要件は以下の通りです

思考力、判断力、表現力を鍛え国公立大学(四年制)、難関私立大学等への進学希望も実現させることのできる学校とする。

東京都教育委員会ホームページ

これら特別推進校の大学合格実績が実際にはどの程度であるのか、確認してみます。

 

進学指導校の大学入試状況

 まずは東京都教育委員会が平成30年度の推進校を指定する際の基準としている情報を確認します。同委員会のホームページでは、3つの判断基準に対する各校の達成状況を公開しています。

1)センター7科目受験<現役>

 教育委員会は、センター試験を5教科7科目で受験する現役生の割合を見ています。5教科7科目といえば、最難関国立大学受験に求められる要件です。

判定基準を「おおむね6割以上」としています。平成29年度の結果は以下の通り。

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平成29年度 センター7科目受験現役割合

進学指導重点校と、特別推進校の大学受験に対する最大の相違点の一つがこのセンター7科目受験。受験生の意識にはっきりとした差が現れます。

それでも特別推進校の現役生の4割はセンター7科目で受験していることが見て取れます。目標を高く持って臨む生徒が多いのでしょう。

次の重点校候補として名前の挙がる新宿高校ですが、このグラフを見ればその理由がわかります。「おおむね6割」に近いからです。

重点校の内、青山高校は平成24年の段階で重点校指定解除の危機に瀕しましたが、その後基準をクリアして事なきを得ています。その辺りの状況がこの数字からも伝わってくるようで興味深いです。 

2)センター得点8割以上の<現役>割合

 センター試験で難関国立大学合格が可能な得点「おおむね8割以上」を獲得した現役生の割合が次の基準。

900点満点であれば720点以上の現役生の割合で、「おおむね1割以上」としています。

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平成29年度 センター得点8割以上現役割合

この結果にも興味深いものがあります。

なぜならば、先のセンター7科目受験数の状況に関わらず、試験の結果はいわゆるトップ校と呼ばれる3校以外はそれほど大きな差が認められないからです。しかし実際はこのような状況がが現れたのは本年度が初めてです。

1年前、平成28年度の状況は次の通り。平成27年度も概ね同じです。

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平成28年度 センター得点8割以上現役割合

平成29年度の進学指導特別推進校が、センター試験獲得点数を伸ばした状況が理解できます。都立国際高校を除き、センター試験8割以上を獲得した現役生の割合が大幅に伸び、結果的に全ての学校が基準値を超えています。

この状況は各校の進学指導の結果なのか、高まる都立進学校の人気を背景に、各校優秀な人材の厚みが増した結果なのか分かりませんが、本年度の結果からみると推進校の頑張りが伝わってきます。


3)難関国立大学など現役合格者数

 そして重点校判断基準の3つ目が、難関国立大<現役>合格者数です。ここでいう難関大とは次の学校です。

  • 東京大学
  • 京都大学
  • 一橋大学
  • 東京工業大学
  • 国公立大学医学部医学科

これは現役生にはなかなか高いハードルではないでしょうか。結果を見てみましょう。

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平成29年度 難関国立大学現役合格数

この現役合格者数は、重点校と特別推進校ではっきり差が現れました。

この結果は合格率の差ではなく、先の難関公立大学を受験するかしないかの差がそもそもベースにあるのだと考えます。この辺りは後ほど確認したいと思います。

それよりも、重点校の八王子東と立川は苦しい数字となりました。

八王子東は3年連続、立川は2年連続の基準割れとなっています。先のセンター得点8割以上獲得の割合と併せて考えると、この2校は無理に最難関大学を狙う必要がないのではないかと感じます。逆に高い基準がプレッシャーとなり、良い結果となっていない気もします。多摩地区の最上位学力者は、西や国立に集まっているのかもしれません。

これら3つのグラフの結果からは、今年小松川高校が特別推進校に昇格した妥当性と、新宿高校や国分寺高校と八王子東および立川高校の学力差があまりないことが見え隠れするように思います。

平成35年までは現在の指定区分が継続しますが、この5年間に、もっと顕著な変化があるかもしれません。

 

特別推進校の国公立大合格実績

 ではここからは、小山台とその他の主な進学指導特別推進校の大学合格実績を具体的に確認してみましょう。まずは国公立大学からです。

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各校横並びに比較するため、1学年定員100名当たりの値を掲示しています。

推進校の比較先として、日比谷高校と、小山台高校最寄りの私立中高一貫校である攻玉社高校を合わせて掲載します。

都立小山台高校はその名の通り、東急目黒線武蔵小山駅前に位置する都立高校。

攻玉社は小山台の隣駅であり、桜並木で有名な目黒川にほど近い、東急目黒線不動前駅に位置する完全中高一貫の男子校です。四谷大塚の80%合格偏差値が55の中堅校です。

この一覧からは、先の教育委員会3つの基準で推察した通りの内容が現れます。

つまり、特別推進校は最難関国公立大を目指すよりも、難関から中堅国公立大学への合格を主に目指す進学校であるということです。

グラフからは、推進校の難関国公立合格数は中高一貫校の攻玉社ほど高くはない半面、国公立大学全般で比較すると数では大差がないことが伺えます。生徒の1/3が国公立大学に、1/5が一都三県の国公立大学に合格するような状況です。

小山台は国公立大学合格実績については、準重点校とでも呼ぶべき新宿高校、国分寺高校に次ぐ実績を持った学校だといえそうです。

そこで次に、進学指導特別推進校の過去5年合格推移を見てみましょう。

新宿高校や国分寺高校は難関大学の現役合格数が、小山台高校は国公立大現役合格実績が伸びていることが伺えます。

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国公立大<現役>合格者5年推移

 

特別推進校の私立大合格実績

 では次に私立大学の合格実績を見てみましょう。

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まずは早稲田、慶応大学に着目してみると、小山台をはじめとする特別推進校は、最難関大学同様に攻玉社ほどの合格実績はなさそうだということになります。

これがMARCH校レベルとなると、状況は逆転します。むしろ特別推進校の合格者数の方が上回る結果となります。

私大の場合は同じ受験生の複数合格があるので正確には分かりませんが、早慶MARCHへの合格者数は、生徒100人当たり100名に近い数となっていますので、私立7大学いずれかへの合格の期待値は高いと考えれられます。

小山台高校の場合、都立重点校の判断基準となるセンター7教科受験者は約5割、センター8割以上得点者約が10%という数字を見る限りでは、多くの生徒がやはり国公立大学を第一志望として考えていることが伺えます。

一貫校と異なり先取りのない高校からのスタートであっても、私立大学入試に必要な特定の2教科や3教科に限定しない学習は、日比谷高校同様これからの大学入試改革時代にあってはむしろ強みであると評価してよいのではないでしょうか。

では最後に私立大学の過去5年間の合格実績推移を掲載します。

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私立大<現役>合格者5年推移

このグラフからは、都立国際高校の難関私立大学(早稲田・慶應・上智)とGMARCHR(MARCH+学習院+東京理科大)の差が目立ちます。英語能力を生かしての結果でしょうか、他の推進校と比べると上智大学への合格者が特に多いです。

 

都立(新)国際高校

 最後に、東京都が設置する新しい国際高校について触れたいと思います。

設定場所は、三田線および南北線白金高輪駅の南西、旧東京都職員住宅の跡地です。

近隣には、セイコー創業者の大豪邸や八芳園、シェラトン都ホテルがあるなど、白金台の名に恥じない敷地です。

設立当初から進学指導特別推進校などに指定されるのか分かりませんが、都立白金国際高校とでも呼ぶべきこの新しい都立高校が開校する際には、立地の良さといい学校の性質といい、初年度からきっとかなりの倍率になるのではないでしょうか。

教育委員会は既に学校予定地は公表していますが、現在は学校設立の検討段階であり、実際の開校はまだまだ先だと思われます。開校が望まれる新しい都立高校です。


今回は、小山台の活躍を機に、これまで日比父ブログでは扱うことのなかった都立進学指導特別推進校に注目してみました。

一般的に都立3番手と呼ばれるこれらの学校は、都立高校を志望する受験生や保護者の方の現実的な進学先として非常に人気があります。多くの家庭が、何とかこの3番手校にはわが子を入れたいと考えているのではないでしょうか。わが家のチビに対しても同じ思いです。

今回は、夏の甲子園東東京予選決勝進出という特別なイベントに喚起された記事ではありましたが、今後とも、この特別推進校の動向には注目していきたいと思います。

ではまた次回。


惜敗!夏の甲子園東京予選16強ならず

小山台と九段中等教育校の大学実績

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