日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

都立中高一貫校合否への報告書の影響を考える

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都立一貫校報告書 共通書式

 わが子の中学受験に関し、私立や国立の受験は考えていない場合でも、都立の中高一貫校は受験させてみようかと考える保護者の方は案外いるはず。

都立の一貫校を意識する場合に保護者の方が気になることの一つに、都立高校の内申書に相当する、小学校の通信簿の結果がどの程度合否に影響するのかということではないでしょうか。

報告書の雛形は同じでも、その点数の扱いは各校全く異なります。

夏休みに様々な学校説明会に参加した保護者の方も、他校の情報は気になるもの。そこで今回は、都立中高一貫校の報告書、いわゆる通信簿の点数が、合否に与える影響について日比父流の観点から考えてみたいと思います。

そこには各校が生徒に求めるメッセージが隠れているに違いありません。

 

都立一貫校の報告書と適性検査割合

 まずは各校の募集要領に記載された、報告書と各適性検査の得点配分を確認します。

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ご覧の通り、大部分の学校が1000点満点換算を採用していますが、小石川中等教育学校および武蔵、富士中学校は変則的な合計点を設定しています。

このため、このままでは各校の得点割合を把握することは難しい状況です。

見た目の通り、武蔵中学は報告書点が400点と一見配点が最も高いですが、適性検査の得点もそれぞれ400点ずつありますから、実際の報告書の割合は、合計点800点の小石川中等教育校と何ら変わりがありません。

そこで各校を比較するために、合計点を1,000点にそろえて確認してみます。

 

1000点満点換算の報告書割合比較

 先の一覧を、合計点を1,000点とした場合の適性検査と報告書の配点割合について掲載します。以下ご覧ください。

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こうして同じ物差しで並べてみると、各校の得点の取り扱いの相違が明らかとなります。各校同じようで、実際はそれぞれ微妙に配点を変えていることが理解できます。

「報告書」という観点で見ると、1000点満点中の200点、つまり全体の2割配点が概ね都立中高一貫校におけるスタンダードであるといえるのではないでしょうか。

小石川と武蔵は報告書と各適性検査の割合をすべて同一としています。また、両校とも適性検査Ⅰは共通問題、適性検査Ⅱは大問2のみ独自問題、適正検査Ⅲはすべて独自問題となっており構成が同じです。

また、立川国際と三鷹の場合は、適性検査Ⅱでは立川国際がすべて共通問題、三鷹は大問1を独自問題に差替えており、配点は同じですがやはり試験の中身は異なります。

配点構成と出題内容を加味した場合には、すべての学校がそれぞれ異なる検査体系を持っていることになります。

一覧からは、中等教育学校の桜修館と小石川、そして併設型の武蔵中学が報告書の配点がやや高い結果となっていますが、このまま単純に数字を比較すればよいものでもありません。

なぜならば、都立一貫校の場合、小学校報告書の3段階の評価点に対し、各校が独自の傾斜得点を設定しているからです。これがまた細かく異なり比較しづらいのです。

では、報告書点の傾斜について確認してみましょう。

 

報告書3段階評価の傾斜配点

 都立高校の内申点と異なり、都立一貫校における報告書の評価点には、各校複雑な換算得点が設定されています。具体的に言うと、評価点3は、評価点1の3倍の得点ではないということです。

言葉では分かりにくいので、こちらも一覧で確認してみましょう。

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こうして並べてみると、先の合否判定における報告書の割合以上に各校独自のポリシーを持っていることが伺えます。両国に至っては、実技教科の配点を抑えています。

一見して各校共通するのは、次の通り

  • 評価点1はほとんど加点が見込めない
  • 2の評価が3の半分か、より大きいか

一覧の11校中、2の評価が3の半分である学校が5校、それ以上の加点が見込める学校が6校と、ほぼ半々に分かれます。

1)評価2が、評価3の1/2
  • 立川国際、三鷹、南多摩、九段、白鷗
2)評価2が、評価3の1/2点を超える
  • 桜修館、小石川、武蔵、両国、大泉、富士

報告書が芳しくない場合、評価2が3の評価により近い2)の学校の方が報告書の影響が少ないといえるでしょう。ですから、桜修館中等教育学校が最も報告書の点数の影響が大きいとは言い切れない点が残ります。2が多い受検者にとっては、2の評価が低い学校の方がマイナスの影響が大きい可能性があるからです。

そこで次に、各校の実際の評価配点の相違を比較できるよう、合否判定1000点換算における報告書の点数傾斜について確認します。

 

1000点満点での報告書の得点価値

 ではこれまでの一覧を合体し、1000点満点換算における各学年各教科の報告書点を確認してみます。どのような結果となるでしょうか。

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こうして報告書の1学年1科目の点数を1000点満点価値で並べてみると、各校の報告書の扱い方の違いが更にはっきり比較できます。九段に至っては、評価1は3の1/40しか加点がありません。

ただしこの一覧を確認する際には注意点があります。

  • 各校比較向けに1000点満点換算しているため、1000点満点を採用していない学校(小石川、武蔵、富士)の場合は実際の傾斜は異なる点
  • 報告書点に傾斜があるのと同様、適性検査の得点も傾斜換算されているため、一覧内の点数が適性検査の1点に相当しない点
  • 区立九段は3学年の内の1学年分である点

一覧の数字は、各校の報告書のウエイト比較のためのものですが、実際の入試で役に立つのはむしろ以下のような情報ではないでしょうか。

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この一覧は、先の各校換算配点について、評価2および1の得点を評価3からのマイナス点で示したものです。

こうしてみると、小石川、武蔵、大泉辺りは評価2までを良しとしているような隠れたメッセージが伝わって来るように思います。

これまでの一覧を総評すると、大泉中学が最も報告書の内容に寛容だということができるかもしれません。逆に報告書の内容が良い場合でも、他校と比べてあまりアドバンテージにならないということになります。

 

報告書得点の適性検査得点価値

 では更に突っ込んで、各校合否判定における報告書の得点価値を表示します。このような評価を見たことがないので、正しいかどうか多少不安も残りますが、計算上は正しいはずです。ご覧ください。

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この得点は、先の1000点換算報告書点に、適性検査のウエイトを反映させたものです。

初めに見た通り、学校によっては適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲそれぞれの得点にも傾斜がかかっていますので、同じ学校内でも適性検査間の価値も異なるのですが、ここでは適性検査を全体としてみた場合の報告書の点数を示しています。

さて、こうしてみると、桜修館中等教育学校の報告書点が突出して高いのが確認できます。小石川、武蔵も世間の評価と異なり報告書のウエイトが高いです。そもそも報告書の割合が、それぞれ30%、25%と他校より高めの設定ですから、その状況が反映されたものであるといえるでしょう。

この状況では、報告書の点数が望めない受検者は桜修館や小石川に合格するのは難しいのでしょうか?

それは短絡的な考えというものです。

なぜならば、一貫校の合格を目指す生徒は、そもそもそれなりの学力はあるはずですので、気にすべきはその配点自体の大小ではなく、母集団との得点差。具体的には評価3と2または1との得点差です。

そこで先に見た、評価3からのビハインドを改めて適用してみます。

 

報告書点の合否判定に与える影響

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これが最終結論です。

都立中高一貫校を目指す受験生と保護者の方は、この最後の一覧を気にしていただくのがよいかと思います。その際に、都立一貫校は2年分、区立九段は3年分(4年は家庭科除く)について考慮する必要があります。

そして結果的に以下の整理ができるのではないかと思います。

評価3、2が概ね同じ価値
  • 小石川、九段、武蔵、大泉、富士
評価2がややビハインド
  • 立川国際、三鷹、南多摩、白鷗、両国
評価2がビハインド
  • 桜修館

そして、都立中高一貫校の記事で必ず記載してあるのが、評価1は絶対取るなという注意書きですが、最後の表を見る限りでは見方が多少変わります。

評価1のマイナスが比較的大きい学校
  • 桜修館、小石川、武蔵、両国

この4校は、評価1が適性検査の小問1問分程度、4点前後の減点に相当します。

それ以外の学校は、もう気にしない方が精神的に良いのではないでしょうか。上記4校の場合でも、小学校5、6年の2年間にいくつかの1があっても適性検査の点数によってまだ挽回は可能な程度だといえるでしょう。

ただし桜修館については、11校の中でも特に評価3を求める考えが強いようです。ですから、小学校の通信簿が優良な生徒にとっては、入試でのアドバンテージが高い学校だといえるでしょう。逆に報告書が芳しくない生徒にとっては少し厳しい現実があるかもしれません。

都立中高一貫校の場合も、最後の合否ボーダーラインの線引きは1点、2点の差だと思いますので、もちろん報告書の点数は大切には違いありません。

ただ都立一貫校の場合は、都立高校が説明会で受験者得点を開示するのと異なり、私の参加した学校では各校受験生や合格者母集団の平均得点の開示等がありません。このため、ライバルと比較して、実際にどの程度のアドバンテージやビハインドが発生しているのか把握しづらい現実があります。

また、子供たちはまだまだ小学生ですから、中学生ほど日々の学校での生活を自分でコントロールできる年齢とも思えませんので、報告書の点数を狙うのも容易ではないように思います。

ですから都立一貫校を考える保護者の方は、今回の情報を確認した上で、この程度の差なら仕方がないねと開き直る方が、健全な受験につながるように思います。

 

わが家でも最近は都立一貫校の動向は気にしていますので、高校受験と合わせて引続き情報の提供を行いたいと思います。

尚、本記事の点数情報は、日比父ブログ独自検証の傾向が強いと思います。他では見たことのない数字が並んでいるかと思いますので、万一内容に誤りがある場合は、ご指摘いただけると助かります。「入力フォーム」から長文の発信が可能です。ご協力をお願い申し上げます。

ではまた次回。


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