日比谷高校卒業、これからの道

2022年3月10日更新:

 新型コロナと共に、世界は変わってしまいました。

式典への参加も叶わず、感謝の夕べの開催も中止となった保護者の皆様の心中お察し申し上げます。

そんな中でも変わらないのが親心です。式の後の正門で、わが子の晴れの姿を見守る保護者の方々の姿を想像する時、一年前のあの日の誇らしい気持ちと、今年の状況への複雑な感情が折り重なります。

コロナ前の卒業式の日。あの日感じた気持ちを改めて思い返し、再びあるべき日常が戻ることを願いつつ、式に参加できなかった保護者の皆様の思いを偲びながら、この文章をお届けします。

平成30年度 日比谷高校卒業式

平成30年度 日比谷高校卒業式

 長男が日比谷高校を卒業しました。

3年前の雨降る中で出席した入学式とはうって変わり、晴れ渡る青空の下に行なわれた穏やかな卒業式となりました。

何より感慨深いのは、3年前の入学式よりも、卒業式に参加する父親の数が確実に多いと感じたことです。父親の子育てへの積極的な関与は、やがて訪れるべき子離れへの準備と共に、日比父ブログが取り上げる中心テーマの一つでもあるからです。

長男が過ごした3年間の内に、日比谷高校の社会的な地位は大きく向上したと感じます。それは保護者としては素直にうれしいことです。そうした前向きな社会的変化が、働き方への意識の変化と共に、保護者の意識をも少しずつ変えたのかもしれません。

日比谷高校への期待

 私が日比谷高校をテーマとして選ぶ理由は、教育改革が謳われる現代社会において、同校に対し、新しい教育の在り方を先導するオピニオンリーダーとして期待を寄せているからです。

その期待は、灘、筑駒、開成といった、現在進行形で大学受験の上位を走る伝統校に対する役割とは異なり、また渋谷教育学園のような、新しい時代を象徴する教育を積極的に展開する新興校に対する役割ともまた異なります。

そこにあるのは次のような感覚です。

もし仮に、学校の栄枯盛衰が、繰り返される歴史のようにある一定の周期に基づいて隆盛と凋落を繰り返すと考えるならば、日比谷高校は、現在その周期の二周目に入った日本で唯一の高等学校であるように映るのです。

それはかつての栄光と、その後の半世紀の挫折を経験し、今再び時代の要請を受けて眠りから覚め立ち上がる救い人のよう。

優秀な18歳の生産をゴールとする日本的な教育システムとは異なる、将来の優秀な人材を育てるために、18歳をスタート地点として生徒を送り出す教育の在り方。

日比谷高校には、そんな教育界の白馬の騎士としての役割を期待しているのです。

日比父ブログのこれから

 『日比谷高校を志す君に贈る父の言葉』は、現役日比谷生をもつ父親が、中学生の「君」を中心に、小中学生や保護者の方に教育と住まいの今を語りかける物語です。

長男が日比谷高校を卒業した今、その物語はどこに続くのでしょう?

これを最後に更新を終了すべきでしょうか?

昨日、武内校長が保護者に対して語った言葉の中に、その答えが隠されていました。

「保護者の皆さん、これからも日比谷高校を温かく見守ってください」

それは、子の卒業後も同校への応援を希望する学校長からのメッセージです。

その言葉を聞いた時、こう理解しました。

ああそうなんだ、これからも日比父として歩んでいいのだなと。

これからの日比父ブログは、学校内部からの視点を離れ、日比谷卒業生の保護者として、そしてこれから中学、高校受験を迎える日比谷受験予備軍の小学生の父親として、目標に向かって努力する君のために、海外や地方から都心を目指して移り住む保護者とその家族のために、そして来るべき未来の日本を形作る教育環境の発展と充実のために、期待すべき日比谷高校を外部から客観的に捉えた視点を軸に、日本の教育シーンや都内で暮らす家族のための情報を、広く語ることになります。

書きたいこと、そして書くべきことはまだまだたくさんあります。問題は、文章に向かうための時間が今後更に取りにくくなることです。

ただ更新頻度は現在よりもたとえ落ちた場合でも、文章のクオリティは落とすことなく日比父流の視点を大切にしながら、これからも地道に情報の配信を続けていけたらよいなと考えています。

第二ステージ、新たな展開を迎える日比父ブログを、引き続きよろしくお願いします。

3月10日追伸:

 愚息が東京大学に合格しました。

新しいステージでは、より広い立ち位置と視野から発信できればと思います。

ではまた次回。