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日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

グーグルは君を見ている ~社会の深層

日比谷高校も夏休み。

今回は直接的には受験には関係ないと思われるような、先週末にこのブログに起こった出来事、ある意味現代社会の深層に触れるような、インターネット時代における社会的事件についてお伝えしようと思います。夏の夜にふさわしい、少し怖いお話。小論文や面接など、世の中を考えるヒントになればと思います。

 

ブログ開始10日で、いきなり手動ペナルティ

 まだ始まったばかりの本ブログですが、サイト開設後10日ほど経った頃、投稿記事も数えるほどしかない状況で、何故か突然、このサイトが検索上に出現しなくなっている事実に気づきました。ネット上を調べてみると、どうやらグーグル社が定めた規約違反に引っかかって、検索対象から除外されているようなのです。 

ブログやウェブ管理に携わる方ならお分かりと思いますが、同社の提供するウェブ管理ツールを見ると、おかしいと思った翌日に、このサイト全体が、悪質なスパムであると認定を受け、「手動による対策」が施された旨の通知が届きました。つまり、グーグル社のサイト監視担当者から、不適切なサイト運営者として退場を命じられたわけです。東京の高校入試に関し、信頼できる有意義な情報が少ないと感じ、これから受験を迎える方々に少しでも価値のある情報を提供しようとして始めたばかり。悪意などなく、しかもまだ書き始めて僅か10日余りです。こんなことって普通にあるのでしょうか?試合開始直後のレッドカードとでも言うべき出来事。何ということでしょう。

 

グーグル検索の仕組みと影響力 

 さて、今回の事件?で初めて認識したのですが、グーグル検索は、何も世の中に存在する全てのウェブページを検索結果として提供しているわけではないのです。実際はクローラーと呼ばれる徘徊ロボットが、四六時中世界中のネット上を這いずり回って(クロールして)収集した情報を、その親玉である検索エンジンが吟味し、その中から適切で意味のある(と同社が定義した)情報のみを「インデックス」と呼ばれる棚に収めます。そして、その棚の中に並んだ情報の中から、グーグル社は利用者に検索結果として情報を提供しているということなのです。ある意味情報のセレクトショップです。価値ある情報を提供し続けなければ、顧客から見放されるというわけです。つまり我々は、ある種の検閲を通過した情報だけを検索結果として見ているわけです。では、同社から退場処分を受けるというのは、どれほどの影響があるのでしょう?

 

それは、ほぼ全てのインターネット利用者から隔離された、という事に他なりません。

 

 例えば、日本の検索サイトの利用率は、Googleが約6割、Yahooが約3割で、両社でほぼ9割以上を占めているそうです。しかも実際のところは、どちらも中身はグーグル社の検索アルゴリズムを利用しているため、結局は、並び順に独自性が現れる程度で、どちらも同じ棚に並んだ商品というわけです。つまり、同社のインデックスから外された時点で、インターネット利用者の9割以上から断絶されたウェブコンテンツとなり、一般利用者の目には留まらないということになるわけです。インターネットで情報発信やビジネスを展開する個人や企業にとっては、まさに死活問題となる一大事なわけです。

 

情報社会の覇者とグーグル帝国 

 そしてこの出来事をきっかけに、現在の情報社会の覇者が誰なのか、はっきり認識させられました。そう、グーグル社です。みなさんの中にも、お店の選択、商品の調査、旅行先やホテルの評判など、起きている間中、何でも検索しているという人は少なくないでしょう。必要な行動を起こす前に、まず検索です。直接目に触れ、手にする主観的な生の情報よりも、検索結果を優先し、誰かの意見を重用する風潮が、いつの間にかできてしまっています。

 検索なきところに人生なしです。世の中は変わりました。

 このように見ると、例えば一時期世界のITプラットフォームを押さえたかに見えたマイクロソフト社などは、既に情報産業ではなく旧世代の製造業者となってしまったことが理解できます。インターネット情報の利用者にとって、どのOSや端末を経由するかはどうでもいいことなのです。使いやすさや好き嫌いはあるでしょうが、本質的なことではありません。しかも同社は、自ら情報端末を商品化したり、強制的アップデートを送りつけたりして、すっかりかつての余裕が失われていますね。盤石に見えたビジネスモデルの崩壊です。

疑いなく、現在の情報プラットフォームは検索エンジンに移行したと言えるでしょう。

繰り返しになりますが、寡占的な検索インデックスの対象から外されるということは、情報の発信者からすると決して起きてはならないことになります。そして検索の対象は、商品であれサービスであれ、思想や形而上学的な問題であれ、すべての文字情報に及んでいるのです。情報社会の中で生きている我々は、ネットに繋がる限り、圧倒的な存在であるグーグル社の掌の上で生きていることに等しいのです。物流から思想まで、すべての人間の活動が対象になり、しかも、同一のインフラの上を流れているのです。素晴らしいビジネスモデルを構築しましたね。

同社がなぜ至れり尽くせりの高度なインフラを無償で世界中に提供できるのか、莫大な事業資金をどこから得ることができるのか、不思議に思ったことはありませんか?でもこうして考えてみると、現代の情報社会に生きている全ての人が、検索ボタンを押す度に、日々生活の中で購入するサービスや商品等を通じて、間接的かつ無意識の内に同社にサービス料を払い続けていることになるのです。しかも同社が提供する情報商品は、公園に転がる空き缶と同じく、検索エンジンにとってはネット上に無償で、しかも無尽蔵に落ちているものなのです。そしてその情報ソースは日々拡大し続けている。無償どころか、情報の提供者は検索エンジンに釣り上げられるのを期待して、大きな口を開けて待っている。ただ待っているばかりでなく、一番になるために必死に競争している。

仕入れ原価が0に等しい商品を顧客に提供する一方で、企業からサービス料を徴収しているわけですから、大掛かりなインフラ投資をせよ、無尽蔵の利益が生じるわけです。

ある意味、中央銀行だけが持つ超特権である、「通貨発行権」ならぬ、「情報発行権」を同社が握っているわけです。無から利益を生む仕組み、しかも国家の枠組に依存しない一社独占の情報帝国です。

こうなると、組織の健全性や独立性などが気になりますね。中国政府であれば、誰もがあからさまなネット監視を行っていると思うし、ある意味微笑ましいのですが、我々も知らず知らずのうちに大掛かりな情報操作を受けていないという保証はないわけです。商業的な情報操作は致し方ないにしても、憲法改正が語られる時代に、同社のモラルは歴史を左右するほどに重要な意味を持つではありませんか。

 

検索ロボットと共に生きる

ところで、何がグーグル社の機嫌を損ねたのかとタネ明かしをすると、どうやら特定のキーワードを重用しすぎたようなのです。検索エンジンの上位を狙うための安易で悪質な対策と判断されたのでしょう。同社からの規約違反を伝えるメールが届く前に、その点を修正して報告したところ、7月の3連休を挟んだ4日目に、早々ペナルティ解除のお知らせが届きました。カレンダー営業日で僅か1日、計4日間で回復し、影響も最小限で抑えることができました。その間、このようなつまらぬ疑念を抱きながら過ごしたのです。今回は非常に痛い目を見たわけですが、逆に世の中の仕組を改めて知る上で、とても良い機会を得ることができたといえば、大げさになるでしょうか。学びの機会も日々至る所に無償で転がっているものなのです。 

  インターネットを利用する限り、検索ロボットは、常にあなたを見ています。そしてスマホを持って暮らす限り、彼らはあなたのそばを片時も離れません。そして位置情報の発信や検索という行動を通じて、常にあなたの思想や指向を探り、あなたを四六時中監視しているのです。あなたが誰かの意にそぐわないと判断されたとき、あなたが発信する位置情報を目がけて、社会的制裁が飛んでくる日が来るかもしれません。そして、マイナンバー時代に生きる我々を社会的に操作することは、ネット上に生きるロボットにとってはもっと容易なことかもしれません。

信じますか信じませんかはあなた次第です。

ではまた次回。