日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

内申点と合格点の探求 ~導入編

  夏休みも残りわずか。2学期は都立入試本番の内申点が決定する、中学3年生の君にとっては本当に重要な時期となります。

3年生の1学期まで内申点のよかった君は、2学期の定期テストでしくじりはしないだろうかと心配し、これまで悪かった君は、何とか今回だけは良い点が取れないかと期待する。これから先は試験本番まで、本人も保護者も、何かにつけてドキドキハラハラ一喜一憂の、精神的にも特に不安定になりがちな時期となります。

今回は、都立高校入試の特徴の一つであり、都立入試の合格点や受験対策が複雑多様化する要因でもあり、少し皮肉を込めて表現すれば、入試に関わる悲喜劇を華やかに演出する内申点について、合格点確保という観点からお話ししたいと思います。


内申1点は合格判定の何点か?

  受験生にとっての最初の関心毎は、正にこの1点に尽きると思います。
とにかく、説明は抜きにして情報を見てみましょう。

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はい、いきなり結論が出ました!
これが都立高校受験生を悩ます数字の正体です
この赤裸々なマトリクス表は見たことがないですね。今回作ってみました。

この調査書300点と、学力検査700点の合計1,000点満点で合否が判定されます
同点の場合は学力検査(試験)の点数の高い者が上位となります。表の見方としては、

  • 横軸が主要5科目(英数国理社)の素内申合計点(5科x5=最大25)
  • 縦軸が4科目(音美体技)の素内申合計点(4科x5=最大20)
  • 交わった個所が、学力試験に加算される調査書点
  • 階段状の破線は、素内申40点となる参考ラインです

詳しい算出方法は抜きにして、幽霊の正体見たり、まずは恐れずにこの事実をはっきり認識することが必要でしょう。
一覧にしてみると、自分の立ち位置と周辺状況の双方が直ちに理解できますね。内申点の見える化、これが大事です。

「素内申」はやや聞き慣れない言葉ですが、通知表の評価点、一般に内申点といえばこの数字のことです。9教科x評価点5=45点が満点となる、よくご存じの評価です。
上記一覧の300満点調査書点を算出する過程で、4教科評定2倍の傾斜得点を反映した「換算内申点」が現れるため、はっきり区別するために、素内申と呼ぶことがあります。

9教科オール5、素内申45の生徒であれば、調査書点は300点獲得となります。

 

敵か味方か、小悪魔的な内申点

 9教科がオール5の内申45であれば何も悩む必要はないのですが、これが44以下に下がってくると、なかなか厄介です。内申点がじわじわと暴れ出すんですね。
トップを目指せば点数不足が牙をむいて容赦なく襲い掛かってきますし、低いレベルに安住すれば、試験本番のミスから天使のように優しく守ってくれる。そして同じ内申点でも、相手によりいろいろ違った表情を見せる。
上を目指す受験生の多くを悩ます、本当に小悪魔的な存在です。

例えば、素内申40のラインを見ると、評価の内訳により、表面上は同じ内申40でも、合否判定の調査書点は最大23点(276-253点)の開きが生じるのです

そして、素内申満点の45と40の受験生を比較すると、試験を受ける時点で既に最大47点(300-253点)、最低でも24点(300-276点)の得点差があることが表から見て取れます。平均的に見ても、初めから35点程の得点差がついているわけです。

また別の比較ですが、主要5科がオール5の25点で4教科がほぼオール4となる15点(素内申40)の受験生と、5科がオール3の15点で4教科がオール5の20点(素内申35)の受験生は、調査書点では同じ253点になります。
お分かりですか?

5科目(英数国理社)がオール5の生徒とオール3の生徒が、実技4教科次第では同じ持ち点になるのです。通知表の内申が5点も離れているのに、何だか少しショッキングですね。でも現実です。

これが、都立高校入試において、どこで点を稼ぐかの見極めが必要な理由であり、都立受験を複雑多様化し、受験生や保護者を悩ます理由です。  

受験高校の最終確定までには、試験直前の出願変更制度があるため、発表された応募倍率を横目に、想定する合格点を念頭に調査書点と学力を考慮しながら、進むか退くか、最後の最後まで本当に悩みます。

ルールを把握しないと、何故このような点差が生じるのか意味が分からないまま漠然と悩むことになりますし、1点を争うと言われる受験において、素内申40だから良いか悪いか、という大雑把な議論をしてもあまり意味がないことがお分かりいただけると思います。

ですから、まずは早めに事実をきちんと把握して、それから対策を考える。後から、「それならあっちの教科にもう少し時間を回せばよかった」と焦っても遅いのです。
でも初めからそれほど恐れる必要もありません。なぜって受験生全員が同じルール上で競い合っているからです。 

平成28年度入試より、いわゆる「特別選考枠」が廃止されました。内申点とは関係なく、入試本番の学力試験の結果により一定数を合格させる制度です。この制度変更のために、国立附属や開成、慶應女子に合格する受験学力があっても、必ずしも日比谷高校をはじめとする都立トップ校に合格できるとは限らなくなりました。(中略)激戦区に位置する受験生にとってはますます、自分が何処で点を稼ぐのかを見極めて戦略を立てることが、合否に直結する大切な判断になるでしょう。

塾を選ぶ前に君がすべき大切なこと - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

 
学力最上位で内申がそこそこの受験生も、学力はそこそこで内申が45に近い受験生も、みなそれぞれの弱点を抱えているために、同じように悩むのです。
まずは間もなく始まる2学期の最初の定期試験に向けて、素内申点ではなく調査書点の何点を確保するのか、そのためにどの教科に力を注ぐのか、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

 

内申点を考える上で注意すること

 前回、東京都教育委員会が概ね3年毎に策定する計画について触れました。

東京都教育委員会の策定する、本年度から平成30年までの三か年計画である、都立高校改革推進計画「新実施計画」が反映されたものと思います。

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都立の入試方法は、3年毎に変更となる可能性があります

そして正に平成28年からの新しい三か年計画の始まりと共に、都立入試のルール見直しが行われ、特別選考枠が廃止され、実技4教科の傾斜点が変更となりました
このため、

自分が受験する時点での現行ルールを意識することが決定的に重要です。

平成28年現在の都立受験生(平成29年度受験生)が注意したいのは、
内申点の扱いは、平成27年度入試までと、平成28年度入試以降では大きく異なる
という事実です。

WEB上には、平成27年度までの古い入試情報があふれていますので、情報を閲覧する際には特に注意が必要です。特にルールの変わった内申点について確認する場合は気を付けましょう。厳密に言えば、先輩の合格体験記なども参考にならない可能性があります。
本ページの情報も、平成31年度入試からは古い情報となる可能性があることを、予めお伝えしておきます。

調査書点の算出方法

 最後に、一覧に記載した調査書点の算出方法を記載します。簡単な算数です。

  1)4教科の評定を2倍する(4科x5x2=最大40)
  2)5教科と1)を合計して「換算内申点」を算出する(25+40=最大65)
  3)換算内申点(65点満点)を300点満点に換算する

 つまり、以下の通りです。

  調査書点 = 換算内申点 x 300/65(小数点以下切り捨て)

途中の換算内申点を一覧にまとめると、以下のようになります。先に見た300点換算と同じ構成です。

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内申点と試験得点の関係

(2017年4月9日追記)

 これまでの内容を見ると、内申点の影響がとてつもなく大きいように感じるかもしれません。例えば内申45と40の受験生の開きが47~24点あるという点。

これでは試験での逆転が厳しいと感じてしまうかもしれませんが、これは誤認です。

先の47~24点は、合否1,000点換算における得点ですから、試験100点満点の1点と等価値ではありません。

5教科試験500点満点は合否1,000点では700点換算されますから、試験の1点は700/500倍、つまり1.4倍の1.4点となります。

ですから内申47~24点は、試験100点の価値に戻すと33.6~17.1点。

それ以前に、そもそも内申と試験のウエイトは300:700ですから、特に自校作成問題に戻る平成30年度入試以降は、試験の出来が平成29年まで以上に合否を左右するものと思われます。内申点はあくまで合否の調整役。

この感覚は、内申点に恐れをなして逃げ出さないために必要なものだと思います。
何となくで判断せず、事実を正しく定量化して冷静に状況を見極める。
願書提出に向けた最終判断の際には、この点が非常に大切な要素となるでしょう。 


以上、都立入試の重要要素である内申点について簡単に整理しましたが、より突っ込んだ考察については、別の機会にお話ししたいと思います。

ではまた次回。 


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学力を意識した合格点の探求