緊急事態宣言:家族4人長期在宅の始まり

緊急事態宣言の発出/画像出典:首相官邸HP

 4月7日の新型コロナウィルス緊急事態宣言。

その影響により、次男の地元中学校の入学式は急遽延期となり、1ヶ月続いた小学校休校から続き、中学生活も自宅待機からのスタートととなりました。

兄の東京大学も、サークル活動も含めてすべての運営が止まっています。加えて私自身も、本格的な長期在宅勤務が始まりました。

図らずも、家族4人が狭い家の中で四六時中顔を合わせる生活が始まりました。

これからの日々は生まれて以来初めての、そして社会人となってから、あるいは家庭を持ってから初めて経験する事態であり、今後世の中や家族生活がどのようになっていくのか本当に先が見通せない状況にあります。

 

緊急事態宣言の中で大切なこと

 個人的には、5月ゴールデンウィーク明けからの社会の正常化は期待していません。

  • 有効な治療薬の完成
  • 有効なワクチンの完成
  • 全人口の感染

少なくともこのいずれか、要するに新型コロナの無毒化が達成されない限りは平時の生活が戻ることはないだろうと考えています。そしてそのような状況の実現は、普通に考えると半年程度では難しい。

外出自粛とは、治療薬かワクチンが開発されるまでの時間稼ぎや、医療崩壊を避けながら緩やかに全市民がウィルスの抗体を持つための対処療法にすぎません。

ですから今求められていることは、長期間、当面はゴールデンウィーク明けまでの1ヵ月ですが、少なくとも当初のオリンピック開幕式の7月辺りまでの自宅待機を前提に、

  • 何よりも精神的な健康を維持すること
  • そのために家庭内の生活環境を適切に維持すること
  • 特に夫婦円満な状況を維持すること
  • 同時に子の生活と教育面の健全性を維持すること

ではないかと感じています。

親としては、特に受験生を抱えるような場合には、子の学習面や生活リズムに意識が向きがちですが、それよりも何よりも、家族の精神的な健全性を保つために、まずは夫婦や親子の人間関係が円滑で、お互いにいがみ合ったり喧嘩することなく穏やかに暮らすということが求められているのだと思います。

子の学力や成績は、人類への脅威が後退し、家族が生活面でも健康面でも不安なく継続可能な状態であってこそ初めて考慮されるべき種類のものです。

学校や学習塾の休校を嘆いたり非難する前に、家庭の基盤を安定させることが先決ではないかと思います。

 

コロナ離婚やDV、虐待の発生

 新型コロナの影響で、離婚やDVや虐待が増加しているのだとか。

でも、それはある意味自然な現象であるのかもしれません。

なにしろ主婦の方からすれば、昼間家庭にいないはずの夫や子供が在宅勤務や休校の影響でいつまでも家でゴロゴロすることとなり、家事の負担が著しく増加するだけでなく、一人心休まる時間が奪われたり、夫や子供が非協力的で家事に無理解の上に、デリカシーなく世話を求めてくる状況が続けば、誰でもすぐにうんざりしてしまします。

翻って夫の方でも、需要が著しく高い職種と経済活動の自粛が要請されるような職種とに二極化する中で、慣れないテレワークのために仕事が思うように進まない状況が発生したり、取引先との面会や外食、週末の活動などが制限されたり、逆に今後の収入への不安に脅かされるような状況がある中で、長時間家庭の中にいることにどうしても平静を保つことができずついイライラしてしまうということはあるでしょう。

そして子供たちも、学校も塾もスポーツ活動もなく外に自由に遊びに行くこともままならない状況がある中で、家の中では父親や母親からの勉強時間確保への圧力やゲームや遊びの時間に対する口うるさい干渉に晒されるばかりか、好きな仲間たちとのコミュニケーションも外で体を動かす機会も制限される。

新型コロナの影響で発生するそのような日々の状況は、家庭内の不協和音が発生しやすい環境であることは間違いありませんから、我々一人一人にできることは、むしろそうしたネガティブな状況をあっさりと受け入れた上で、如何にお互いの生活や価値観を尊重し認め合うかということかなと感じています。

 

勝者なき戦い、負けない努力

 新型コロナとの戦いは、誰が勝つというものではありませんから、他の家族を出し抜いて日用品を多く集めたり、密かに開講している学習塾を見つけて子を通わせたり、別荘地や避暑地にしばらく身を潜めた者が勝利するというわけではないでしょう。

どこにいようが、例えば敷地100坪を超えるような自己所有の軽井沢の別荘にしばらくコロナ疎開する家族が幸せかというと、必ずしもそうでないのが世の中の面白いところです。

都心の60㎡のマンションに家族4人で閉じこもっても、避暑地にある200㎡の別荘に家族4人で疎開しても、結局のところ最終的に個々の心身の健全性を担保するものは家族間の絆や信頼関係であって、決して建物の密集度や人口密度が先に立つものではないように思います。

まだ始まったばかりの、ある意味外部環境から隔離されたシェルターの中での、あるいはダイヤモンド・プリンセス号に乗船しているようなある種の軟禁状態に置かれた中での生活を前提に、先も姿も見えない難敵との戦いに勝利するためには、結局のところ、長く一緒に暮らす家族との良好な関係を継続することに尽きるのではないかと感じます。

これからの我が家の家族生活や世の中の変化がどのようになっていくのか、非常な興味を持って見守っています。

 

コロナ緊急事態宣言記

 これまでは教育という切り口を中心に、一つのテーマを掘り下げて語ってきたこの日比父ブログですが、新型コロナによる緊急事態が続く当面の間、この長い非日常な生活やコロナとの戦いがどのようなものであったかについて、大げさに言えば後世の保護者の方や子供たちに残すために、雑記的なアプローチを試みてみようかと考えています。 

日記をつける習慣のない私自身が日記的なアプローチでどのような文章を書くことができるのかは、コロナが生んだ一つの機会であり、長期の在宅勤務や外出自粛の続く中でできる一つの前向きな挑戦であるといえるかもしれません。

文章を書くことは、平常時には相当静かで消極的な引きこもり的な行為であるものの、この状況下においては相当積極的で前向きな社会貢献活動につながるのではないかと考えています。

全国には、潜在的な家庭も含めておそらくは家庭不和や親子関係に亀裂が入るような崩壊予備家族がごまんと存在するに違いありません。

そのようなストレスを抱えた社会に生きざるを得ない家族や子供たちのために、弱小な情報プラットフォームであることを承知の上で、この日比父ブログとしてもささやかな光や希望と共に、悩める家族や世の中のお役に立つことができはしないかとぼんやり考えています。

何よりもそのためには、私自身が妻や子供たちとの長い共同生活の中で良好な信頼関係を継続することが最も大切であることに疑いの余地はありありません。

熟年離婚適齢期を迎える夫婦関係や、反抗期バリバリの適齢期を迎える次男との親子関係や、これから社会に向けて自立しようとする長男の社会適合生が、この新型コロナによりどのように影響され変化するのか、できる限り冷静かつ客観的に観察してみたいと思います。

皆さんの学生生活や社会生活や家族生活が、この長い戦いの中で少しでも健全に、そして楽しいものとなるようにお祈りしています。

ではまた次回。

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