東大オンライン授業、飲み会、人生ゲーム

もはや定番!オンライン飲み会

 長男がリビングで東京大学のオンライン授業を受けています。

すぐ横で弟がマインクラフトを、母親が食事の支度をしている中で受ける最高学府の授業風景は、傍で見ていてなかなかシュールな構図です。

東大はコロナ対策に関しては、卒業式の簡略化や入学式の中止を早々に決定するなど、発生初期から積極的に対応している印象があります。

オンライン講義用のZOOMアカウントの生徒全員への割り当ても迅速でした。

それにしても、世の中はこの1、2週間で、テレコミュニケーションが当たり前の世界に変わりつつあります。

テレビ会議はどうもしっくりこないといって大阪まで出張していたお父さん方も、アフター5が開けない今となっては観念して、テレビ画面上の相手に向かって話しかけることが普通の風景に変わっています。

 

遠隔で図るコミュニケーション

 特に子供たち若い世代にとって、オンライン上でコミュニケーションを図るということは大して抵抗感はないようです。

休校中の弟も、毎日ネットゲームをしながら仲間たちと密な交流を図っています。

昔であれば、誰かと遊びたい時などは、仲間がいることを期待して児童館や公園などに足を運び、「やあ」と声をかける風景が見られたものですが、最近はオンラインゲーム上にアクセスしてきた仲間たちを見つけて「やあ」をやっています。

自らが操る画面上のキャラクターを介して違和感なく仲間と交わる光景は、映画マトリクスの世界に一歩も二歩も近づいていることを感じずにはいられません。

現状では指先からの物理的な入力情報を、キーボードやコントローラーを介して間接的に伝達しているネット上の自分の分身への命令を、直接ネットにつながれた脳波を通じて動かす日もそう遠くはないように感じます。

仮に現時点で、そのようなバイオとデジタルとのインターフェイス機器がネット上で売られていたとしても、それほどは驚きは生じない気がしています。

 

即席オンライン人生ゲーム

 大学からテレビ会議用の個人IDを授かったからでしょうか。先日長男はサークルの仲間たちとオンライン人生ゲームを楽しんでいました。

我が家にあるボードゲームを舞台に、長男がホストとして複数の参加者を世話しながらゲームを進めます。

Webカメラや携帯でゲーム版を捉えながら、各プレーヤーのターンに代理でルーレットを回し、止まった先のイベントを読み上げプレーヤーに選択肢を与え、回答を確認して駒を進めたりお金の受け渡しを仲介したり、一人忙しく動き回ります。

最近ではネット上でのランチ会や飲み会や音楽セッションなど、1か月前であれば馬鹿にされたような様々な試みが報告されており、それなりに支持を得て世の中に広がっているようです。

3密を避け、ソーシャルディスタンスを確保するためには、このテレコミュニケーションは決定的に有効ですから、当面はますますオンライン上での交流が、回数も規模も大きくなりながら増えていくのかもしれません。

 

もはや定番!オンライン飲み会

 テレ人生ゲームに続き、先日長男はテレ飲み会を行っていました。

翌日聞いて驚いたのですが、なんと夜9時から朝4時までリビングで一人飲んでいたそうです。

一人といっても、オンライン上で複数の仲間と向き合って飲むわけですから一人ではないのですが、相手が目の前にリアルに存在していない状況で7時間も一緒に?お酒を飲み続けることができるのだと新鮮な驚きでした。

雰囲気も臨場感も熱気も雑音も酒場特有の空気もタバコの匂いも何もない、周囲が寝静まった平静な自宅のリビングで飲み会が違和感なく成立するのは、デジタルネイティブ世代の特徴の一つかもしれません。

冷静に考えてみると、テレ飲み会の場合は座席配置によって会話の盛り上がりや偏りがないフラットな環境であるばかりか、対話に無理に参加する必要もなく、嫌であればいつでも退出できますし、場合によっては自分の用事を平行して続けることも可能で、準備する料理やつまみも勘定もその場の音楽もすべて自分次第という気軽さですから、同調圧力や強制を嫌う今時の子供たちには案外馴染むのかもしれません。

いずれにしても、この長い在宅期間が始まるずっと以前から、小さな携帯画面は長男にとっては日々の生活には欠かせないリアルなもう一つの現実世界だったことを思えば、オンライン上の会話やコミュニケーションもまた、仮想現実ではないリアルな人間活動の一つの形ということができるのだと思います。

 

テレコミュニケーションの先に

 まだまだ終わりの見えない外出自粛の世界の中で、これからも様々な遠隔交流が現われ、そのいくつかはその後の世界にも定着し続けるでしょう。

オンライン上で恋人と出会ったり、遠距離恋愛の間を埋めたりということは、手紙や伝書鳩の時代から長い間行われてきました。

もしかすると、一度も直接面会したことのない男女が画面上で結婚し、離れたままで生活するというテレブライダルも一般化する時代が来るかもしれません。

その時そのカップルは、どのように子を授かるのでしょうか。

もしかすると、そのような夫婦の養う子供は、仮想現実上の生活空間の中のデジタルな子供たちなのかもしれません。

そうしたデジタルベイビーはもう既に、どこかのサーバー上で今日も泣き声を上げ、父や母のアクセスを待っているのかもしれません。

ではまた次回。

 

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