日比谷高校の合格ボーダーラインを知る

2017年12月2日更新:

 12月に入り、平成27年(2015年)度日比谷高校のボーダーライン記事へのアクセスが急激に伸びています。内申点が決まる期末試験もそろそろ終わり、志望校の合格点が気になる頃になってきたのでしょうか。

f:id:mommapapa:20170411214106p:plain日比谷高校の場合、上記の通りこの3年間は毎年ボーダーラインが上がっていたと考えられますが、平成30年度から自校作成問題に移行することで、合格ボーダーもこの2015年辺りに回帰するかもしれません。

そこで改めて、最新の情報も加味しつつ、2016年当時の状況をブラッシュアップしながら読み返してみましょう。
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 受験生が特に気になる情報の一つが、志望校の合格ボーダーラインではないでしょうか。今回は、日比谷高校の合格点について考えたいと思います
まずは、平成27年度入試の実績を見てみましょう。

 

平成27年度の日比谷高校入試実績情報

 日比谷高校が発表した入試情報は、以下の通りです。

<平成27年度 入学試験結果>

【平均点(男子)】 
  国語 63.2/数学 63.6/英語 55.7
  社会 77.4/理科 87.8

  5教科合計点 347.9点
注)各教科を足すと347.7点となり、合計点と合いませんが、大勢に影響がないので無視して進めます

【内申点平均(男子)】

   40.2点(素内申)

【実質倍率】(合格者/実受験者)

   H23  H24   H25  H26  H27   H28
男子 2.03  2.15  2.06  2.03  2.18  1.81
女子 1.64  1.78  1.75  1.47  1.79  1.83

以上が、学校が発表した実際の入試結果となります。
女子の内申点平均情報はありませんが、特徴としては、試験の点数は若干低く、内申点は高いという傾向になります。
その後、3教科についての平均点情報を得ていますので、参考値として掲載します。

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では次に、これらの数字を元に、実際の合格点を検証してみましょう。

ここからは、学校の発表した情報を基にした、日々父ブログ独自の考察になります。

これまでにも繰り返し述べたように、都立高校受験の場合は筆記試験と内申点の合計により合否が判定されますから、最終合格点の判断も単純ではありません

ここでは、

1)学力試験のボーダーを確認する

2)内申点のボーダーを確認する

3)2つを加えて最終的な合格ボーダーラインを得る

という方法で検証します。

 

学力試験のボーダーラインは何点か?

【男子】のボーダーライン

 男子の場合、実質倍率をみると、毎年概ね2倍+αとなります。
2倍というのは分かりやすく、半分合格、半分不合格ですから、上下変化はあるにせよ、毎年平均点の少し上が合格ボーダーラインと考えてよいということになります。

【女子】のボーダーライン

 女子の倍率は逆に常に2倍を下回る程度ですから、やはりボーダーラインは平均点を確保する程度と考えてよいかと思います。

実際に、学校側から直接聞いた情報では、平成27年度の学力試験のボーダーラインは、平均の少し上、350点前後との発表がありました。
満点は5教科500点ですから、ちょうど7割獲得がボーダーとなります。

 

ただしここで注意したいのは、前回お話ししたように、 

調査書300点と、学力検査700点の合計1,000点満点で合否が判定されます

内申点と合格点の探求 ~導入編 - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉


実際の合否判定の段階では、学力試験は700点に換算された数字を使います。
換算方法は単純に以下の通りです。 

学力検査点 = 学力試験得点 x 700/500

つまり、試験得点350点は700点換算すると、学力検査点490点となります。

 

内申点のボーダーラインは何点か?

 では、内申によるボーダー点は何点でしょうか?
注意すべきは、これも繰り返しになりますが、平成27年度入試は旧入試基準に該当するという事です。詳細の説明は省きますが、
旧基準での調査書点は、以下の現行基準の内、1)の4教科倍率を1.3倍にすればよいのです。 

調査書点の算出方法を記載します。簡単な算数です。

1)4教科の評定を2倍する  →1.3倍する
2)5教科と1)を合計して「換算内申点」を算出する
3)換算内申点を300点満点に換算する

内申点と合格点の探求 ~導入編 - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

 
結果を一覧にまとめると以下の通りです。

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階段状の破線が、素内申40点となるラインです。
主要5教科と実技4教科の内申点内訳により、調査書点は異なりますが、素内申40点の平均は265.66点となります。受験者の内申点平均(男子)が40.2でしたから、中間値のやや上、268点辺りがボーダーになると考えられます。

これを計算でみると、調査書点300点満点、素内申45点満点ですから、単純計算で素内申1点当たりの調査書点は、
 
300/45=6.66点となります。
素内申の平均は40.2点ですから、
 40.2x300/452=268。やはり268点となります。

日比谷高校の合格ボーダーライン

 従って、平成27年度日比谷高校の合格ボーダーは、考察値ですが、

 1)学力検査点= 490点(700点満点)

 2)調査書点 = 268点(300点満点)

ということになります。
女子は学力試験がやや低く、調査書点は高いという傾向ですから、男子と同程度と考えてよいでしょう。

これらの結果、最終的に、平成27年度日比谷高校の合格ボーダーラインは概ね以下の通りと考えられます。

平成27年度 日比谷高校合格ボーダー

 ≒  490 + 268 = 758点(1,000点満点)

 

さて、特定年度の参考入試情報ながら、ここまではっきりと合格ボーダーラインを明記した情報は見た事がありませんね。
合格点は学校側が公表していない以上、正しくは分かりませんし、もちろん毎年状況が変わりますから、上記が絶対値ではありません。ただし、何も分からない状況と比較すれば、十分な参考値であることには間違いないでしょう。

そしてこの合格ボーダーを、1)学力試験、2)内申点のどちらで何点稼いで達成するか、そこが日比谷高校や都立トップ校に限らず、都立入試のカギとなります


ただしここで最後の注意点があります。それは、

今まで見てきた入試情報は、旧入試基準での話であるということです。
先の実質倍率情報を見ても、新基準となった平成28年度入試では、倍率が過去5年間と比較して傾向が変わったようにも感じます。
また、特別選考枠の廃止も影響してくると思われますので、この点は一度検証しておきたい内容になります。

本当は、最新であり、新基準の初年度となった平成28年度の入試結果に基づいて検証すると更によいのですが、残念ながら情報が手元にありません

※2016年学校説明会に出席した保護者の方から平成28年情報を提供いただきました。平成29年入試向けの最新ボーダーラインは、下のリンクからご覧ください。

※2017年度入試および2018年度入試の傾向についても情報リンクを追加しました。

旧基準と新基準の入試に与える影響や、一般的には非公開の、今回記載したような入試情報の入手方法については、別途お話ししたいと思います。

最新の入試情報を入手し、君自身で合格ボーダーを検証してみてはいかがでしょうか。

ではまた次回。

2016年10月8日追記:
学校説明会情報提供の呼びかけに対し、説明会参加の保護者の方から平成28年入試情報を提供いただきました。本記事より新しい、直近平成28年度の合格ボーダーラインは、以下の記事から確認ください。 

 最新平成29年度入試結果

平成30年度に復活する自校作成問題の傾向 

 平成28年度 合格ボーダーライン情報

その先の合格点検証 内申点と試験得点の関係に迫る 

一般非公開の入試情報を得る方法