君の心に火をともす 星陵祭のすすめ2018

2018年9月7日更新:

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 日比谷高校の文化祭である星陵祭は、年々入場者が増加する傾向にあるようです。今年も多くの方が日比谷のキャンパスを訪れることを楽しみにしているはず。

平成30年度の星陵祭日程は以下の通りです。

 平成30年度 日比谷高校星陵祭
  2018年 9月22日(土)・23日(日)

同校を見守る保護者の一人として冷静に感じるのは、今年の星陵祭も入場者が増えそうだという感覚です。80歳を超える実家の祖父母も、昨年は田舎からわざわざ上京して孫やその他の生徒の活躍に目を細めていました。

8つの教えに触れる二日間

 日比谷高校は明治時代から日本を代表する高校の一つには違いありませんが、昨今の進学実績の復調を題材とするマスコミでの露出や、武内校長の著書『学ぶ心に火をともす8つの教え』がアマゾン教育関連図書のベストセラー1位を獲得するなど、受験生とその家族や関係者ばかりではなく、教育に関心を寄せる多くの方からの興味がここにきて格段に高まっているように思います。

それは、あまりにも「先行逃げ切り」や「塾歴」に偏重しすぎた教育現場が生み出した、昨今の負の結果に対するアンチテーゼへの関心であるかもしれません。

あるいは、これまで「周回遅れ」だと見なされた高校受験という険いはずの道を進む子供たちが、なぜか活き活きと躍動する姿が、膠着した教育現場におけるオーパーツのように、不思議な魅力と輝きを放った結果であるかもしれません。

この日比谷高校の星陵祭では、マスコミや書籍が取り上げる、そして世の保護者の方が知りたいと思っている、自発的な子供のやる気や集中力を高めて結果を残す、ラジオや書籍では『日比谷メソッド』と紹介された日比谷高校躍動の秘密が、演劇という表現により、目の前1mの距離に実際に見える形で繰り広げられます。

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 日比谷の星陵祭は、焼きそばの屋台もゲーム的なお楽しみのアトラクションも野外舞台でのパフォーマンスもない、3学年24クラス全員が教室という小劇場で繰り広げる演劇公演を中心に、文化部の日頃の成果の発表が行われる硬派な文化祭です。

ところが、これが実際面白い。

面白いではなく興味深いと書くべきかもしれませんが、まだ駅前市場の混沌が活況だった30年程も前に、下北沢駅前のおんぼろアパートに下宿していたにもかかわらず、一度も小劇場を訪れたことがないこの私でさえ、今年の学生芝居はどんなレベルだろうかと足を運ばせる気持ちにさせるコンテンツです。

何となく興味はあるけれど、わざわざ訪れることが億劫に感じる方も、この機会に是非星陵の丘の高台にある舞台を訪れ、怒涛のように打ち寄せては過ぎる日比谷高校の青春像を自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

 

先輩の覚悟と受験モチベーション

 もしかすると、来春の日比谷受験を前に、今年は星陵祭に出かけるのは控えて勉強しようと考えている受験生がいるかもしれません。

でもちょっと待って。
そんな君は、日比谷の先輩達が大事にしている何かを忘れているかもしれません。

個人的には、来春の日比谷合格を目指して日々受験勉強に励む中学3年生の君にこそ、星陵祭を訪れる意味があるのではないかと思うのです。

なぜなら、東大をはじめとする難関大学に現役で合格しようと真剣に考えている先輩達が、センター試験本番の3か月程前に、何に熱中しているか、どのような集中力を発揮しているかを自分自身の目で確かめることが、君の心に静かに眠る合格への決意を熱く呼び起こす機会につながると思うからです。 

1年生と比べると、大道具や衣装をはじめ完成度は歴然の差、しかも主人公を中心に、かなりの歌の練習が必要になります。この人たち受験勉強ちゃんとやっているのかな?と心配になるほどです。

2016年 日比谷高校星陵祭レビュー - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉


センター試験直前の日比谷の3年生が目指しているのは、高校生活最後の星陵祭を全身全霊でやりきること。そして最優秀賞である星陵大賞を獲得すること。

昨年、初めてこの目で3年生のその姿を目の当たりにした際に覚えた感動と、その後に沸き上がった受験勉強への心配をよそに、振り返れば杞憂という言葉の意味を確かめるような合格実績となったのです。

この受験を間近に控えた9月の終わりに、日比谷の先輩が体現する学生生活への執念を目の当たりにすることで、君のこれからの受験勉強へのモチベーションを鼓舞すると共に、受験追い込み期に必要となる集中力が高まるのではないかと思うのです。
まだまだ守りに入るには早すぎる。
そして諦めるにも早すぎる。

先輩たちの熱い想いが、目の前で繰り広げられる公演を通じて、君の心に火をともす。
それはきっと、都立入試本番までの残りの5か月を、集中して乗り越えるための原動力になるのではないでしょうか。

ですから長い受験勉強の1日を、日比谷の先輩の姿に触れると共に、来春の日比谷生であるべき君自身の姿をイメージするために、実際に星陵の丘を訪れるのも悪くはない受験期の選択の一つではないかと思います。

 

星陵祭観劇の基本ルールを知る

 星陵祭は大きく分けて、二つのコンテンツから成り立ちます。

一つは先に紹介したクラス対応の演劇公演であり、もう一つは文化部やOB会等が企画する自由見学の展示です。

この中でも演劇の公演を見るためには、訪問当日に入場整理券を得ることが必要です。
特に3年生の公演は人気が高いため、並ぶ覚悟が必要です。

せっかく楽しみにしていた公演が見られないのは少し残念ですので、ここでは整理券を入手するための基本ルールについて予め紹介したいと思います。

整理券制度について

観劇の際には整理券が必要となりますのでご注意ください。

整理券の配布時間は公演毎に異なります。


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整理券配布場所は、入場門正面のアーケードを抜けた突き当りにある、星陵像を右に折れた校舎の中にあります。自然と誘導されるので迷うことはないと思います。

整理券配布時間(2018年情報)

第1公演 08:30~09:10(注1)
第2公演 08:30~10:20
第3公演 08:30~11:30
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4公演 10:00~12:50
第5公演 11:10~14:00
第6公演 12:20~15:10 (注2)

注1:第1公演は初日は3年生のみ
注2:最終日は第5公演が千秋楽

配布終了時間が各公演の開始時間となります。
24クラス同じタイムテーブルの同時公演です。
3年生の午前中の公演を見る場合には、8時の開門に合わせて来場する覚悟が必要になります。

注意点 

一度に並んで手に入れることのできる整理券はお一人様1枚までです。
2枚以上の整理券をお求めの方は、もう一度列にお並びください。


基本ルールで大切なことは、以下の2点ではないかと思います。

  • 3年生の公演を見る場合は、午前中早めに出かける
  • 複数で観劇する場合は、全員が一緒に並ぶ


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写真は2016年星陵祭1日目13:00時点でのチケット配布状況ですが、3年生の公演を見るためには12時過ぎに学校に到着したのではちょっと厳しそう。

昨年の第6公演の整理券配布は12:20からですが、その前から配布を待つための列ができますので、余裕をもって到着したいものです。

2日目は第5公演までですから、特に時間には注意が必要です。

また、家族や友人と一緒に観劇する場合、代表者が同行者のチケットを代理で入手することはできませんので、仲間全員が一緒に並んで同じ講演のチケットを入手することが必要です。

先ずはお目当ての整理券を先に入手した後に、ゆっくり他の展示を見学するのがよいのではないかと思います。

逆に3年生の公演を見るつもりがない場合は、慌てて並ぶ必要もありませんから、都合のよい時間に訪問すればよいと思います。

 

事前情報を確認しよう 

 やや認知が低いように思いますが、日比谷高校星陵祭には公式HPが存在します。

2018年度は以下の通りとなります。

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2018日比谷星陵祭HP

また、ホームページよりも小回りの利くリアルタイムの情報源として、例年運営チーフ会が開設する星陵祭のツイッターアカウントがあります。

ツイッターは自分のアカウントを持っていなくても、一般のホームページのように携帯やパソコンから閲覧ができますので、気になる方は訪問前にURLやアカウントを登録するのがよいかもしれません。

まずは開門時間や整理券配布に関する基本ルールについて、上記サイトから情報を入手して当日の行動予定を立ててみてはいかがでしょうか。

星陵祭も東京ディズニーリゾートと同様、2日間大変な混雑が予想されますから、訪問前の行動計画が重要になります。観劇を楽しみにしている方は、希望のチケットが取れない場合に備え、第2、第3希望について予め決めておくのがよいと思います。

尚、3年生の保護者となって初めて理解出来たことですが、毎年前評判の高い3年生の演劇にも、その完成度は様々ありそうです。せっかく並んで手に入れるチケットですから、空振りしないよう、前評判情報なども合わせて気にしてみてはいかがでしょうか。

 

車椅子の方は永田町駅からの来校を

 保護者からの注意点として、星陵祭に訪問される方で、車いすの方や足腰の弱い方、小さなお子様連れの方がいらっしゃいましたら、永田町の駅から訪問することを強くお勧めします

星陵祭の名前の由来通り、日比谷高校は赤坂から永田町にかけての星が丘と呼ばれる丘の上にある学校です。この高台はお隣の日枝神社と並んで旧江戸城の外郭線に位置しており、守りの要所として高台に位置しているのです。

永田町、赤坂見附、国会議事堂前、溜池山王の4駅6路線が最寄り駅となる交通至便の学校ですが、永田町以外の駅からは、かなりの高低差を上る必要があります。

永田町であれば、地上までのエレベーターが設置されていると同時に、星陵祭の入場門となる通用門までは概ね平らな道が続きます。星陵祭当日、日枝神社側に位置する高校正門は閉鎖されますから、永田町以外のアプローチでは、心臓破りの遅刻坂を経由することになり、電動車椅子でも上るのは厳しいような急勾配がありますので、同伴の方やご家族と、予め訪問経路について確認することをお勧めします。

 

 彼はこのとき3年生。
大学受験を4時か月後に控えていました。日本の多くの高校生がラストスパートで猛勉強をしているときに、文化祭の準備に熱中している。
しかも彼の第一志望は東京大学。
何も彼は、余裕があったからそうしていたわけではありません。
これが「日比谷流」なのです。

出典:学ぶ心に火をともす8つの教え/武内 彰 


9月末の2日間、日比谷の先輩たちが大切にしている熱い想いを、君自身の心で確かめてみてはいかがでしょうか。
来年の星陵の舞台に立つことを願って。

ではまた次回。


TOKYOFM「未来授業」出演:武内彰

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