生徒会長で部長でゲーマーな次男

ゲーマーな次男
生徒会長な次男
部活部長な次男
生徒会長で部長でゲーマー

 次男の公立中学校生活も折り返しを過ぎました。

中学2年の秋の変化と言えば、相変わらずコロナによる一定の制限が続く中、部活の部長に選ばれたことに続き、生徒会長に当選したことです。

地元の公立中学校では数えるほどの選択肢しかない部活の中で、特別好きとは言えない運動部に所属し、知的な刺激を受ける学習環境も十分とは言えない中で、1年生の担任からの勧めで生徒会に立候補したことが、限られた生徒しか経験することのできないリーダーとして中学校生活を送る機会になったようです。

さえない部活への前向きな姿勢

 授業と並んで学校生活の中心に位置づけられる部活動ですが、残念ながら次男は本当に入りたいと思う競技や部活には恵まれなかったようです。

そのような状況は、小中規模の公立中学校であれば仕方のない状況だと思いますが、同じように思う生徒が一定数いる中で、活動する以上は前向きに取り組みたいと考える生徒と、反対に腰掛程度の緩い気持ちで所属する生徒に分かれることになります。

次男は前者として部活に臨んでいることが、家庭での会話の中から伺い知れます。

その結果、部活への出席にしても準備や後片付けに対しても、気分次第でやったりやらなかったりする先輩や同級生がいる中に身を置くことに対し、本人は日々大いなるストレスを感じていたようです。

真面目に取組まない先輩がいるのも嫌、不真面目な同級生がいるのも腹が立つという中で、それでも腐らずにコツコツと真面目に続けた部活の中で、3年生の代替わりとなる夏の終わりに、周りからの推薦を受け部長に抜擢されたのでした。

本人が部長を引受けた理由としては、様々な生徒がいる中で、今までのだらだらした部活の環境を見直して、誰もが集中して取り組めるように、必要最小限の時間の中でやるべきことをやってさっと終わるという、これまで自分の力では実現し得なかった部活環境の変化を実現するためという考えからのようです。

保護者としては、学校生活も部活動もまだまだ自由にはいかない状況の中で、少しでも前向きな社会経験を積むことができるよう、将来の自己実現の予行演集として、様々な試行錯誤を大いに行えばよいと思います。

生徒会長として

 そして中学1年時に生徒会を経験した次のステップとして、2年生でも引き続き生徒会執行部として関わる意思があるのかないのか、親としては関心がありました。

本人としては、自ら進んで立候補する程生徒会が好きなわけではないようです。その理由としては、やはりここでも活動の中に無駄な時間が多いという点だったようです。

週に一度の集まりの際に、何を話すでもなくだらだらおしゃべりしながら時間を過ごすその状況に対し、我慢ならない苛立ちを感じていたようです。

生徒会にしても、学校環境の向上に資する活動そのものに参加するためというよりは、やはり部活動と同様に仲間との交流を求めて集まる生徒が少なからずいるのは自然なことだと思います。

そのような中で、次男の場合は必要なこととそれ以外の時間はきっちり分けて、会合自体は必要最低限の時間で完了するということを実現したいと強く感じていたようです。

そして最終的には自らの判断で生徒会長に立候補し、男女複数の候補者がいる中で当選するという結果を勝ち取ったのでした。

結果はどうであれ、大いに称賛すべき行動です。

学習や学歴面では兄が、社会性や対人面では弟が、それぞれ親を超えて成長していくことに対し、父親としては頼もしく、またうれしく思います。

おそらく長男はビジネスや政治的な活動世界よりも、学問の道を静かに歩むように感じていますが、次男が今後どのような進路を選択し、どのような大人になっていくのか、親としては新たなステージが始まろうとしています。

ゲーマーの次男

 そして次男にはもう一つ、ゲーマーとしての顔があります。

小学校5年生頃まではとにかく外で遊びたがる運動好きの子だったのですが、高学年になるにつれ、急速にインドア派に変わるということが起きました。

外に出るよりも家でゆっくり過ごすということを好むようになり、タブレットを触ったりゲームをする時間が増えるようになりました。

今思うと、ちょうど新型コロナによる自由な外出がままならない時期を前に生じた変化であったため、結果的には時代に合った過ごし方という状況ですが、それでも放っておけば一日中部屋からも出ず、電脳世界の中で過ごす時間が圧倒的に多い生活です。

次男の世代になると、実際にリアルで会って直接話をするのも、スマホやディスコードを通じてパケットの断片として交わすコミュニケーションも、どちらも仲間との交流ということに変わりがないという感覚であるのだと思います。

我々大人の世界でも、オンラインコミュニケーションが当たり前で違和感のない働き方となった今、コロナを通じて着実に内閣府が唱えるムーンショットの世界に近づいていることを実感します。

次男はバーチャル世界の中で、お気に入りのアバターを通じて未知なる冒険の旅に出かけることがもう一つの日常です。いつもはプライベートな時間にゆっくり独りで、時には仲間と共に、誰かによってデザインされた予定調和を打破するために、今日も武器を手に、新しい物語に向かって歩みを進めます。

親としては、誰かの手の中で遊ぶ経験を通じ、やがて自らが世界をデザインし、世の中の人々に新しい価値観を提供するような立場になってほしいと思います。

日々の学習と高校受験

 そして高校進学を控えた中学生として、来年はいよいよ受験生となります。

長男の歩んだ道は特別なこととして、次男は都立進学指導重点校をうかがう位置にはいるような状況です。

生徒会長で部長という立場を考えると、推薦入試向きではないかという考えが頭をよぎるのは確かですが、内申点が追い付かず、なかなか厳しい状況です。

親から見る次男の学力は、英語は相当高く数学は不得意、国語は問題次第という状況で、理科社会は未知の領域といったところです。

学習面では、中2になってからは自ら机に向かって勉強するという機会が増えました。

特に英語は、放っておいても熱心に学ぶという感じで、英和辞典を片手に用例を読みこんだり発音記号にこだわったり、私自身が中学生の頃と比較すると、かなり力強く学習しているように感じます。

いよいよ1年後には、志望校の確定に悩む時期となりますが、どのような学校に通いたいのか、早い時期に情報収集を行い第一志望をしっかりと定めてほしいと思います。

都内高校受験の頂点を経験することとなった長男に続き、次男の際にはどのような状況が待っているのか、間もなく受験シーズンを迎えることになります。

生徒会長の親という立場

 都内には、公立中学が600校程あります。

その中で、生徒会長で部活の部長という立場の中学生は500人ほどいるのではないかと推察します。

都内公立中に通う全ての生徒の中から、一学年限られた500人だけが経験することができる新しい世界を、次男は見せてくれました。

そして、この先高校受験から大学受験へと進む過程の中で、彼がどのような成長を見せてくれるのか、引き続き静かに見守っていきたいと思います。

生徒会長の親という意識は、東大生の親に対する周囲の反応と比較すると、特別な何かがあるというわけではありません。ただそれでも次男を知る立場から見ると、自ら積極的に人前に立って意見を述べようとすることそれ自体が、驚くべき成長の証なのです。

身体的にも日々大きくなる変化に、そして兄とは異なる世界を通じての子の成長に、親としてはこれからも目が離せません。

ではまた次回。