2022年日比谷高校男女合格数レビュー

令和4年都立高校合格発表サイト

 2022年度都立入試合格発表が行われました。

今年日比谷高校が受験情報をホームページで公開しない一方、東京都教育委員会では各校の入試情報を公開するというねじれ現象が起きています。その様な中でも入試は着々と進み、男女合同定員枠初年度となる男女合格者も確定しました。

今回は、合格発表前に予測した男女合格者の推移が実際にはどのようになったのか確認します。

日比谷【男子】合格確定数

 今年の日比谷男子の合格数は149人となり、自校作成問題移行後では最多合格者となりました。応募人員132人よりも17人多い状況です。

2022年度日比谷男子合格各定数

男女合同定員枠の影響と考えられますが、当初想定したよりは増え方は緩やかな結果となりました。

この辺りの原因などは、実際の入試平均点が公開された以降の検証事項となります。

2022年日比谷高校【男子】合格確定倍率

今年は応募者が増えたことに加え、受験辞退率も減少したため、合格者が増えたにも関わらず、直近2年と比較して不合格者数と合格倍率は上昇しました。今年は悠仁親王の高校受験という特殊要因もありましたが、合格数に関しては、来年度も概ね同様の入試状況になるのではないでしょうか。

日比谷【女子】合格確定数

 日比谷女子の合格者は122人、昨年よりは8人減少しましたが、本来の女子応募人員122人と同じ数となり、当初心配された120人を割り込むような大幅な合格者の減少は見られませんでした。

2022年日比谷女子合格確定数

ただ、過去10年の合格数の中で明らかに少ない合格者となったことから、やはり男女合同定員枠は日比谷の場合は女子に不利に働いたと言えるでしょう。

2022日比谷女子確定合格倍率

ただし、合格発表前の記事に記載した通り、本年度はこの状況を見越してか、日比谷女子の応募人員と受験人員もそれなりに減っていることから、不合格者の数も実際の合格倍率も例年よりも低い状況となりました。

この点は本当にほっとしています。

そして応募人員数と合格者数がイコールとなったことから、珍しく受験倍率と合格倍率が同じになるという現象が発生しました。

それでも辞退者は数名は出ると思われますので、女子は当初の募集定員を下回る入学数となる可能性が高いです。ただし男女合同枠の制度下ではこの状況は欠員とみなさず、二次募集の対象とはならないものと思います。

男女合同定員枠の影響

 さて、男女合同定員枠の1割運用が開始された今年の日比谷高校入試について、合格者数をまとめると以下の通りとなります。

2022日比谷高校想定/確定合格者数

応募人員数は昨年度も254人と同数で、合格者は242人でしたから、今年はむしろ男女合計で1名合格者を減らしてきました。

入試制度が変更となる初年度ですので、予期しない事態により二次募集が発生しないよう、安全を見て合格者を増やしてくるのかと考えていましたが、むしろ逆でした。

その辺りは個人的に、入試が落ち着くまでは少し心配です。

いずれにしてもその点を考慮すると、実際の男女入試合格者数の割合は当初想定に近い結果となったと言えるように思います。日比谷の場合は男女合同枠が男子に有利に働いたということになりますが、想定していたよりは差が開いていないため、本年度女子受験生が健闘したと言えるように思います。

日比谷高校男女合同定員枠合格イメージ

今年の結果から、グラフに示した合同枠の合格者イメージが概ね正しく状況を示していると言えるのかもしれません。男女正規分布の形状や、合格点の離れ具合が毎年様々異なることはあっても、概ねこのような状況が発生していると考えてよさそうです。

そして、実際の男女受験者平均点がどのような状況であったかについては、桜が咲く頃に提示されるはずの入試情報の開示を待つことになります。

日比谷のディスクロジャー

 初年度となる男女合同枠の入試結果は、概ね想定内で終了したと感じています。

一方で、気になるのは日比谷高校の入試情報の非開示対応です。

今回記事にしている通り、”入学手続き数”および”入学辞退数”以外は、既に教育委員会が公表していますので伏せる意味がないように思います。

そして日比谷の場合は3月の学校説明会で早々に入試結果のレビューを行いますから、この点から見ても、5月まで情報を非開示にする意味もあまりないように思います。

理由ははっきり分かりませんが、この点が新しい校長の方針であるならば、情報はもっとオープンに出した方がよいと伝えたい。

コロナ前、武内前校長の在任中は、合格発表当日は校長が自ら先頭に立って合格者掲示板を掲げ、発表会場の脇に佇んで受験生と保護者の喜びや涙の人間模様を静かに見守っていたものです。

今となってはその当時の状況が、平和な時代の光景としてしみじみ思い出されます。引き続き日比谷高校には、都立高校の雄として、何事にも先頭に立ってよりよい学校環境の実現に取り組んでいってほしいと思います。

都立の合格発表と共に、来年度の入試に向けた準備が始まります。

引続き都立高校を中心に、都内高校受験情報についてお届けしたいと思います。

ではまた次回。