答辞

 それは、突如目の前に現れ、日常を変えていきました。

2020年1月、中学入学直前に、新型コロナウイルスの感染が初めて確認されたのです。

 2020年は、東京オリンピックの年でもあり、新しい中学校生活が始まるワクワクする気持ちに包まれるはずでしたが、実際にはその期待とは裏腹に、大変な学校生活が待っていました。

分散登校、なかなかできない新しい仲間。例年であれば行うことができていた行事も、ほとんどできずに過ごしました。

 しかし、学年が進むにつれて、コロナによる制限は次第に少なくなり、一年生では行うことができなかった活動も、二年生になって少しずつできるようになっていきました。暗かった目の前に、一筋の光が差し込んだかのようでした。

 そしてついに三年生になり、どの行事も行うことができるようになりました。合唱コンクールでは、優勝のためにどのクラスも一生懸命練習しました。本番では、いつも私達を支えてくれる家族や先生方への感謝の気持ちを、二つの曲に込めて歌いました。また、弁論大会、英語のスピーチ、各部活動の素晴らしい演技や演奏などで会場はとても盛り上がり、とても楽しいひとときを過ごしました。

 冬休みが明けると、それぞれの進路が刻一刻と決まっていく中、教室の空気は張り詰めていました。緊張感を感じながら、仲間で支え合い、協力して過ごすことができました。

 コロナと共に過ごした日々。そして今日。

中学校生活を振り返ってみると、あっという間の三年間でした。

異例の中学校生活ではありましたが、例年では体感できない楽しさもありました。

この難しい時期を、この中学校で過ごすことができてよかったと、心から思っています。

 今日、全員が義務教育を終え、それぞれが自分の進路に進みます。

新しい生活に期待する一方で、先の見えない未来に不安もありますが、先生方がこれまで教えてくださったことを活かして、社会に貢献できる人物に近づけるよう全力を尽くしたいと思います。

 最後に、私達が安全に学校生活を送れるように支えてくださった学校関係者の方々、毎日栄養満点のおいしい給食を作ってくださった栄養士の方や調理師の皆様、いつもそばで支えてくれた家族、時にはけんかし、時には笑い合いながら、ともに過ごした友人。

 何より私達を大きく成長させてくださった学校と先生方に感謝を表し、卒業生代表の言葉といたします。

本当にありがとうございました。

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卒業おめでとうございます。

ではまた次回。