日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

日比谷高校の情熱と日常と理念を知る秋の4日間 ~星陵祭、授業公開そして学校説明会

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昭和35年頃の数学授業/出典:日比谷高校百年史


 秋は志望校を知る機会が訪れる季節。

受験生の君は模試の結果や内申点が特に気になる時期だと思いますが、思春期という大切な時間を過ごす学び舎を、実際に自分の目で確かめることは何より大切です。

偏差値や世間の評価、雑誌やネット上の掲示板、学校や塾の先生、そして両親の意見でさえ、君にとって最善の選択をもたらしてくれるとは限りません。

学校の世間評価は数年単位で大きく変わることがありますし、ネットや出版物は特定の利益を助長するためのバイアスがかかった意見も多い。
学校の先生は合格安全面を主眼とした保守的な指導になりがちですし、塾は合格実績や特別講座を意識した積極的な指導に振れやすい。
親の場合は、自らの志向や世間体を抑えきれない発言で子供を惑わせることがある。

ですから、君自身が直接肌で感じる情報に勝る学校評価はないはずです。

昨今では、自分で確かめ感じた情報よりも、ネットの上位に掲示された意見を尊重するような風潮があるように、志望校の選定についても誰かの意見に頼りすぎることがないよう、五感を通じて心に響く情報をこの時期にしっかり蓄積することが大切ではないかと思います。


そしてそんな秋の始まりに、いよいよ今週末に迫った星陵祭を皮切りに、日比谷高校でも学生生活の魅力をその目で確かめる行事が連続して訪れます。
滅多に訪れる機会のない志望校に何度も訪問機会が訪れるこの時期に、君の求めた憧れが、幻想やただの思い違いではなかったのかどうか、その目でしっかり確かめてみてはいかがでしょうか。

 

日比谷の情熱 pathosを知る 〜星陵祭

 大学受験を控えた3年生が文化祭への参加御免の学校も多くある中で、日比谷高校の場合は3年生が一番真剣にクラス演劇に熱中する学年。
彼らにとって星陵祭の2日間は、高校での最後の学校生活を悔いなく終わらせるために集中力が最大限高まる一瞬間。

保護者の目から見ればその小さな舞台は、漆黒の中で蛍が描く美しくも儚い軌跡のように、人生で二度とは訪れない思春期の生命の煌めきをこの目で確かめる瞬間。
受験直前期という現実への心配とは裏腹に、躍動する若い肉体にかつて経験した青春の喜びを重ね合わせ、胸に熱いものがこみ上げる、プロの公演では得難い種類の感情を呼び起こす魔法のひと時。

受験生の君にとってその公演は、高校生活という青春の喜びを確かめる舞台。
目の前で繰り広げられる先輩たちのその熱意や情熱に、君の心が共鳴して奮い立つ感動を覚えるのなら、これまで情報として受取り感じてきた漠然とした志望校への憧れが、真に心の声が求めた答えであると理解することでしょう。

逆に舞台を見つめる心の中に、共感できずに戸惑う覚めた自分を見つけた場合は、心の声が君にとって目指すべき学校は他にあることを教えてくれているのかもしれません。

そして彼ら3年生が現役合格を目指す大学受験生であると知る者にとっては、世の中に蔓延する偏差値主義的な価値観とは明らかに矛盾した、学歴社会の既成概念を打ち破ろうとする、反骨的で痛快なパフォーマンス。
高校3年生の9月の文化祭に夢中になって取り組む姿そのものが、進学実績を至上とする価値観の中ではお目にかかることのない大切な光景です。

その他の学年や部活動の発表も、それぞれの15の夜や17歳の地図を、舞台やキャンパスや五線譜に思い思いの表現で描いて見せる、稚拙さと情熱が織り交ざった等身大の高校生男女の青春像がぎっしり詰まった二日間です。

いずれにしても、日ごろ偏差値や大学進学実績で語られることの多い進学校の生徒達が見せるもう一つの素顔を、星陵の丘の舞台で確かめてみてはいかがでしょうか。


日比谷高校星陵祭 2017

 9月23日(土)、24日(日)
 朝8:00開門

2017年 星陵祭ホームページ >>

例年開門と同時に、3年生の午前中の公演チケットを求める何百人もの長蛇の列ができますので、どの公演を目指すのか、ディズニーリゾート巡りと同様に、早起きと事前の確認が必要となります。

そして星陵祭の期間中は、両日共に学校主催の入試相談会が開かれますから、受験に関しての悩みや疑問を胸に日々悶々としている受験生や保護者の方は、この機会にその思いを直接学校側にぶつけてみてはいかがでしょうか。
日比谷高校の教員が、真摯に相談に乗ってくれることでしょう。


星陵祭の効果か、これまで家では携帯ゲームに時間を吸収されることが多かったわが子も、夏休み明けの定期試験が終了した日からは、深夜までクラス公演に向けた役割に集中することで、学業とは異なる芸術面での能力を最大限発揮している様子。

将来そうした道に進んでもよいのではないかと親も認める学業外の能力に、妥協や時間を忘れて集中する姿は、親として見ていてうれしいひと時です。
相変わらず塾にも行かず勉強もおざなりのようではあるものの、最近は少し受験にも関心を持ち始めた様子で、なぜだかそれほど悪くはない成績を、受験期に入ってどれほど伸ばしてくるのか、高校生活後半の楽しみの一つです。

 

日比谷の日常 ethosを知る ~公開授業 

 高校3年間での大学進学実績の向上を目的として、進学選抜クラスを設置し、徹底的に受験特化型の授業や学校生活を追及するという手段を採用する高校があります。

日比谷高校の3年間は、こうした一見無駄を排除した合格一直線の道のりとは対極をなすシラバスが組まれています。
とにかく、受験に関係ない教科も全部必須授業となっているからです。

文系志望であっても、物理、化学、生物、地学は必須ですし、理系でも、日本史、世界史、地理、政治経済、倫理まで全て履修しないと卒業できません。

それを無駄と考える方もいるでしょう。
私自身は、そうした日常に身を置くわが子を羨ましいと感じます。
なぜならば、そのようなカリキュラムの実現は、それを享受し消化する能力のある生徒と、リベラルアーツと呼ぶべき学習環境を標榜する学校との相互理解に基づいて初めて実現可能な体系だといえるからです。

日比谷高校では文系理系に分かれるのは高校3年生から。
1、2学年は進路に関わらず全員が共通科目を履修するのです。高校2年生から文理選択クラスに分かれることが多い状況とは大きく異なります。

理社必須9教科の内、1、2年生では8教科を履修し、3年生では理系文系に関わらず、政治経済が必修課目となります。
これはおそらく、1、2年生で学んだ自然科学と人文学の教養の基に、将来社会を担うリーダーとして、実社会の中で如何に考え行動するのか考えるべしという、学校からの骨太のメッセージではないかと思います。

これに対して2年生からの進路別クラスを採用する学校側の理由としては、学習内容を絞ることで進学実績の向上を図ることを期待してのことでしょう。
あるいは受験科目に関係しない教科を履修させることに対する、保護者側の強固な反対の結果であるのかもしれません。

理社9教科を必修とし、3年生の秋まで文化祭にのめり込む。
大学受験にとっては一見明らかに無駄が多く遠回りと見えるこの道程を、進学実績に関わらず日比谷高校が堅持するその姿勢を、保護者としては評価したいと思います。

決して長くはない時間の中で、近道より王道を、先回りより遠回りを自ら選んで進むことで得られる圧倒的な底力が、日本や世界の未来の希望を支えるために発揮されることを期待したいと思います。

ですから高校時代の3年間を、大学進学までの途中経路と捉え、塾の宿題を中心に最低限の履修科目と大学受験に負荷の少ない学生生活で過ごそうと考える生徒にとっては、中学時代の成績や学力に関わらず、日比谷高校は積極的に避けるべき高校であるといえるでしょう。もっと平坦でもっと負荷の少ない道は多くあるはずですから。


行事の詰まった動の前期が終わり、勉学に打ち込むべき静の後期に切替わった10月の初めに、日比谷高校では学生の本分であり理性の源泉となる日々の授業を見学する機会が訪れます。
星陵祭の躍動感とは対照的な日常の学校風景を、中学生である君は是非その目で確かめてみてはいかがでしょうか。

日比谷高校授業公開 2017

 10月9日(月・祝)

 郵便はがきで事前申込み必須
 9月22日学校必着

授業公開申込案内ページ >>


1時限45分という、他校と比較して短く設定された授業時間の中に、どのような魔法の仕掛けが隠されているのかいないのか、高い進学実績を支える日常の秘密を探してみるのも面白いかもしれません。

 

日比谷の理念 logosを知る ~学校説明会

 これまで紹介した、主に在校生が見せる動静二つの素顔から伝わるメッセージとは対照的に、学校自らが語る日比谷高校の在り方や入試における最新情報を確かめる機会は学校説明会。

受験生や社会に対する学校からの公のメッセージを確認することで、星陵祭と公開授業において五感で受け取った心の声を、改めて体系的に整理し理性をもって冷静に見つめることができる機会となりそうです。

特に今年気になるのは、来年度入試から始まる自校作成問題の内容や難易度について。
わざわざ足を運んでくれた中学生の君のために、勉強のヒントになる情報を教えてくれると考えるのが自然な気がします。

秋の学校説明会は10月と11月の2日間計4回。
それぞれ400人の定員ですから、1,600人の来場を想定していることになります。

ただし、本日9月20日の時点では、既に10月の第1回目の説明会は満席となっていますから、早い時期での情報収集を希望する場合は、直ちに応募する必要がありそうです。


日比谷高校学校説明会 2017

 10月7日(土)9:30/11:00
 11月11日(土)9:30/11:00

事前のWEB申し込みが必要

学校説明会申込み案内ページ >>


学校説明会の後には希望者参加の学校見学会が行われます。
先の一連の行事でもう既に校内を十分見学した場合であっても、時間が許すのであれば参加することをお勧めします。

なぜならば見学会では、何人かに一人ずつ、世話役の在校生がついて一緒に校内を回ってくれるからです。校内見学会はリアルな日比谷在校生と直接会話をする機会。
担当するのは、学校の印象を良くするために選りすぐられた生徒ではなく、おそらくは当日部活動で登校する機会のある生徒たち。
意外なタイプの生徒と巡り合えるかもしれません。

そんな等身大の日比谷生に、日頃の興味や疑問を投げかけてみてはいかがでしょうか。
答えるのは学生本人の自主的な判断。塾やネットではなかなか確かめることのできない本音やマイナスの情報についても、真摯に答えてくれるかもしれません。

自分の娘や息子もこんな具合に育ってほしいと憧れる生徒に出会うのか、日比谷にもこんな生徒がいるんだなと驚きを感じるのか、それは参加してのお楽しみなのです。

 

日比谷高校を知る秋の4日間

 最後にもう一度情報の整理をしてみましょう。

2017年度秋の日比谷高校訪問機会

 9月23日(土) 星陵祭

 9月24日(日) 星陵祭

 10月7日(土)学校説明会(1回目)

 10月9日(月・祝)授業公開

 11月11日(土)学校説明会(2回目)

この内、星陵祭以外は対象者による事前の申込みが必要となります。


受験生の親であった頃、妻と初めて日比谷高校を訪れた説明会の後、目の前に颯爽と現れた日比谷生はスタイルがよく、髪の長い、明らかに聡明な女子生徒でした。
そんなマンガに出てきそうな生徒に出会えたことに、妻と二人で感動したものです。

日比谷高校が君にとって最良の選択であるかどうかは君自身が決めること。
世間の評価や思い込みだけに捕らわれず、実際に足を運び、自分の五感で日比谷高校の持つ固有の空気を感じ、情熱に触れ、日常生活や理性の源泉を確かめることで、もっと確かでもっと冷静な学校選びの評価軸を形作るのが良いのではないでしょうか。

芸術の秋に食欲の秋。
君自身の心と体を満たすような、誰かにとってのナンバーワンではなく君自身にとってのオンリーワンの学校に、この秋巡り合えることを願っています。

ではまた次回。


日比谷高校の情熱を知る2日間

日比谷高校の日常を知る1日

日比谷高校の理念を知る1日