2024年の大学合格実績速報で、好成績を収めた印象のある日比谷高校。実際の結果がどうであったのか確認してみます。
東大+国公立医学部【現役】合格数
ではまず、難関中の難関となる東大と国公立医学部の合格実績を確認します。
東大現役合格50人越えで近年の過去最高値か?と感じた合格実績ですが、実際には2022年度の方がインパクトのある実績で、今年は2021年度の実績に近い数字となっています。
昨年2023年実績が落ち込んだため、今年が非常に伸びた印象になったものと思います。
グラフを見ると明らかなように、東大+国公立医の合計合格数が50人を目指す2019年までのトレンドと、50人をブレークスルーして次の100人を目指す2020年を境とするトレンドに二分していることが伺えます。
2023年は一時的に2019年までのトレンドに戻ったものの、2024年はすぐさま戻してきており、来年以降の伸びが期待される状況です。
東京一工+国公立医【現役】合格数
では次に、最難関となる東大、京大、一橋大、東工大と国公立医学部の現役合格実績を確認します。
最難関大となる東京一工+国公立医学部合格実績に関しても、2020を契機に2019年までと2021年以降のトレンドに分割されます。
現在の指標としては、難関大合格が、概ね学年の1/3となる現役合格100人を越えるかどうかが一つの目安になります。
こちらも今年だいぶ伸びた印象がありましたが、速報値ながら合計数が100人を下回っていることから、昨年よりは大躍進ですが、2021、22年と比較すると平均的な結果となりました。
尚、今後大学二次試験の結果が発表されると、一橋大中心に実績が増加する可能性が高いため、最終的な合格数字はもう少し上積みされるものと思います。
グラフから明らかなように、現在の日比谷高生は、難関大となる東京一工および国公立医学部に、学年の1/3が現役で合格することが期待される高校ということができます。
難関国公立大合格率が5割とした場合には学年の2/3が、3割とした場合には学年のほぼ全員が、第一志望で最難関国公立大にチャレンジする空気のある学校ということが言えるのだと思います。
東京一工+医学部【現役】合格数
次に私立大学医学部医学科を加えた結果を確認します。
先の数字に私立医学部医学科の合格数を加えたグラフになります。
私立医学部は、国公立医学部合格者と被っている可能性がある点と、同一生徒が複数校を併願する点からみて必ずしも生徒個数とは限りませんが、合格実績の勢いや性格を知る上では参考となる数字です。
日比谷高校の場合、私立医学部を受験し合格する生徒が多いことが一つの特徴になっています。
学費の面も含めて私立中高一貫校が上位を占める私立医学科受験にあって、日比谷高校は例年上位合格者数を出しており異彩を放っています。
実際、2019年3月に卒業した長男の同級生にも、千代田区在住の医師の家庭の生徒がおり、実際に都内の私立医学部に進学していました。
昨今の日比谷高校の高い大学合格実績に対し、帰国子女や中学受験失敗組ばかりという意見を目にすることがあります。
中学受験組ばかりというのは印象デマだと思いますが、帰国子女や裕福な家庭が比較的多いのは、他の都立高校と比較するとその傾向があるように思います。
海外大受験も、最近は定着しているように感じます。
早慶【現役】合格数
では最後に、私立最難関校である早稲田慶應の現役合格数を確認します。
グラフを見ると、こちらも国公立最難関校と同様、2021年からとそれ以前のトレンドに分かれることが分かります。
2020年までは、早慶合わせて現役合格者数200人が一つの目安となっていましたが、2021年以降は270人が基準となっています。
早慶合格率が5割として考えると、概ね学年の全員が、主に国公立大の押さえとして早慶を受験するという環境が想像されます。
現浪合わせた合格数で見ると、2024年の日比谷高校は、速報値ながら早慶いずれも実質的な1位となっているなど、例年上位にランクされています。
おそらくは国公立大の押さえとしての受験が大半だとは思いますが、安定的な実績を残しています。
都立入試制度変更の影響
以上、2024年大学入試の結果について速報値を確認しました。
今年の日比谷高校は例年にない好成績だったのかと感じていましたが、実際には昨年2023年の実績が振るわなかったことで、伸長したように感じたということが理解できました。
今後も現状をベースに徐々に上がっていくのでしょうか?
その点、日比谷高校の今後の大学合格実績については、以下の制度変更が影響するのではないかとの指摘があります。
- 男女別枠入試の廃止
- 私立高校無償化
制度変更の影響についての考察は別の機会に譲りたいと思いますが、個人的には大きなマイナス影響はないものと感じています。
その影響の結果は、2027年度入試に現れることになりますので、引き続き全国の公立高校の雄である日比谷大学合格実績の変化に着目していきたいと考えています。
ではまた次回。