日比谷高校に合格した君へ

2022年3月10日更新:

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 日比谷高校に合格されたみなさん、おめでとうございます。


君はついにこの4月から、憧れではなく正真正銘の日比谷高生。

待ちに待ったこの日、人生の節目でしか見ることのできないその笑顔。両親や恩師の、いつになく誇らしげなその表情が、君の勝ち取ったゴールの意味を物語ります。 

春からは、新しい仲間が日本の政治の中心である永田町に集う。

これまでニュースの世界だった、首相官邸前の街頭宣伝カーの隊列や拡声器の喧騒も、国会議事堂を取り囲むデモ隊のシュプレヒコールや座り込みも、一帯を護衛する物々しい数の警察官や青と白の機動隊輸送車も、4月からは君の通学範囲の中にある風景。
そして世界一受けたい授業も、この春からは君の日課です。

そんな非日常的な環境の中の日常に広がる、高校フロンティア。
君の可能性を描く広大なキャンパスが、真っ白な手つかずのままで君を待っている。

桜の開花に先立って咲いた君の笑顔が、未来の日本の笑顔に繋がるよう、君のこれからの高校生活の充実と活躍を保護者の一人として楽しみにしています。

君の笑顔を支えるもの 

 受験終了と入れ替わり、日比谷の先輩たちは期末試験に向かいます。

合格を手にした君が、入学手続きのために構内を往来する際に、校舎の窓から顔を出して、「おめでとう」の声を届けてくれた先輩は、試験の中休み。

この春、どんな優秀な後輩が部活に入ってくるのか、先輩として君を迎える新2年生は今から心待ちな毎日ですから、返事はなくとも君の満面の笑顔に共鳴して喜びに包まれていることでしょう。

入試のおかげで、長い休みを楽しんだ先輩たちとは対照的に、先生方は、入試の準備や試験当日の運営、そして終了後は答案の採点に大忙し。
今年自校作成問題に戻った日比谷の入試問題は、記述量も問題文のボリュームも昨年よりは遥かに多い分だけ採点にも時間がかかるはず。

何より今の都立受験生は、後日自分の点数の開示を求めることができますから、正確性と公平性に対する教員のプレッシャーも相当なものに違いありません。

君の力を正当評価するため、作成にも採点にも相当の時間と労力を要する自校作成入試問題で迎えてくれた日比谷高校の教師の方々の尽力に感謝。

そんな努力に対して、持ちうる最大限の力で応えた君の誠意を、先生方も採点を通して受け取ったに違いありません。

そして合格発表の君の笑顔。

問題を準備した教師の面々も、達成感に満たされた心癒される瞬間です。

日比谷をはじめ重点校の教師陣は、公募で自ら手を挙げた公務員。
おそらくは金銭的な対価よりも、教師としての自分の在り方を見つめた結果の選択に、生徒が応えてくれるのは何よりもうれしいはず。

そして推薦入試も学力試験の発表も、先頭に立って合格発表掲示の手続きを見守る武内校長の下、今年復活した自校作成問題に込めた思いを叶えた君を、目を細めて見守っているに違いありません。大学入試改革の真っただ中にあって、敢えて都立進学校を選択した君の成長や活躍を楽しみにしていることでしょう。

家族への感謝の気持ちを込めて

 合格を手にした君が、忘れてはならないのは、身近に寄り添ってサポートしてくれた両親や家族の存在。 

インフルエンザを抑えるために、加湿器の給水を欠かさないよう気を配ったり、寒空の下、改札から出る君の姿を車の中でじっと待ち続けたり、塾からの帰りを待って温かい食事を準備したり、夜食や夜中のホットココアをそっと差し出したり、時には熱さましのリンゴ汁を飲ませたり、そして一言口をはさみたいところをぐっと我慢して静かに見守ったり、反抗期の難しい君に対して出しゃばり過ぎないよう気を使いながら、君が目標に向かって走り続けられるように見守ってくれたご両親。

そしてゲームやテレビの音量を絞って勉強の邪魔にならないよう、静かに過ごした兄弟姉妹や、籠りがちな君を日々の散歩で外に連れ出してくれた相棒と、そっと膝に飛び乗って温もりと静かな寝息で君を癒してくれた身近な家族。 

そんな大切な家族に対し、できることなら君の口から直接に、できそうにない場合でもなんとか態度で、改めて感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

合格の知らせと君の笑顔で満たされた両親も、感謝の言葉をきっと心のどこかで待っているはず。合格の吉日くらいは恥ずかしい気持ちに打ち克って、ありがとうの気持ちを素直に言葉で表現してみてはいかがでしょうか。

日比谷高校入学に向けて

 晴れて日比谷高校への入学切符を手にした君は、これからの1か月あまり、この1年間封印してきた趣味や思い出作りに時間を使おうと考えていることでしょう。

そして楽しい時間と並行して、まっさらな教科書と共に手にする入学前の課題に追われ、あっという間に入学式を迎えます。

入学を心待ちにする喜びに満ちた気持ちの裏側で、まだ見ぬ高校での成績や学力への不安を覚えながら、この1ヵ月、思い切り遊ぶべきか、塾の無料講習会に参加しようかと、嬉しさの中にも漠然とした落ち着かない気持ちが続く、15歳の心揺れる日々。

もしそんな気持ちに陥ったなら、心落ち着かせるために、君に一つお勧めしたいことがあります。

それは、日比谷高校の校歌に親しむこと。

4月から星陵の丘に続く急な坂道を登る自分の姿を想いながら、先に新しい母校の校歌を、少しずつ口ずさんでみてはいかがでしょうか。

そうすることで、新しい仲間達よりも一足早く日比谷の門をくぐり、まだ見ぬ高校生活への憧れに思いを馳せ、日本の近代国家の礎を築いた偉大な先輩たちへを身近に感じることができるのではないでしょうか。

そして今自分のなすべきことを感じたり、気持ちが少しでも落ち着くことがあれば、君は諸先輩方の力と共に、既に高校生活の第一歩を落ち着いた気持ちで進み始めたのだと思います。

個人的には日比谷高校のこの校歌は、幼少のころから経験した数々の歌の中でも、聴いても歌っても、学校説明会で初めて耳にした時から不思議と心に落ち着く好きな校歌の一つです。

母校の校歌ではないはずなのに、年に何度かある保護者参加のイベントで、生徒の歌声を聴いたり自ら歌うのが楽しみな、そんな心待ちの時間。

これから訪れる青春の日々を謳い上げる先輩方の歌声が、入学前の不安定な君の気持をきっと落ち着かせてくれるはず。
電車に揺られながら、時にはJ-POPやK-POP、ボカロソングの代わりにでも、携帯を通じて一人耳を傾けてみるのもよいもの。4月の入学式を前に、繰り返し聴いてみてはいかがでしょうか。

 

 

日比谷高等学校校歌

  星陵 われらあり 自由の天地

  希望の空ひろく 雲晴るるとき

  大いちょう みどりに茂り

  やがてまた 風に黄ばめば

  過ぎ来し年 更に新たに

  進みゆく道は あかるし

   

  かがやく富士も見ゆ かすむは海か

  世界の中に立ち 意気たゆみなく

  かぎりなき真理を究め

  求むべし ともに 平和を

  正しく みな 自主を誓って

  友情の胸を 開かん

   

  ああ若き日の よろこびに

  歴史を誇る 日比谷高校

 

父親も入学式に行こう

 今時の父親像なのか、日比谷独自の状況なのか分かりませんが、様々ある学校行事への父親参加も多いように感じます。

中でも入学式は、人生に一度の特別な一日。

今日比谷高校の入学式に参加することは、父親にとっても、人生における価値ある日。
この日ばかりは自分のために、休みを取って是非参加してみてはいかがでしょうか。

オーケストラの生伴奏に導かれ、威風堂々と、晴れの式典に入場するわが子の勇姿を目に焼き付け、その選ばれた舞台に参列する喜びをかみしめる。そして覚えたての、どこか懐かしくもある調べに触れ、一段落した子育てへの喜びに目頭を熱くする。

校歌に触れることができるのは、一年通じて限られたイベントのみ。
せっかくですから、保護者の方にもお勧めしたい、入学式に向けた心の準備です。

変調となる最後の「ああ~」の部分は、年齢や容姿を棚に上げて言うと、何度聞いても切ない想いに包まれます。

残念ながら私の音楽センスでは、難しくてリズムと音程を再現できないもどかしさがありますが、何時になっても入学の喜びをかみしめ、はかなく美しい青春の日々と華やかな歴史に彩られた伝統の重みを同時に味わうことができる、日比谷高校にふさわしい調べをもつ楽曲ではないかと思います。

星陵の丘 桜咲く。

まだ寒さの残る中、都内各地で開いた早咲きの満開の笑顔が、冬空の灰色の都会の心を晴れやかに癒します。

そしてこの日比父ブログは、今でもまだわずか100記事に満たない、WEB上に落ちた小さなシミのような存在だけれど、日比谷高校の成長に寄り添うように、少しは受験生や保護者の方のお役に立っているのかなと感じる今日この頃。引き続き謙虚な気落ちで身を引締め、都内に新たに住まう家族を応援したいと考えています。


合格されたみなさん、改めておめでとうございます。
新入生となった君に、星陵の丘で出逢うことを楽しみにしています。

ではまた次回。 

春の喜び、桜への思い

まもなく迎える入学式の想い出 

あるか夏の伝統行事、勝山臨海合宿 

 日比谷高校の学びと生活のプレビュー

冬の京都合格祈願紀行~京都御所から北野天満宮編

2017年12月27日更新:

 どれほどデジタルな世の中になっても、受験生にとって最後の希望は神頼み。

今回は今年の正月の京都訪問時に訪れた、初めての北野天満宮をはじめ、京都御所周辺の合格祈願街道となる行程についてご紹介したいと思います。
受験生を持つ保護者の方への参考情報となれば幸いです。

記事の内容は、地下鉄烏丸線丸太町駅を起点とした以下の行程となります。

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道真誕生の地 菅原院天満宮

 わが子の受験祈願とお礼参りに続いて3度目の訪問になる菅原院天満宮ですが、観光スポットとしても受験祈願としてもあまり知られていないためか、いつも閑散としています。

地下鉄烏丸線丸太町から、京都御所参観のために蛤御門に向かう途中に静かにたたずむこの小さな神社は、曾祖父の代から続く菅原道真生誕の地であり、真正面に御所を望む立地から、当時菅原家の人々が御所に日参する姿が目に浮かびます。

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鳥居の左足元に「菅原邸跡」の石碑が建つ。奥のレンガ造は聖アグネス教会および平安女学院

 

 仕事でもこの烏丸丸太町辺りに来ることは多く、いつの間にか前を通ってしまう縁のある神社です。

中に入ると、現代住宅程度のこじんまりとした敷地の中に、祠(ほこら)程度の小さな本殿が迎えてくれます。

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おこがましいとは思いつつ、日比谷高校を志す君や全国の受験生のために、ささやかな祈願を行いました。
ペンがかすれていたと言い訳しつつ、人にお見せするような達筆ではないのでお恥ずかしい限りですが。
『合格祈願 全国の受験生が本番で力を発揮できますように』
 日比谷高校を志す君に送る父の言葉 mommapapa @菅原院天満宮

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本殿の脇には、道真公誕生の際に使われたとされる産湯の井戸が残っており、今でもこの水を汲むことができるよう、写真の井戸とは別に専用の蛇口も用意されています。

京都の地下水を汲むための、街中にある身近な場所ともいえるでしょう。自販機で買った人工的なジュースよりも、歩く中ではおいしくいただけます。

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そして全国御朱印女子のおかげで、現在ではどこの神社に行っても、たいてい御朱印を授かることができます。

初穂料は概ね300円から500円程度。社務所の方に目の前でしたためていただけますから、商業製品的なお土産よりもずっと想い出に残る、世界に一つの記念の印です。

神社それぞれのオリジナル御朱印帖を見るのも楽しみの一つです。

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 菅原院天満宮の御朱印

 

スポーツ・学芸の神様 白峯神社

 今思うと革靴のままで少し無理のある行程のような気がしますが、京都御所から北野天満宮まで歩いていこうと思いました。20分程度で着くかな、という程度の認識です。

今出川通りを西にまっすぐ歩いて行くと、幹線となる堀川通にぶつかる手前で白峯神社に出くわしました。

訪問する予定は全くなかった、というよりこの神社の存在を知りませんでしたが、折角なので寄ってみました。 

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入ると他の神社と少し趣が異なります。拝殿や本殿の至る所に様々な球技のボールや記念品が奉納してあります。
全く知りませんでしたが、ここは平安時代から蹴鞠や和歌の宗家、師範として朝廷に仕えた飛鳥井家の守護で、古くから球技や芸能の守護神とされてきた神社です。

f:id:mommapapa:20170129174802j:plain  白峯神社の拝殿には、あらゆる球技のボールが奉納されている

 
この白峯神社には、全国からスポーツ競技での活躍や勝利を祈願する学生やプロ選手が多く参拝に訪れるようです。
しかしここも一般の観光ルートにはないのでしょうか、初めての訪問ですが、閑散としていました。

ここでもおこがましいと思いつつ、スポーツや音楽、芸術分野で技能試験を受ける全国の受験生のために、ささやかな祈願を行いました。


『全国の実技試験を受験する受験生が 本番で日頃の実力を発揮できますように』
 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉 mommapapa @白峯神社

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白峯神社を後にし、堀川通を南に下ると直ぐに晴明神社がありますので、観光目的であれば立ち寄るところですが、今回は時間の制約があり、目的が異なるので寄らずに北野天満宮に向かいます。

晴明神社もかつての安倍晴明屋敷跡、天文学者の身分で参内する者として、御所の鬼門に自ら位置して帝の護衛を務めたことでしょう。

そしておよそ半世紀程の時を違え、道真は都を悩ます怨霊として、晴明は都を守護する陰陽師としてこの地で対峙することになります。
今でも御所の西側、京都府庁を挟んで道真と晴明が睨み合っているんですね。

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 白峯神社の御朱印

 

はじめての北野天満宮

 堀川通を越えて大宮辺りまで歩いた際に、大宮から北野天満宮までバスでの所要時間が約6分と書いてあり、このまま歩いていくと午後からの仕事に間に合わないのではないかと、ふと気づいてバスに乗りました。

しばらくぶりに乗る京都のバスですが、昔と比べてずいぶん案内が親切で分かりやすくなっていて驚きました。知らない土地でバスに乗るのは、日本であっても目的の場所で降りられるのかと何だか緊張するもの。

でも今時のバスの案内板は表示はアナログ式とはいえ、待ち時間や行き先表示も分かりやすく、さすがに観光先進都市だけあるなと思いました。

 

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久々にバスに乗って公共交通の進歩を感じました

何より、ICカード決済が導入されてから、バスに乗る億劫さから解放されましたね。
このICカードのシステムが全国的に統一整備された事で、小銭の心配から解放され、本当に公共交通機関の利便性が上がりました。

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 北野天満宮は今回初めてなのですが、やはり先の二つの神社とは異なり、参拝客が大勢見られました。決して広くはない参道前にも観光バスやタクシーがびっしり。

そして参道には、何頭もの使いの牛が座しています。
ここではどの牛の赤い前掛けにも、合格祈願の書き込みを見ることができます。

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 北野天満宮の牛たちは、受験生の思いを運びます

 愛知県の名門岡崎高校志望のこの受験生は、いろいろな牛に祈願を綴っていましたが、この前掛けへの祈願は初穂料が必要なのでしょうか?
北野天満宮のホームページには特に記載がないようです。

すると、神社が定期的に新しいものに取替え、空いていれば自由に書き込んでよいのでしょうか? あるいは、自宅から持ち込んだものを掛けているのでしょうか?
わざわざ書き込みやすいようにフェルトの前掛けになっています。

よく分かりませんが、自由に記載してよいのであれば、皆にご利益が届くよう、限りある首資源を多くの受験生が利用するために、相互配慮で祈願したいものです。

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受験シーズン土曜日でしたが、それほど人出も多くなく、ゆっくり参拝できました。
それにしても見事な冬の青空です。
天満宮の象徴である境内の梅も、白梅はまだぱらぱらと三分咲き、紅梅は木によっては満開近く咲いていました。

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そして本殿の奥には合格祈願の札掛け所があります。

何日分がたまっているのでしょうか、比較的新しいと思われる絵馬(絵牛)が、新たに掛ける場所を探すのにも苦労するほどびっしり並んでいます。

札所に入って直ぐに日比谷高校合格祈願の絵馬を見つけました。
たくさんの受験生とともに、インフルエンザや風邪に負けることなく実力が発揮できるよう、合格絵馬を奉納しました。

『全国の受験生が試験本番に実力を発揮できますように 合格祈願』
 日比谷高校を目指す君に贈る父の言葉 mommapapa @北野天満宮

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 双子のご両親でしょうか、日比谷&西高W合格祈願の絵馬を見ました

わが子の代わりに訪れた北野天満宮。ご両親の愛情を感じます。

日比谷と西の都立ツートップ同時合格。
それぞれの想いを秘めた志望校選定でしょうか。二人それぞれ第一志望に合格できるとよいですね。

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 北野天満宮の御朱印

京都御所通年一般公開(おまけ)

 そして現在、この烏丸丸太町から今出川通りを抜ける行程で注目される場所は、京都御所ではないでしょうか。

ちょうど半年前の平成28年7月26日から、事前申し込みなしの通年公開となりました。

今までは文字通りの門前払い、一度も御所内に入ったことがありませんでしたが、今回はまたとない機会を得ました。 

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折角なので、教科書にも登場する蛤御門から入ります。

ここはかつて常に固く閉じられていた門が、宝永の大火の際に開いたので蛤御門と呼ばれるようになったのが定説だそうですが、毎日新聞デジタル版2016年5月15日号には、実はもっと前から蛤と呼ばれて開放されていたとの新説が書かれています。
名前の由来はともかく、今でもあちこちに弾痕が残っているのが確認でき、日本の近代の夜明けが忍ばれます。

門のはす向かいには、足腰の神様である護王神社が鎮座しています。ここは狛犬ではなく狛猪だったり、足腰にこだわった一風変わった仕掛けを多く目にします。

それにしても、土曜日の9時過ぎにもかかわらず、御所内に人の気配がありません。
早起きでもありませんが、なんだか得した気分です。

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 御所への入り口となる清所門と警備の警官

  
出張ついでに訪れた人気スポットが貸し切りみたいな状態になることが度々あるのですが、今回の御所はまさにそんな日でした。

春のように温かい陽気と快晴に恵まれた土曜日にもかかわらず、訪問客はまばら。
広大な敷地を独り占めしたような大きな心持ちがしました。

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 紫宸殿の正門となる承明門前 人気がありません

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 承明門から紫宸殿を望む 背後に建礼門が控えており、かつては選ばれし者のみ目にする光景です

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 紫宸殿 土曜なのに貸切状態です

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 清涼殿も静かに佇んでいます

 
合格祈願やお礼参りの参拝に北野天満宮方面に足を運ぶ際には、合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
我々にとっては教科書や古の物語の世界である宮中を、身近に感じる機会となります。


さて、私立受験も都立入試もいよいよカウントダウンの時期となりました。

今年もインフルエンザが猛威を奮いそうな気配ですので、直前の追い込みで体力や免疫力を低下させないよう、睡眠と食事と体調管理には十分気を付けて残りの日々に集中できるよう、ささやかながら応援しています。

そして万一、インフルエンザにかかって床に臥せている君は、都立本番まではまだまだ巻き返しの時間はあるので焦らず、まずは体力の回復に専念し、最後のラストスパートを迎えることができるよう、古の都からエールを送ります。

ではまた次回。
 

参拝時間や機会のない君に贈る

日比谷高校と縁の深い日枝神社の話 

自宅から太宰府天満宮合格祈願を郵送で得る方法

2021年1月2日更新:

太宰府天満宮ホームページ

画像出典:太宰府天満宮ホームページ

 いよいよ受験本番。

この時期、何となく湧き上がる不安感に、最後の神頼みにすがりたいと思う受験生も多いのではないでしょうか。

しかし、合格祈願に出かける時間も惜しいもの。ましてやコロナ自粛の最中、遠方の天神さまの参拝に、今から訪れるのは現実的ではありません。

しかし、ネット通販が当たり前のこの時代、全国の受験生の絶大な支持を集める、あの太宰府天満宮にも、自宅にいながら神前祈願を授かる方法があります。

今回は、直前期にどうしても天神さまのお守りがほしい!という全国のすべての受験生のために情報をお届けします。

 

祈願・お守り送付の申込み

大宰府授与所/写真出典:太宰府天満宮HP

大宰府授与所/写真出典:太宰府天満宮HP

 太宰府天満宮のホームページを見ると、「ご祈願・お守り」内に、郵送専用ページが設けられています。これはコロナの影響で参拝がままならない状況を受け、新設したものと思います。

太宰府天満宮へのご参拝が叶わない皆さまへ

太宰府天満宮は、ご祭神 菅原道真公(天神さま)が永久に鎮まります聖地として、学業上達・受験合格・厄除けをはじめ、人生に関わるさまざまなご祈願を執り行っております。

本来、ご祈願をはじめ、お札・お守りは神社にご参拝して直接お受けいただきますが、諸々のご事情によりご参拝が叶わない方々のために、当宮では、ご祈願および郵送によるお守り授与のお申し込みを承っております。

ご希望の方は、こちらよりお申し込みください。

受験期になると、毎年お守り送付の依頼照会などの電話が多数掛かってくるのではないでしょうか。本来神前に出向くべき祈願を遠方から請うのは、受験生やその家族の切なる希望でしょう。

コロナで外出さえ憚られるこのご時世であれば尚更です。

しかしよく考えてみれば、そもそも祈願やお祈りは、離れた場所にある誰かや何かとの想いの通信、神さまとのやり取りも想念の相互通信、以心伝心です。

ですから本来は、お守りとかお札とか、物質的な形の受け渡しではなく、心の中で遠方の存在に向かってお願いするということでもよいのかもしれません。

しかし、やはり俗世の人間としては、神主に詔を読み上げてもらい低頭してはらはらと大幣(おおぬさ)を賜るとか、お守りを目に見える形で携帯するとか、そういう拠り所や確証がほしいものです。

いずれにしてもその結果、現在では正式な儀礼として、太宰府天満宮は遠方からの祈願やお守りの送付を受けています。

神前に自ら直接玉串を捧げ、神主のお祓いを受ける機会はありませんが、参拝して祈願する場合と同様、名前、住所、志望校合格などについて、神前で神主に読み上げ祈願してもらう機会を得ることができます。

本情報は本来、時間的、地理的あるいは肉体的に、特に海外で暮らす受験生や病床で過ごす受験生など、神社に参拝に行くこともままならず本番を迎えるものの、やはり天神さまのご利益に授かりたいと思う受験生に向けてお伝えしていました。

ところが2021年入試に限っては、全国すべての受験生にとって、通信参拝は必須の合格祈願方法になっているはずです。

「郵送申込み」がホームページの最上位に掲載されている現在、引け目を感じることなく遠慮せずに、お札やお守りの郵送および祈祷の依頼を行えばよいと思います。

送料を見ると、海外宛ての送付は想定していないようですが、どうしてもという場合には、直接問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

お守りや祈願の依頼は、以下のURLから必要書類を入手することができます。 


 

そしてお礼参り

大宰府お礼参りお札
  受験や就職、大一番の仕事など、結果が求められる状況を前にすると、自ずと神さまの力が恋しくなるもの。手を合わせて目標の成就をお願いします。

そして願いが叶った暁には、是非ともお礼参りのために、感謝の気持ちを込めて神前に足を運んでみるのがよいのではないでしょうか。

特に2021年度入試に向けては時間的、地理的、肉体的な障害とは関係なく、おそらくは大多数の受験生が遠隔での祈願をお願いしているはず。

通信による祈願が成就した際には、何年か後、場合によっては何十年か経った縁あるその日に、自分の足で参道を抜け神前に手を合わせて直接謝意を伝えると、あの日神さまと交わした想いのやり取りが完結して、次のご縁につながるような気がします。

私自身、長男の合格後にタイミングよく大宰府天満宮にお礼参りに訪れた際には、社務所で合格御礼の旨を告げると奉告祭を勧められ、合格祈願と同様に、本殿に上がり神前で第一志望合格の喜びを神さまに直接報告する機会に恵まれました。

お礼参りの際の初穂料は気持ち次第。そして金額に関わらず神前祈祷の機会とかわいらしい合格絵馬を授かることができ、俗な感情ですが、少し得した気分です。

 

太宰府天満宮 神徳宣揚部  

 そもそも大宰府の通信対応を知ったのは、長男の高校入試の年に大宰府天満宮の本殿の神前で合格祈願の御祈祷を受けたことがきっかけです。

するとその後、「太宰府天満宮 神徳宣揚部」という部門から、毎年七夕と大みそかの年2回、大祓の案内が専用封筒で届くのです。

「神徳宣揚部」というのは翻訳?すると、神さまのご加護を広く世に伝える部門でしょうか、気軽に参拝に行く機会のない遠方の方などに対応する専用窓口だと思います。

封筒には形代(かたしろ・禊やお祓いのために身代わりとなる紙人形、「千と千尋の神隠し」で、白龍を追いかけて飛んだあの白い形紙です)が5枚入っており、家族の穢れをこの形代に移して禊を行います。

大宰府形代

自分の身代わりとなった形代を、返却用の封筒に入れて大宰府に送り返します。そして、同封の振込用紙で初穂料を収めるという流れです。今年一年の穢れも、大晦日の大宰府の境内の松明の炎とともに、はるか空の彼方へ昇華したことでしょう。

そして2020年度大晦日の大祓いでは、コロナの影響が強く感じられました。

昨年までは初穂料について、”気持ちでお納めください”と記載されていたにも関わらず、今年は具体的な金額が指定されていたからです。

おそらくは、実際に境内に足を運ぶ参拝者が激減したために、神社もお賽銭が見込めずに苦しい懐事情にあるのかなと感じました。神主も、リアルでの祈祷の機会が激減して、なかなか苦しい立場なのではないかと想像します。

ですから郵送でのお札や祈祷の依頼は、むしろ神社を助けることに繋がると思うので、積極的に利用すればよいと思います。

その他の神社でも、コロナの影響で郵送対応を行う神社は多いと思います。君の好きな神社が郵送対応しているかどうか、一度検索してみてはいかがでしょうか。

 

まずは身近な存在に手を合わせる

 本来は初詣も受験の合格祈願も、その他人生の節目となる報告も、全国の有名神社よりも前に、神棚があればまずは自宅の神棚に、そして次に地域の氏神さまに参拝するのがよいように思います。

そして何よりも、自分に生をつないでくれたご先祖さまに、日々の健康と、試験本番で力が発揮できるよう、感謝の意と共に心の中でお願いしてみてはいかがでしょうか。

受験とは直接関係ないですが、神社や自然の存在を感じることがが好きな私は、街の中でもいつも神社や太陽、そして月の位置などを意識して暮らしています。

飛行機や新幹線に乗る際も、富士山の位置がかなり気になりますし、近づくとソワソワして落ち着きません。感覚が原始的なのかもしれません。

どこかに出かけると、やはり地域の神社などが気になります。

神社の境内に身を置いた際の何とも言えない清々しさと気持ちのよさ。そして空間への畏れと思慕の感情。日本に生まれてよかったと思う瞬間の一つです。

そして、日々の生活の中で住宅やビルの間から太陽や月が目に入ると、それだけでかなり幸せな気分に包まれます。なんだか得した気分になって、しばし見つめて、時に語りかけたりします。

文章に記すと、かなりおかしな行為ではありますが。

そういう感覚で暮らしている毎日ですが、外の世界の目新しい何かに目を向ける以上に、やはり自分の先祖と、そして氏神さまを最も身近な存在として大事にしています。

有名神社のお守りを大事にすることもよいと思いますが、その前に日々身近な家族やご先祖様のサポートに意識を向けて感謝することをお勧めします。

さて、いよいよ受験本番。泣いても笑っても最後の追い込みとなります。

受験対策の仕上がりが順調な君も、焦りのある君も、この時期何かと不安が付きまとうもの。神さまやお守りは非科学的だと笑う君も、そんな時にはご先祖さまや近所の氏神さまにそっと手を合わせ、不安を伝えてみてはいかがでしょうか。

想念が及ぼす量子力学的な作用の結果、不思議と気持ちが落ち着くことがあるかもしれません。

WiFiが必要なスマホとは異なり、君の想いは、いつどこにいても瞬時に神さまや大切な誰かとつながる優れものなのですから。

ではまた次回。

 京都御所から北野天満宮に至る合格祈願街道 

太宰府天満宮の季節の通信対応

伊勢神宮の夜明け

赤坂日枝神社の山王祭

七夕の星に願いを ~太宰府天満宮の短冊に願いを込めて

2022年7月7日更新:
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 太宰府天満宮から七夕の短冊がわが家に届くようになって6年が過ぎました。

わが家は緩やかに大宰府と今もつながっています。今年も家族全員のお祓い形代と願いを込めて短冊を送りました。

家族と世界が平和で暮らせますように。
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 今日は七夕ですね。

ちょっと趣向を変えて、合格祈願の話をしたいと思います。

昨年博多出張の際の時間外に、太宰府天満宮に足を運びました。博多から車で1時間もかかりません。折角なので合格祈願のために御祈祷をしていただきました。

出張などで時間に余裕があると、御朱印帳片手に 近くの神社を回ったりするのです。

平日ということもあり、愚息の受験のためだけに祈願していただくことができました

ご利益叶い、受験も無事に、第一希望の日比谷高校に合格することができました。

 さて今年に入ると、5月頃に太宰府天満宮からA4の封筒がわが子宛に届きました。罰当たりにも、開けないままそのまま放置していたのですが、6月も終わり頃になって何の気なしに封筒を開けました。

すると、何と、中から大祓式のための形代と、七夕まつりのための短冊が出てきたではありませんか。卑しいかな、寄付のお願いか何かかと漠然と思っていたのですが、実は合格祈願を行ったわが家への太宰府天満宮からの心遣いだったのです。

5人分の形代と短冊が入っています。恥ずかしさに耐えながら、早速無病息災を祈り、家族全員の形代と七夕の短冊に願いを書留めて大宰府に送り返しました。心ばかりの初穂料をコンビニから収めたのです。

すると直ぐに、初穂料に対する領収書に加え、なんと今度は御饌米と悪疫消除の立派な守護札までいただいたのです。人間、日々殊勝な心持でなければと反省しきりです。

 そんなばたばたもありながら、、、本日は七夕の夜。

わが家の短冊も、太宰府天満宮の境内のどこかで悠久の風に吹かれ、願いを天に届けているに違いありません。

家族みんなが健康でありますように。

受験生の上に希望の星が輝きますように。

 彦星のゆきはひを待つ
 かささぎのとわたる橋を我にかさなむ
 菅原道真

 星陵のはるはなを待つ
 かささぎのとわたる橋を我にかさなむ
 mommapapa
 

来春桜の咲く頃、君が星陵の丘を登り日比谷の青春の橋を渡ることができますように。

ではまた次回。 

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