日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

日比谷高校第一志望ながら、日比谷、開成、塾高のどこに入学すべきか、都立合格発表まで悩んだ父親が贈る、上をめざす君と家族を応援する徒然日記

東京大学中期計画と推薦入試 ~東大が日比谷高校化する理由

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 画像出典:東京大学ホームページ

 11月後半に入り寒さが身に染みるようになると、受験シーズンの到来を感じます。

国立大学入試の先陣を切るのは、推薦入試。
今年3年目を迎える東大推薦入試の場合、11月上旬に出願完了、12月1日の書類1次合格者発表の後、12月中旬に面接まで終了します。

東大が推薦入試を行う目的は以下の通りです。

 東京大学の推薦入試は、学部学生の多様性を促進し、それによって学部教育の更なる活性化を図ることに主眼を置いて実施します。

出典:東京大学アドミッション・ポリシー

「学部生の多様性の促進」、つまり現在の東京大学の大学合格者が、特定の高校や東大進学専門塾の出身者に集中している状況や、男女比率および留学生を含む出身地域等の偏った状況について改善したいということでしょう。

ここに掲げたポリシーや入試改革等の方針は、国立大学法人等が大学毎に独自に策定する、『中期目標・中期計画』に明記されています。

ちょうど先日、東大の平成28年度の中期計画の評価が、和歌山大学と並んで全90法人中の最低評価だったというニュースが発信されました。記事をご覧になった方も多いのではないでしょうか。 

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今回の低評価は、中期計画4大項目中の1項目に関するものであり、その原因は研究所の教授による論文データの捏造や改ざんに起因するものすので、中期計画全体としては順調に推移しているということになります。

今回評価の対象となっているのは上記の4項目ですが、東京大学の中期計画は、実際には以下の5つの大項目から成っています。

 Ⅰ.大学の教育研修等の質の向上
 Ⅱ.業務運営の改善及び効率化
 Ⅲ.財務内容の改善
 Ⅳ.自己点検・評価及び情報提供
 Ⅴ.その他の業務運営

推薦入試の実施をはじめとする入試改革目標は、中期計画のⅠ.に含まれます。
しかし上記一覧に記載された通り、この目標は文部科学省の評価項目の対象外となっていますので、進捗の度合いは確認できません。

大学センター入試が2020年に大きく変わろうとする中、推薦入試の実施以外にも、東京大学の入試方法に今後大きな変化がみられるのでしょうか?

そこで今回は、東大が自ら定めた「入学者選抜に関する目標」を確認しながら、今後の東大入試の変化の方向性やあり方について考えてみたいと思います。
センター試験の改革で世間が大騒ぎしている裏で、君がまだ気づいていない東大入試の大改革が間近に迫っているかもしれません。 

東京大学が求める学生像

 そもそも東大が求めているのは、偏差値の高い学生というわけではありません。
東京大学は、アドミッション・ポリシー、つまり求める学生像として、入学希望者に対して以下の文章を公に掲げています。

・・・入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも、学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を東京大学は歓迎します。

出典:東京大学アドミッション・ポリシー

つまり、入試偏差値の高い人ではなく、学ぶ意欲の高い学生を求めているということ。
入学時点での学力よりも、大学入学後のやる気と伸び代に期待しているのです。
高校までの学生生活を、東大合格のための受験勉強一筋で過ごした学生はむしろ御免こうむりたいと、東大自身が社会に向けてはっきり宣言しているのです。
その理由は、東京の中高一貫校からノーベル賞が出ない理由として書かれた、次の文章の通りでしょう。

大学ではいわゆる「燃え尽きた学生」「冷めた学生」となる。
大学合格を「ゴール」と勘違いするか、高校時代までと環境が変わらないため、大学で熱中するものを見つけられないタイプだ。 情報処理能力や要領のよさは折り紙つきで、官僚や会社などの組織を動かす上で一定程度必要な人材なのは確かだろう。しかし、秀才だが画一的になりがちなのも突破力のない要因だ。

出典:週間エコノミスト2017/5/23号

 「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人」という、特定の価値観を排除するような直接的な表現を敢えて掲載している点に、批判を受けても尚、目標を前に進めようとする大学側の決意が見てとれるように思います。

首都圏であれば、小学校3年生には中学受験塾に通い、中学入学直後から東大進学に向けた合格請負い塾に通ってひたすら東大合格に向けた入試先取り勉強に励む。
同時に学校の中にも、東大など難関大学の合格実績を稼ぐために、必修単位は大学入試に関わる最低限の科目に抑え、受験演習に時間を回して合格実績を稼ぐものがある。

東京大学がそのような環境から生まれた学生、分かりやすく言えば主体性や探求心の芽生えを自ら否定したような学生を明確に敬遠しようと意思表示し始めた中で、それでもその東京大学を目指す生徒や保護者や学校や進学塾といった利害関係者が半世紀かけて確立した、小学校低学年から始まる難関大学への合格定番ルートはまだまだ変わりそうもありません。

東京大学は、国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野を持った市民的エリート」(東京大学憲章)を育成することが、社会から負託された自らの使命であると考えています。(中略)
 そのため、東京大学に入学する学生は健全な倫理観と責任感、主体性と行動力を持っていることが期待され、前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)から可能な限り多くを学び、広範で深い教養と更に豊かな人間性を培うことが要求されます。

 出典:東京大学アドミッション・ポリシー

もし東大が、このポリシーに書かれた資質を持った学生の入学を本気で求めるならば、現在行われている一般入試のような入試システムではその想いを実現できないことは明らかです。

なぜならば、「健全な倫理観と責任感、主体性と行動力を持っていること」は、現在の学力試験では測ることができない種類の資質だからです。そしてそれを指導するはずの教諭自らが、論文不正を働く状況にあるわけですから、ポリシーが文科省や一般社会向けの建前や綺麗ごとでないのであれば、現状は由々しき事態です。

だからこそ、組織改革の一端として、まずは推薦入試を始めたのだと考えられます。
そして男女差別という批判が噴出するのを承知の上で、女子学生のみに下宿費用の補助を支給することを決定したのも同様の危機感に基づくものでしょう。

  • 経済的に困窮する学生や留学生
  • 地方出身の学生
  • 女子学生

これらに対して特に便宜を図ることは、東大の中期計画に明確に記載された項目です。

これまで世間の声はどこ吹く風、我が国の最高学府として孤高の立場を貫き公平中立を意識してきたはずの東京大学が、入学者の多様性確保に対し、なりふり構わぬ前向きな態度で取組みはじめたのは確かなようです。

その姿勢は、2年前に就任したばかりの40代の現総長が、就任直後の平成27年度学部入学式で述べた式辞の中にも見てとれます。

 本日入学された皆様は3,144名です。うち、女子学生は580名、外国人留学生は38名です。あとで詳しくお話しするように、東京大学は、多様性を大切にしたいと考えています。それは、優れた人材が育つためには、多様な人材が集まって切磋琢磨する環境が不可欠だからです。
東京大学には、全ての都道府県の出身者が在籍しています。その点では多様性に富む大学と言えます。しかし、女子学生と外国人留学生の比率については、残念ながら私たちの期待する水準には至っていません。私は、東京大学の学生の多様性をさらに豊かなものにしていかねばならないと考えています。

出典:平成27年度東大学部入学式 総長式辞

確かに女子学生の少なさもさることながら、学部留学生の少なさは、今では恥ずかしいレベルではないでしょうか。これは4月入学を果たす学生の数ですので、実際の留学生はもう少し多いようにも思いますが、それでもやはり大学学部留学生は2~3%と低い数字です。

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出典:東京大学ホームページ・外国人留学生数

外国だけに限らず、国内の首都圏外を含む多様な地域からの学生が集まりにくい状況は、先進国の高等教育機関としては確かに危惧すべき状況であるかもしれません。

そして先に記載した通り、今回世間の笑いものとなった大学最低評価の直接の原因は、内部教授が犯した論文不正によるものです。
仮に東京大学が、不正が生じた背景に、長年の学力偏差値至上主義がもたらした閉鎖的で硬直的な村社会の存在を認めるならば、東大が現に置かれたこの状況を打開するために、「学部学生の多様性を促進し、それによって学部教育の更なる活性化を図ること」への推進に一層拍車がかかる可能性は大いにあるかもしれません。

個人的には東大で発生した不正という現象は、今年に入って急増している大企業の不正事件と無関係ではないように感じます。
そういう意味では、ノーベル賞の数を危惧する以前に、この半世紀近く続く偏差値至上主義がもたらした状況を、社会全体で反省すべき時期なのかもしれません。

 

多様性を確保する入試制度

 東京大学が多様性確保のために推薦入試という方法を採用するのは、実施可能で実績を出せる有効な入試方法が他に思いつかないからなのかもしれません。しかし推薦入試がカバーできるのは、全入学者の僅か数パーセント。全体の改革には程遠い数字です。

一方、足元の東京を冷静に見回せば、実は「制度として」生徒の多様性確保に成功している学校があります。

その代表例が都立高校です。

その中でも、例えば全都から広く生徒が集まる日比谷高校は、東京大学が求める種類の多様性の確保を実現している学校の一つといえるでしょう。

日比谷高校の多様性に係る対東大比較
  • 男女比率50:50(80:20)
  • 推薦入試20%  (3%)
  • 1行政区集中11%内(東京38%)
  • 1校合格集中2%内(5%超)
  • 多様な合格者偏差値(高偏差値のみ)
    太字は日比谷高校( )内は東京大学

この内上記の2項目は入試制度が定める絶対的なルールによるもの。下の3項目は都立高校が採用する入試制度の結果がもたらす相対的な結果による状況です。
日比谷高校は、性別以外には合格人数制限という絶対枠を設けることなく、広い地域から多様な学力と能力を持った生徒を集めることに成功しているといえるでしょう。

もちろん都立高校は、都内に住民票を持つ生徒のみを対象とした明確な入学線引きを設けていますから、その意味では東京ローカルな学校に違いありません。
ただし、仮に受験可能範囲を撤廃した場合には、当然東京以外の他県からも多数の志願者があると考えられますから、上記に掲げた相対的な項目の数字は更に多様性が広がる方向に進むでしょう。毎年2名、3名と合格者を排出する都内の中学校も、複数合格者を出すことがなかなか困難な状況になるのではないでしょうか。

そして誤解を恐れずに書くならば、この日比谷高校の状況には、東京大学がアドミッション・ポリシーとして中期計画で目指す数字があると言えるのではないでしょうか。

「前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)から可能な限り多くを学び、広範で深い教養と更に豊かな人間性を培うことが要求されます。」

この文章が求める姿勢についても、日比谷の教養主義に通ずるものがあります。3年間という短い時間の中で、大学受験の科目に関わらず、教養の土台を形成するため幅広い教科を必須として学ぶのです。大学合格に注力したい学生にとっては、非常に鬱陶しい、受け入れ難い避けるべき制度です。

ここで言いたいのは、都立高校や日比谷高校の状況が他の制度と比べて優れているという虚しい主張などではなく、東京大学が本気で入学試験を通じて学生の多様性を求めるのであれば、打つ手は様々あるはずだということです。

そして日比谷高校の先の数字を、多様性確保が実現された一例として評価するならば、入試選抜による多様性確保のカギは、多次元入試の採用にあるということになります。
「多次元入試」って何でしょう?聞いたことがありません。

そこで次に、「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人」の合格を適切に抑え、合格多様性を確保するこの「多次元入試」の仕組みについて考えてみたいと思います。

 

一次元入試と二次元入試

 都立高校の入試制度が私立や同じ公立であるはずの国立附属校と大きく異なる点は、ここで語るまでもなく、悪評高い「内申点」が合格点に加味されることです。 

中学受験も含め、国私立高校受験は受験学力という1軸評価で合否が決まります。 目標方向性は上向きの一直線。
これに対し、都立高校受験は学力の向上という縦軸と、内申点という横軸で定義された2次元的な評価軸で合否が決まります。目標方向性は多様な広がりを持つ平面。 より戦略性が高いのです。

日比谷高校の偏差値は本当はいくつか? ~都立高校偏差値の正体と合格目標 - 日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

(国立大附属高校も一部学校で内申点が加味されますが、都立30%に対して受験に大きな影響がない程度として扱っています)
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この図は、都立高校と国私立高校の入試制度の違いを直感的に理解できるように図式化したものです。

青い破線は国私立高校を含む一般的な学力試験の合格ライン。
多くの方が思い描く入試における合格決定方式です。合格するためには一定の学力、つまり母集団における一定の偏差値を越えなければならない。「You are here」と記された現在位置から合格するためには、青矢印で示された学力の向上が唯一の方法です。
逆にそれ以外の左右方向への要素は、合格の足を引っ張る排除すべき要因と見なされることになります。

個人的にはこれを、1変数で結果が決まる「1次元入試」と呼んでいます。1軸入試、あるいは直線入試と呼べるかもしれません。
正に合格一直線の世界です。

これに対して、赤い直線は都立高校の合格ライン。
斜めに傾いていることが最大の特徴です。傾きが生じる理由は、合格点が学力試験の点数と、内申点の点数の総合評価で決まるためです。合格するためには赤い矢印のように、受験科目の学力だけではない、状況に応じた様々な力を伸ばすことが必要です。

この結果、都立高校には1次元入試よりも多様な学力を持った生徒が入学するのです。日比谷高校であってもそれは変わりません。
現在の都立高校では、学力試験と内申点の比重は7:3ですから、内申点が低くても、学力がずば抜けて高ければ合格可能となる一方で、内申点だけ高くても合格は難しい。一般的な秀才であれば、学力が高いだけでは合格できず、内申点評価が高いだけでも合格はできない。
このようにして、学力と総合力の厚みのある集団が形成される。

こうした入試制度は、2変数で合格が決まる「2次元入試」と呼んでいます。2軸入試あるいは平面入試と呼べるかもしれません。

もちろん1次元入試制度であっても、図の左右方向の多様性は確保できるでしょう。
ただ、意中の学校に入るために、一点突破型の戦略に従うことが最短距離となるため、「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人」が生じやすいことも確かです。

つまり、学力偏差値の高低だけでなく、「健全な倫理観と責任感、主体性と行動力を持っていること」を合格の要素に加える気持ちがあるのなら、東京大学もその資質を測るための第2軸を合格判定に導入する必要があるのではないか、ということです。

それがどのような能力を数値化した評価軸であるべきか、これは東大自身が設定すればよいことです。
私自身が、学力だけに依存しない入試を導入すべきと考えているわけではありません。
東京大学のポリシーからは、論理的にそのような結論に至ると指摘しているのです。
アドミッション・ポリシーの実現を目指すのであれば、偏差値1軸入試だけでは難しいことは明らかだと冷静に指摘しているのです。

そしてそれは結果的に、偏差値の高い学生ではなく、学力はほどほどでも他の能力に長けた学生を合格させるという結果にもつながります。
なぜならば現在の東大入試は、日本の最高偏差値が集う試験であるはずですが、その結果に満足せずに多様性を求めるのであれば、偏差値を落として他の能力を求める以外に選択の余地がないからです。

そしてこれは、都立高校が現に実施している入試選抜方法に他なりません。

大学であれば、もっと複雑な3軸評価の3次元入試を実施すべきかもしれない。
中学1次元、高校2次元、大学3次元。

東大の推薦入試や京大の特色入試が実現したいのは、制度としてみればこの多次元評価ということになるでしょう。
ただ問題は、推薦入試にしろ特色入試にしろ、実際の合格者はそれぞれ全合格者の数パーセントに過ぎないということです。その要因は、求める能力要件が高いことと、何よりも手間がかかるために、受験生全体に適用することが困難なことでしょう。

ハーバードが男女比率1:1の理由

 これまで見たような東京大学の状況とよく比較されるのが、ハーバードをはじめとする欧米の名門大学です。

こうした大学は、男女比率が概ね1:1。

仮に都立高校のような男女別枠判定といった、政策的な比率調整の結果ではないとした場合、男女比率が均等になる最大の理由は、これらの大学がGPA(Grade Point Average)、つまり日本でいうところの内申点重視の入試だからではないでしょうか。

つまり日常の学習態度も含めた努力と成果が評価される、正に内申美人が本当の美人であるという価値観に裏付けられた評価であるため、日本と同様に内申点が相対的に高い女子が高く評価される。そしてその結果の均等な男女比率であるように思います。

私自身はアメリカの大学留学経験がないため、実感としてお伝えすることはできませんが、個人的な感覚では、アメリカの名門大学に入学するためには、都立高校入試に例えるならば、学力試験と内申点の比重は3:7。日本と全く逆の評価になります。もしかすると2:8以上に内申重視かもしれない。

つまり、アイビー・リーグのような大学に入学するためには、「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人」ではむしろ全く歯が立たない、というよりは不合格になるための準備をしているということになります。つまり、授業中に塾の宿題に励むという行為は、大学合格から遠ざかるための所作ということです。

しかもアメリカ型の学力試験はSAT(大学進学適性試験)に代表されるような、日本のセンター試験よりもずっと基礎的なテスト。
現在の大学入試改革で検討に上がる、複数回受験可能なモデルとなった試験です。

こうやって考えてみると、相当恣意的な見方だとの批判を恐れずに書けば、現在の都立高校の2次元入試制度は、実は日本型の学力重視の短期学力と、アメリカ型の内申重視の日常的継続学力を、日本的価値観でブレンドした未来志向の仕組みであると言えるのかもしれません。

一般的に内申点は、それを評価する教師の主観によって左右される不公平で理不尽な評価方法であり、容易に容認することができないと、学力一途な価値観を持った教育熱心な保護者の方からみなされています。

これに加え、高校での内申点評価を考えてみると、例えば日比谷高校の定期試験と進学校ではない学校の定期試験問題の難易度は全く異なると考えられますから、公立中学と異なり、高校ではそもそも同じ学習到達度評価を下すことが困難となります。

こうした視点で高大接続改革を眺めてみると、現在ほとんど話題に上がることのない「基礎学力テスト」が実は重要な意味を持つのではないかと感じます。
つまり、この基礎学力テストは、試験型内申点として、評価者の主観を挟まない学習到達度評価による多次元大学入試評価の1軸となるのではないかということです。
むしろ大学入試改革側は、この基礎学力テストに対しては、全ての高校を巻き込んだ、高校版統一内申点としての役割を持たせたいと密かに考えているようにすら感じます。
そいう意味では大学共通テストと並んで、この基礎学力テストの動向からも目が離せません。


いずれにしても、東京大学の入学試験を考える時、推薦入試でない97%の合格者を選定する一般入試の方法を考えることが、自己満足ではない本当の自己改革を実現することに違いありません。

将来的には日本の大学入試制度は、現在の短期学力重視の1次元入試から、学びの意欲や将来の可能性を加味した2次元、3次元入試へと移行していく過渡期にあるように感じています。
そしてこのテーマについては、まだまだ書くべきことがたくさんあるのですが、字数が増えすぎるきらいがあるので今回はここで終わりにしたいと思います。

小学生や中学生の君は、君が憧れる東京大学の求める人物像について、是非とも一度、自らの目で確認してほしいと思います。

ではまた次回。

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偏差値1軸入試の弊害か
 

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