2016年 日比谷高校星陵祭レビュー

 皆さん日比谷高校星陵祭に足を運びましたか?

今回は、受験勉強や地理的な問題などで残念ながら参加できなかった君や保護者の方に、多少なりとも当日の雰囲気をお届けできるよう、また先の記事の内容の検証の意味も込めて、星陵祭当日の様子について簡単にお話します。

受付前から長蛇の列 関心高い星陵祭

 連続する台風と秋雨前線の影響で両日とも雨の予報に反し、2日間とも時折小雨がぱらつくものの、傘なしで過ごせる秋らしい涼しい気候となりました。よかった。

2016年星陵祭受付開始直前の校門
初日受付直前8時25分頃の校門。来校者も増え、奥に長蛇の列が見える

さて、8時半からの受付を前に、2日間とも校内には長蛇の列。受付開始時点では、初日はおそらく300人~400人ほど、2日目は更に多く、倍近くもいるのではないかと思うほどの列が校舎を取り囲むように並んでいました。
もしかすると、日々の通勤通学より早く家を出た人もいるのではないでしょうか。

 受付直前のレンガ棟内部の様子
初日受付開始を待つレンガ棟アーケードの中
 

校舎校舎裏まで続く星陵祭受付を待つ行列
アーケードから校舎の裏側までずっと続く列。この後ろにも100m程続く(2日目)

初日の受付開始直後は学生担当者もバタバタしており、来校者別の受付位置を示す案内表示を準備し忘れたのか、慌てて手書きで作成したり、ちょっとドキドキしましたが、何とか無事イベントが流れ出しました。
翌日には印刷した案内板や誘導用の紐を予め設置したり、一般来校者の受付方法を整理するなど、1日で反省点を修正しているのはさすがだと思いました。

ただ、中学生はじめ一般来場者の数もずいぶん多く、在校生関係者と比べて受付にかなり時間がかかるので、外部来場者の受付窓口を増やした方がよいかなと感じました。 

 

鑑賞整理券は計画的に、そして無駄なく受取ろう 

 とりあえず3年生の劇を最低一つは見ようという事で、プログラムの中からミュージカルを選択しました。前評判など情報がないので、今年の合唱祭で金賞を受賞したクラスの公演を見ようということにしました。
受付が終了すると、そのまま整理券配布会場へ移動します。

星陵像から校舎入り口前までは、各学年各クラスの呼び込みが並んで、自分たちの劇をアピールしたりチラシを配布したりしています。星陵祭の劇は、1、2年生は鑑賞者の投票で順位が決まります。投票券は入場整理券となりますから、劇の出来より前にまず来場者を集めないことには上位入賞はありません。

星陵像前の呼び込み
受付後チケット配布場へ並ぶ来校者と、待ち構える各クラスの呼び込みの列


整理券は1回並ぶ毎に一人一枚、後戻りや変更はできませんから、予め回る時間と順番を組み立てることが大切です。ディズニーランドと同じです。
基本的に3年生のチケットから売り切れとなりますから、時間に余裕がなく、我が子や友人の劇が最優先という場合を除いては、3年生から鑑賞券を獲得する事が基本ではないかと思います。1年生は開始時間ぎりぎりでもまだ鑑賞可能という事もあります。

観劇観劇チケット観劇チケットを観劇チケット配布観劇チケット配布室
手前から1、2、3年生の鑑賞券配布。奥の3年生からチケットが無くなっていく

印象としては、確実に初日の早い時間の方が人が少なく自由が利くので、時間が許すのであれば初日の午前中に来場するとかなり楽です。
ただし、朝一で配布するのは午前中の第3公演まで、午後の第4公演は10時配布開始ですから、何が何でも早く到着しなければならないというわけではありません。

第5公演は11:10から、第6公演は12:20からの配布開始ですが、3年生の劇を見たい場合は、10時過ぎには学校に到着したほうが無難です。特に、2日目千秋楽の最終第5公演を狙う場合は、余裕をもって並びましょう。


2016年星陵祭初日のチケット配布状況
初日13時の配布状況。3年生は15時30分の第6公演まで満席

尚、劇を楽しみにする人がたくさん訪れますから、鑑賞は計画的に、もらったチケットを無駄にしないよう他の来場者への相互配慮をもって楽しみたいものです。

2017年以降も同じ時間か分かりませんので、毎年確認が必要です。
ただ、これまで記載したようなタイムテーブルや各クラスの演劇題目などは、学校ホームページには掲載がありませんから、独自に調べるしかありませんが、正直情報がとりにくいのが現状です。

来年以降は更に来場者が増える可能性もありますから、朝の混乱を避けるためにも、学校とチーフ会(運営委員会)のホームページで連携を取りながら、1か月ほど前からパンフレットの内容や注意事項を予め公開していただきたいです。
あと、女子トイレの位置とブース数マップや、休憩可能場所マップは、情報としてパンフレットに明記してほしいです。

 

「君の名は」に続け、胸を打つ出来

 さて今年度こけら落としとなるミュージカル第一公演。

スタートでは、あれ?主人公の声が出ていないかな?と感じましたが時間がたつにつれて出演者も観客も全体が馴染んでどんどん劇中に引き込まれます。

ラプンツェル大団円
大団円を迎える主人公。観客との近さも教室劇場の魅力


ちょうど前日に妻と二人で「君の名は」を観たばかりの感動冷めやらぬ中での鑑賞という事もあってか、まぶたが熱くなるような驚きを覚えました。もちろん粗さはたくさんありますが、十分です。

後からの1年生と比べると、大道具や衣装をはじめ完成度は歴然の差、しかも主人公を中心に、かなりの歌の練習が必要になります。この人たち受験勉強ちゃんとやっているのかな?と心配になるほどです。

いずれにしても、言葉は悪いですが素人芝居に違いないのですが、よくここまで仕上げたな、十分観る価値はあるなと関心しました。

この情熱と集中力をもってすれば、後半戦の限られた時間の中でも、むしろ受験に対してもよい影響が出るのでしょう。 

14R現代劇
1年生の現代劇。大道具や衣装が必要ないためか、完成度が高かった。


1年生も複数劇を鑑賞しましたが、微笑ましくもあり、また予想を上回る完成度もあり、いろんな意味で楽しめました。みんな一生懸命です。2年後には細部までこだわった演目を披露してくれることでしょう。

古典作品から現代劇、ミュージカルまで幅広い分野とレベルの1公演50分、24公演が開かれており、現代高校生の青春像を目の当たりにする良い機会です。

小学生のちびが飽きるどころか、もっと見たいといったのには驚きました。

正直、日比谷高校の校門をくぐるという興味はあるにせよ、模擬店もない学生劇の公演が中心の文化祭に、何故毎年何千人もの人が集まるのか不思議ではありましたが、日頃演劇を鑑賞しない人も楽しめる魅力を改めて確認しました。

 

日比谷フィルハーモニー管弦楽団

  パンフレットに載っている割にあまり知られていないと思いますが、星陵祭の初日には、オーケストラ部の演奏会が行われます。場所は日比谷高校に隣接する星陵会館、学校説明会の会場です。余談ですが、この星陵会館も以前お伝えした臨海合宿の宿となる勝山寮同様、保護者とOBが運営する星陵会の建物です。 

公演は2時間程の長丁場ですが、前々より個人的に、ある興味を持っていたので聴きに行ってみました。
オーケストラ部のある高校は、国私立を含めて都内でも数えるほどしかないんですね。
しかも日比谷の場合は2年生で引退、楽器未経験者も多いと聞きますので、星陵祭の段階では実質的にわずか1年6カ月、半分の1年生団員は6カ月しか組織されていないという未熟なフルオーケストラです。

いったいどんな音を鳴らすのだろう? 素朴な疑問です。

日比谷オーケストラ部
2年生中心の日比谷高校フィルハーモニー管弦楽団(オーケストラ部)

 

受験生の保護者として何度か足を運んだ星陵会館の1階席の大部分の椅子が収納されて、団員がぎっしり並びます。座席数も多くないためか、立ち見が出る盛況ぶりです。

本年度の演目は以下の通りでした。

 ・ヨハン・シュトラウス二世/喜歌劇「こうもり」序曲

 ・チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調

注文を付ければいろいろあると思いますが、思ったよりもしっかり聴ける内容だったと思います。

指揮はプロ指揮者、外部指導員の山上純司氏です。
日比谷オケ部は各パート毎に、東京フィルやNHK交響楽団などの現役プロ演奏家が月に1回程度、定期的に指導に来るそうです。羨ましいですね。東京大学の安田講堂を貸し切ったり、日比谷高校ならいいですよ、的な善意の対応がいろんなところであるように思います。 

そして星陵祭での演奏は、中間発表なんですね。

正式には定期演奏会を目指して日々練習しているようなので、今回聴き逃した方や興味のある方は足を運ぶのもよいのではないでしょうか。もちろん入場無料です。

日比谷高校フィルハーモニー管弦楽団 2016定期演奏会>

  日時:2016年10月8日(土)

  開場:13:30 開演14:00

  杉並公会堂大ホール / 入場無料

  曲目は星陵祭と同じです。


1,000席以上ある大型コンサートホールでの単独公演なので、ここで紹介しても大丈夫でしょう。
この3週間でどれだけ音と調和の質を上げてくるか楽しみですね。

そしてもう一つ楽しみにしていた合唱班のコンサートは、時間切れで聴く事ができませんでした。残念です。
同じく聴き逃した君は、是非学校説明会でその歌声を聴いてみてください。

合唱部の歌い上げる日比谷高校校歌は本当にいいですよ。

 

さて今回は、先週末に行われた星陵祭のごく一部分について、レビューをお届けしました。それぞれの興味に合った楽しみ方があったのではないかと思います。

そして何よりも、来秋には君も色とりどりの衣装を身につけ校舎の前に立ち、保護者や後輩たちを迎える立場になれるよう応援しています。 

ではまた次回

校章クッキー写真
おみやげの校章クッキー

 

日比谷大階段前記念写真フレーム

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