公立中でボチボチやってます

公立中学でぼちぼちやってます

 次男が兄と同じ地元公立中学に入学して3か月が経とうとしています。

とはいっても、もちろん新型コロナの影響で5月までは自宅待機が続き、6月に入ってからクラスを分けた段階的な学校再開が始まり、今週に入り本来の全校一斉登校がスタートしたところです。

学業面では6月に入ってやっと家庭のインターネット環境調査アンケートが回ってくるなど、オンライン授業への対応は全く進んでいない状況ですが、それでもやはり地元中学の気軽さには相応の良さがあり、現在のところ相対的に満足しています。

 

地元公立中学の気楽さと利便性

 コロナ禍となって再評価できる地元中学の良いところは、何といっても歩いて通えるという点でしょうか。

そして給食があるところ。

都内在住の場合、中学生にもなれば電車に乗って違う世界に触れることが大切だと思う一方、3密だ感染症対策だというご時世であれば、青空の下を歩いて通う意味は確かにあります。

通学時間徒歩10分そこそこの学校であれば、本人も往き帰りのストレスから解放され、親としても無用な心配が生じない安心感があります。

わが家では次男が小学校高学年になってから、渋谷に一人で行かせる定期的な要件を与え今も続けていますから、最低限の自律的社会行動の育成や社会の現状を肌で感じるという目的においては、現在はその程度の刺激でよいかも知れないとも感じています。

そして給食の存在。これは本当に大きい。

R1東京都給食実施状況/出典:東京都教育委員会資料

R1東京都給食実施状況/出典:東京都教育委員会資料

令和元年の資料では、都内の公立小中学校であれば、ほぼ100%の学校で給食が提供されています。

コロナ休校により、貧困家庭やシングル家庭の子供たちの食事が脅かされるという報道を度々目にしましたが、主婦や共働き家庭においても給食は本当に助かる制度です。

昔と異なり、行政が給食センター的な施設を抱えるのではなく、外部業者への委託対応が一般的になっているため給食費の負担もそれなりですが、それでも日々弁当を準備する負担や、学食での昼食や購買で調達する軽食と比較すると、給食のアドバンテージは高いと感じます。

黙っていても日々栄養バランスを考慮した数々の献立が提供され、昔では考えられないことですが、アレルギーその他の個々の要件に合わせた対応もそれなりに応えてもらえるなど利便性が高いです。

巣ごもり3か月、学校再開と給食再開で妻の負担も劇的に改善されましたから、オンライン授業や勉強の進み具合がどうという以前に、毎日気軽に通えて給食も提供してもらえる地元の公立中学は、再評価すべき一定の価値があるように思います。

オンライン指導が充実している学校ももちろん良いとは思いますが、少なくとも現在の状況では、毎日通える可能性が高い学校の方が、保護者としてはありがたいです。

 

学習面よりも屋外活動に期待

 オンライン授業など始まる気配もない地元の中学ですが、正直言って今時学習面は何とでも手当てする方法がありますし、実際全く心配していません。

それよりも、日々学校に出かけて友人との交流や部活が実現するかどうかの方が、親としては気にかかるところです。

ちょうど育ち盛りの時期と重なる年頃でもあり、家で長く過ごして運動時間や日照時間が不足がちになるよりは、実際に学校で体を動かし仲間とコミュニケーションを取る時間を最大限確保できる環境はありがたいです。

実際に、休校中は毎日オンラインゲームに4時間、動画視聴などを含めると9時間近くもネットにつながる生活をしていた次男も、学校が再開されるとネット時間は激減し、ゲームをしない日も散見されるようになりました。

公立中学のテストは100点が当たり前と言い聞かせている影響か、勉強への意識は案外高いようで、小テストなどの結果が周囲と比較して高いか低いかなどは相当意識しており、負けないように勉強しようという気持ちが強くあるようです。

子供たちも、オンラインゲームがやりたくてたまらないというよりは、休校の影響で友達と会うことができない中、代替手段の一つとしてネットを通じたコミュニケーションを確保するためにオンラインゲームがあるのだと思います。

中学では既に部活の仮入部なども始まったようですので、7月からは平日に学校でしっかり汗を流して帰ってくることを期待しています。

妻に洗濯を押し付ける気持ちがあるわけではありませんが、運動着をドロドロに汚して妻の嫌がる顔を見る日が来るのが、待ち遠しい気持ちです。

 

公立中学と居住環境の関係

 公立中学の場合、入試で選抜された子の学力や保護者の価値観が近しい集団で過ごす環境とは異なり、よく言えば多様性豊かな、悪く言うとピンキリの雑多な母集団の中で過ごすことになるのですが、この雑多が意味するところの内容は、地域格差が大きいのではないかと感じます。

中学受験を絶対視する保護者の中には、

「地元の公立中には子供を通わせられない」

という強い気持ちを抱く方があります。

もちろん、親から譲り受けた土地で暮らす家族や、会社からの指定住居に暮らす家族など、居住地を自ら選択することができない家庭があるのは承知していますが、そうではない多くの家庭であれば、公立中学は自ら選択することが可能であるのに、何故わざわざそのような否定的な言葉を発する場所に住むのだろうと感じることがあります。

私自身は公立中学校区を予め指定して居住エリアを決定しましたから、二人の子が地元の中学校に通うことに対して抵抗感はありませんし、周辺環境にも概ね満足しています。

そうした視点で見ると、地元中学を否定するような言葉を発する保護者の方は、おそらくは現在住んでいる環境に満足していない状況にあることが多いのではないかと感じてしまいます。

何故ならば、地元中学の良し悪しに関わらず、積極的に中学受験を志向する家庭であれば、敢えて地元中学校を否定するような言葉を発する必要などないからです。

公立中学校は良くも悪くもそこに集まる家庭環境によって学校の性格や学力が決まるのであり、その家庭環境というものは居住エリアにより概ね決まってくるものです。

 

公立小1,200校、中学600校の選択

 都内には、公立中学が600校存在します。 

都内公立学校数/出典:都教育委員会HP

出典:東京都教育委員会ホームページ

つまり、都内の居住地は中学校区によって600分割(小学校の場合は1,200分割)されているということになります。

各家庭の経済状況に応じて実際に選択可能な地価や家賃の制限がある一方、同じような年収の家庭であっても、おしゃれで洗練された地域を望む家庭もあれば、庶民的で雑多な街並みの地域を好む家庭もあり、居住環境も学校環境も合う合わないは人それぞれ。

それでも600もの中学校区があれば、家庭の価値観や子育て方針に合った学校や地域は存在するものですが、ただどの学区がどのような特徴や環境を持つ地域なのかを外部の者が特定するのが難しいのもまた事実です。

昨今、台風や大雨の影響により水没する街並みの映像が頻繁に流れる中で、地元の人間であれば当たり前の感覚で昔から理解している地域の危険情報がある反面、外からの移住者には見えにくい忌避居住区の存在が明らかになってきました。

水害や地震といった大規模災害であれば、行政のハザードマップによって予めネガティブ情報を事前に把握することが可能である一方、治安や教育面での地域ハザードマップというものは、公にはなりにくく本当に見えにくい情報になります。

実際には、学校毎の家庭の平均年収や全国一斉学力テストの平均点であったり、学校内や地域の暴力事件その他様々なネガティブな情報というものは、行政なり地域の教育委員会が把握しているはずですが、こうした情報は地域格差を生じ差別や人権侵害につながりかねないため、行政の指標として表に出ることはありません。

日比父ブログでは、私自身がかつて悩んだ居住区選びの経験を踏まえて、一般的な不動産情報とは異なる視点での子育てエリアへの一つの評価基準を示そうと試みているのですが、現在はまだ基本情報を収集している段階ですので、いつか体系的な価値基準を示すことができたらよいなと考えています。

 

公立中学と共に暮らす

 新型コロナと共に始まったばかりの次男の中学生活ですが、これから高校へと向かう3年間、新しい生活様式の中でどのような喜怒哀楽が訪れるのか今から楽しみです。

わが家の暮らす街は、雑誌で取り上げられるようなおしゃれエリアでも高級感のある街並みでもないごく庶民的な環境ですが、そこにある1/1,200の小学校も、1/600の中学校も、無理なく子を通わせることのできる、総じて穏やかなで比較的地域学力も高いとされる学校です。

もちろん、私立学校のような立派な校舎や講堂や学食も、海外研修も世の中に影響を轟かせるような卒業生結社もありませんが、地元での新たな3年間を通じて、遅まきながら社会に飛び立つための自立心や向上心が芽生えてくれたらよいなと感じています。

感染症対策がいつまで続くか分かりにくい現在の状況ですが、通学の煩わしさから解放される日々の2時間を有効に活用して、仲間との交流や自分の好きなことをしっかり追及してほしいなと願う今日この頃です。

ではまた次回。

 

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