2022年度日比谷高校入試速報を発信した直後から、共通問題の社会科についての異論を多くいただいています。
確かにネット上では社会科が難化したという声が上がっていることは承知していましたが、そうした声は受験生全体母集団の一部であることは確かであり、入試結果への傾向の参考とはするものの、意見をそのまま反映することには抵抗があります。
受験生を覆う不安
毎年高校受験の時期になると、当サイトには非常に多くのアクセスが集中します。僭越ながら当サイトは、特に日比谷高校に関する情報サイトとしてはかなり認知され、比較的信頼をいただいているプラットフォームではないかと感じています。
コロナも続き、例年よりも不確定要素が多い中で、学校側が入試情報を公開していないという状況もあり、おそらく結果を待つ受験生の不安やストレスは例年以上のものがあると想定されます。
その様な中で、繰り返しになりますが、先の社会科の得点に対し多くの受験生から、実際の難易度は上がっているという意見をいただいています。
普通に考えると、個人の運営するサイトの発信情報などは気にせず受け流してしまえばよいと思うのですが、わざわざ複数の方から意見をいただくのは、逆に本サイトの情報の信憑性や影響力を潜在的に評価し認めていただいているということの裏返しではなかろうかと感じています。
共通問題・社会科の再評価
受験生の不安が強い入試環境の中で、当サイトの情報が日比谷受験生を徒に不安にさせるのもよくない状況ではないかと、本年度に限っては特に感じています。
それであれば、社会科については受験生の意見に従ってみてもよかろうと考え、ここではSAPIX中学部の分析とは異なる、生の受験生の声を反映した入試結果について検証してみようと思います。
改めてレーダーチャートを確認してみると、ご覧の通り社会科に関しては、やはり全面的に易化していると考えるのが妥当なグラフではあります。その様な中で再検証する、もう一つの日比谷高校入試の結果はどのようになるでしょうか。
ここでは社会科について、難易度の大幅な上昇を見込んだ予測としています。
実は社会科の場合は、一覧から確認できるとおり、2019年度にも大幅な難易度の上昇が見られました。
この時は、現在では通常の設問形式となっていますが、複数の正しい知識がないと正解にたどり着かないという設問が導入され、正答へのハードルが上がりました。
今回は概ねこの年のインパクトに近い状況を想定しています。
SAPIX中学部の分析に従った先の評価と比較すると、男子で6点、女子で7点平均点が下がる結果となっています。
もう一つの想定平均合計点
では今回社会の得点の場合、合格ボーダーの目安となる1000点満点得点はどのようになるでしょうか。
一覧からは、先に発信した1000点満点合計点の値が男女とも概ね10点程度下がっていることが理解できます。試験の得点は700/500=1.4倍されますから、男女7点程の得点の変化が最終的には10点となって現れます。
もう一つの合計点評価では、男子は780点、女子は760点をまずは手にした上で、楽観的に合格発表を待つということが現実的な対応ということになります。そしてこの得点は、昨年2021年度の入試結果とほぼほぼ同程度の得点となり、例年と比較するとそれでも高い平均合計点であることには変わりないということになります。
ただし昨日お伝えした通り、本年度は男女合同枠で通常合格者の枠が減っている点と、悠仁親王の筑波大学附属高校進学の影響で、例年よりも受験母集団の学力が上がっている可能性を加味すると、昨年よりは若干合格ボーダー得点は押し上がることが予測されます。
その上で、男子の場合は男女合同枠の多くを獲得できる可能性に対しより楽観的に、女子は例年の合格者よりもおそらく合格数が減る可能性を予め覚悟した中でやや悲観的に、改めて冷静に自分の獲得点を確認してみてはいかがでしょうか。
今回の内容は、特に受験生に迎合するためのものではありません。仮にそのようなことを考えたとしても、実際の入試結果には何の影響も及ぼしません。
また自分の発信情報に保険を掛けるためのものでもありません。当サイトはあくまで個人の考察を発信するプラットフォームですので、そのような安全策を取る必要すらありません。
ただ一つ、特に今年度に限っては、一人の保護者として受験生を徒に不安にさせてはいけないという思いから、並行するもう一つの世界へと君をいざなってみました。
受験生の皆さんは、どちらの世界がより真実に近いとお考えでしょうか?
ではまた次回。