2023年度の都立高校入試が終了しました。
例年のことながら、どの学校の受験生も試験終了直後から合格ボーダーラインの検索が始まるように、本サイトにも例年通りたくさんのアクセスが集まっています。
その中で、都立のフラッグシップ校である日比谷高校の令和5年度入試がどのようなものであったのか、自校作成問題の想定平均点について考えてみたいと思います。
尚、検証方法としては、学習塾や入試情報サイトの客観的な分析を基に、過年度の入試確定結果との相対比較により統計的な推測を行っています。
本記事は、教育情報サイトReseMom(リセマム)の情報に基づきます。
2023年度日比谷英語
日比谷高校の高い大学合格実績を支える要因の一つが優れた英語能力です。上位中高一貫校をも上回るその能力の高さは、駿台Z会アドバンスト模試などでも確認されています。
そんな日比谷高校の英語ですが、SAPIX中学部の分析によれば、今年は昨年よりは思考力の求められる試験問題となったようですが、それでも2020年までの自校作成問題と比較すると相対的に取組みやすい出題であったようです。
2019年から21年までは、男女平均点は毎年3点ほどの差がつく状態にありましたが、昨年はほぼ同じ平均点となりました。
本年度は「思考力」の難易度が1ポイント上がっていますが、2019年度以降は難易度に関わらず平均点は上昇傾向にあることから、2023年度日比谷の英語想定平均点は、昨年同様に、男女とも65点程度になるのではないかと思われます。
2023年度日比谷数学
現在の日比谷高校の数学の問題は、難易度チャートで見る限りでは特別難しい問題ではありません。この3年は難易度も安定しています。
2019、20年の自校作成問題の女子平均点が50点を下回ったためか、2021年以降は比較的取組みやすい入試にシフトしていることが伺えます。
逆に現在の日比谷数学の難易度では、平均点が60点を割ることはないと思われます。
本年度の難易度も変わらないことから、昨年並みの男子65点、女子64点が平均点と想定されます。
2023年度日比谷国語
3教科の中でも特に時間との戦いになるのが国語だと考えられます。毎年最難易度のスピードが求められる問題となっています。
難易度的には国語も数学同様この3年間変化はありませんが、こちらも2020年以降平均点が70点を目指す状況で推移しており、日比谷受験生の処理能力の高さが伺えます。
本年度の平均点は昨年度様、男子70点、女子72点程度に落ち着くものと推察しますが、受験生全体の学力も年々上昇していることから、昨年を上回る水準になっておかしくはありません。
受験者平均点が今年も70点を超えるような状況であれば、記号選択式を記述式に変更するなど、国語の自校作成問題の難易度を上げる必要が生じるものと思います。
2023年度日比谷自校作成3教科
SAPIX中学部の試験難易度分析と昨年度までの結果を基に、2023年度自校作成3教科の平均点を考えてみました。
結果的に、3教科の入試難易度は全体で1ポイント上昇したものの、受験生全体の学力の上昇を考慮した結果、概ね昨年度と同様の平均点である
- 男子200点
- 女子201点
程度に落ち着くのではないかと考えられます。
そして日比谷高校の入学説明会では、毎年共通問題である理科社会の得点は90点を確保することの重要性が語られる一方、実際の受験者平均点は85点前後であることから、共通問題の難易度に関わらず、
- 3教科200点
- 共通問題170点
が一つの目安になるように思います。
勿論、合否判定には内申点と、本年度は英語スピーキングテストの結果も反映されますし、更に男女合同枠2割の影響も受けることになりますが、入試平均点としては、本年度も5教科370点が一つの目安となりそうです。
合格発表までの2週間、都立第一志望の受験生にとっては落ち着かない日々となりますが、万が一の場合の次の一手を冷静に見極めた上で、楽観的な気持ちで発表を待つことが大切だと思います。
いずれにしても、本年度の新入生は3年ぶりに制限のない高校生活が迎えられそうな環境が整いつつあります。
わが家の次男を含め、希望に満ちた春を迎えることができる事を願って止みません。
ではまた次回。