2022日比谷高校入試結果【確定版】

 毎年入試が終了した3月に早々学校説明会を実施する日比谷高校。

2022年も3月26日に説明会が行われましたが、3月は夏の説明会と比べて元々開催数が少ないことと、コロナの影響で座席数が更に減っていることもあり、参加募集開始2分で満員御礼になるほどのプラチナチケットとなりました。

特に今年は男女合同定員枠初めての入試となり、来年度の受験生はその結果が気になるところです。

今回は、学校説明会のチケットを惜しくも逃してしまった君と、地方や海外からの受験を目指す君のために、どこよりも早い2022年度入試の確定情報をお届けします。

ここに書かれた情報が一般的に世の中に発信されるのは、学習塾説明会が行われる6月以降となります。受験へのスタートダッシュのため、例年通り早稲アカやZ会よりも3か月早い確定情報をお届けします。

女子受験生の大健闘

 2022年度日比谷入試を一言で総括すると、”女子の大健闘”ということになります。

それが何を意味するのか、早々結果を見てみましょう。

2022年令和4年度日比谷高校入試平均点【確定版】

一覧の通り、2022年令和4年度の日比谷高校入試では、男女の平均点がほとんど同じ結果となりました。それでも5教科は男子平均点の方が1.8点高いですが、3教科に至っては、逆に女子の方が1.1点高い結果です。

そのため平均点そのものについては、男子5教科合計は概ね予想通りに落ち着いた一方、女子は大幅に予想を上回るということになりました。

この結果に対しては、現在の日比谷の大学受験結果を見る限りでは、男子の得点力が下がったとみるよりは、女子の母集団学力が高かったと考える方が妥当だと思います。

数学の伸び

 5教科の中で、特に注目したいのは数学の得点です。

例年数学だけは、男女差が大きい結果となりますが、今年はほとんど差がありません。本年度の数学の難易度は昨年相当という分析の中、男子平均点が下がる一方で、女子は大きく得点を上げてきました。

数学が苦手な女子が今年は日比谷を回避しているのか、あるいは日比谷の医学部合格実績が急伸していることから、医学部志望のリケ女が増えているのかもしれません。

いずれにしても、男女の得点が拮抗する状況は実は、2020年にも確認できます。

この時も5教科平均では男子がやや高めですが、3教科は逆に女子が1点高い状況となっています。

確かに従来は、男子平均点の方が明らかに高い年が多いことは確かですが、ここにきて隔年で男女の平均点が近づいたことから、今後の日比谷高校の入試においては、男女の差をあまり考えても意味がないのかもしれません。

特に今後は100%の男女合同選抜となっていくことから、女子も女子枠を意識して入試を捉えない方がよいのではないかと思います。

衝撃の結果、男女合同入試

 個人的に本年度の入試結果で一番衝撃を受けたことは、初年度となる男女合同定員枠の合格結果です。

日比谷高校が公表した合同定員の合格結果は以下の通りです。

2022年 日比谷高校男女同道定員合格割合
  • 男子:7割強
  • 女子:3割弱

確かに男女差は小さくはないですが、それでもこの結果は既に合格発表結果からある程度理解できることですし、従前の予想からも大きくは外れてはいません。

それよりも驚くべきは、先に見た、5教科男女平均点の得点差です。

2022年 日比谷高校男女5教科平均点
  • 男子:371.9点 →520.7点/700点
  • 女子:370.1点 →518.1点/700点

5教科500満点での平均点差は僅か1.8点です。これを合否判定の700点換算した場合は700/500で1.4倍に開くため、2.6点差となります。

日比谷の男女合同1割定員は、端数の処理が分かりませんので正確ではないですが、男子13人、女子12人の合計25人程度です。

先の割合から見ると、内訳として、

  • 男子:18人(72%)
  • 女子:  7人(28%)

辺りが妥当な合格数ではないかと思います。具体的な数字で見ると差の大きさが実感として確認できます。

そして合否判定について、学校からの情報としては、今年も例年と同じ以下の情報が発信されています。

  • 合格点は平均点のやや下辺り
  • 得点の高い受験生は内申も高い傾向

得点と内申点の組み合わせは多種多様で特定はできませんが、それでも一般的に女子の内申点が高い傾向と言われる中での合同枠の男子優位の結果です。ですのでこの状況から指摘されることは、

  • 結果的に合格点付近の生徒は男女とも内申点の差は大きくはなく、
  • 1点差の中に非常に多くの受験生が集まっている

ということではないでしょうか。

一つ目は、平均2.6点差をひっくり返すほどの内申点差はなさそうだという点、二つ目は正規分布上の合格点と平均点付近の母集団の山は高いということです。

そして、今年この得点差で男子が合同枠の7割を超える合格割合であれば、例年の10点以上の得点差がつく状況であれば、1割、2割に限った枠の中では、男子の優位性は更に高いのではないかということです。

理科社会の重要性

 学校からの先の二つの指摘と並び、今年もアドバイスとして言及されたことは、

  • 自校作成問題は基本問題を確実に得点する
  • 理科社会は9割以上を目指す

ということです。

自校作成問題の平均点が60点程度に落ち着くのであれば、先ずは標準的な問題を確実に得点することで、3教科は合格ボーダーに近づくこと。

そして理科社会の1点も、自校作成問題の難易度の高い問題の1点も同じ合否判定価値であるならば、ここで足を引っ張らないようにすること。

重点校の受験生は、共通問題の理社よりも、自校作成問題の難易度の高い問題の対策に時間を回しがちになりがちですし、特に第二志望が国立附属ではなく私立の場合はそのような傾向は強まると思いますが、理科社会を疎かにしないこと。

学校側から見ると、理社が取れていればという受験生が目に付くのかもしれません。

公立中学の場合、社会であれば同じ先生が歴史も地理も教えることになり、その先生の大学の専門や得意不得意、あるいは好き嫌いにより、学校授業の進捗は遅れがちです。どう考えても卒業までに終わらない進捗で進む場合も多いようです。

理社の場合はそのように、学校の授業を頼りにすると後回しになりがちで、入試までに範囲が終わらないということもありがちですが、入試本番前の詰め込みとならないよう、計画的な取組が求められるのだと思います。

改めて本年度の男女平均点を見ると、結果的には女子の社会科の得点が、男女合同枠の男子優位の状況を作ったと言えなくもありません。ここで開いた3点差が、最後まで埋めることができない差として男子優位を許してしまったのかもしれません。

2023年度令和5年度入試は、7年ぶりにわが家の次男も高校入試に臨みます。

本人は、日比谷は絶対受けないと言っていますが、親の目で見る限りでは、学力的には十分対応できる状況で受験期を迎えるように感じています。

 これから始まる新たな高校受験の1年を、保護者としてどのように過ごし経験するのか、今から楽しみでもあり不安でもある新学期が幕を開けます。

不安定な世の中の状況と、確実に来るべき高校受験の間にあって、最大限の冷静さを保ちながら、受験にまつわる話題を軸に、一般常識の見方とは少し違った世の中の趨勢について、引き続き発信できればよいなと考えています。

ではまた次回。