2月23日にお届けした2021年度日比谷入試速報値ですが、同日の夜に教育情報サイト『リセマム』に、SAPIXの日比谷自校作成問題分析が掲載されましたので、追加速報として、主要3教科の評価について補足情報をお届けしたと思います。
尚、本記事は、直前に発信した以下の記事の内容を前提に考察していますので、本文章を確認する前に、以下の文章または動画を予め確認することをお勧めします。
2021日比谷英語
難化したとの受験生の声が上がっていた英語ですが、SAPIXの問題分析では以下のような評価になります。
戸惑うのは、評価軸が昨年までと異なることです。
昨年までの4軸評価から、今年は理科社会と共通の5項目評価に変わっています。英語の場合、「分析力」が追加となります。
レーダーチャートの難易度目盛りに継続性があると考える場合、2021年度の英語難易度は、昨年と共通の4軸=思考力、スピード、知識、記述力に関しては、2020年度より「スピード」において易化しており、2019年度入試と全く同じ難易度です。
英文量が増加したという声もありましたが、スピードは昨年よりもむしろ易化という評価になっていますので、関係代名詞がない分、一つ一つの文章自体は読みやすいという状況などがあるのかもしれません。
本年度追加となった「分析力」も最高難易度ではないことから、入試問題分析上からは、受験生の感じるような明らかな難化は見て取れません。
2019年度相当とみなした場合には、男女とも60点程度の平均点となります。
2021日比谷数学
数学に関しては以下の通りです。
数学は、昨年までは設問毎の難易度表記であったため、英語よりも更に比較が難しい状況です。
ただし、「記述力」以外は 事項作成問題としては易しい評価となっているため、本年度受験生の声にあったように、相当易化したのかもしれません。
平均点については、当初昨年比10点弱の上昇と考えていましたが、このチャートの状況であれば、近年最も簡単な試験問題であったかもしれません。
このため実際の平均点は、現在の評価よりも少し高いということが考えられます。
2021日比谷国語
国語に関しては以下の通りです。
国語も数学同様、昨年までは設問毎の評価でしたので単純比較はできません。
ただし数学と比較すると、知識を除いて自校作成レベルの難易度であることが理解できます。英語と比較しても、記述力はそこそこですが、スピードが求められるボリュームのある内容だったことがうかがえます。
そういう意味では、数学ほど易化が目立つ問題ではないということが言えそうです。
2021日比谷平均点再考
以上を踏まえて、改めて2021年度日比谷高校入試の平均点を考えます。
参考値として、昨年までの平均点推移を掲げます。
そして、受験生の声をもとにして当初設定した、本年度平均点予測と、ボーダー予測についても改めて掲載します。
先のSAPIX中学部のチャート結果を考慮した場合、数学と英語は上記点数よりももう少し平均点が高いことが考えられます。
ただし、情報の二重発信による混乱を避けるため、また現時点で掲げる数字はあくまでも予測の範囲に過ぎないため、ここでは平均点の修正は行わないこととします。
従って、2月23日に超速報でお知らせした男子760点、女子750点のボーダーについては、その再設定した総得点の上限値である男子770点、女子760点も超える高得点争いに帰結することも考えられます。
いずれにしても、試験の得点が高かった受験生は戒めの気持ちで、本ブログの予測値が実際よりも低い場合の想定を、得点が思うように伸びなかった受験生は、平均的な受験生は同じように案外得点が伸びず、受験者平均点もそれほど高止まりしないと前向きに考えて、楽観もせず悲観もせず、謙虚な気持ちで合格発表を迎えるのが良いのではないでしょうか。
笑っても泣いても、春は間もなく訪れます。
長く続いた不自由な受験勉強からも、理不尽なコロナの生活からも、喜びとともに解放されることを切に願います。
ではまた次回。
【動画】2021日比谷入試<追加>速報
2021年度の日比谷入試超速報
2021年度重点校の出願状況【男子編】
2021年度重点校の出願状況【女子編】