超速報!2019年日比谷高校入試

 今年の都立入試は、共通問題も含めて難化したという情報が多いようです。

このため、試験の出来が悪いと感じて落ち込んでいる受験生も多いのではないでしょうか。ただ、本番で最後まで諦めずに集中した結果であれば、きっと周囲も同じように不安に思っているはず。

合格発表までの残り数日、試験の結果がどうだったのか、合格点が昨年より下がるのかどうか、気になっている受験生も多い中、日比谷高校はホームページで早々に今年の受験者数を公開しました。

そこで今回は、速報として平成31年度入試を振り返り、合格発表後に予測される状況を考えてみたいと思います。

 

日比谷国語は超難化

 まずは、今年の受験生を悩ました国語に触れます。

国語は平均点がぐっと下がりそうです。このため、うまくできずに泣いている君も、あまり落ち込みすぎず、開き直って結果を待つのがよいように思います。

特に、第二問の漢字の書き取りは、大部分の受験生ができなかったようです。逆に漢字で得点できた受験生は、地味ですが主要5教科内申1~2点分に匹敵する着実なアドバンテージを稼いだことになります。

例年数学で差が開く日比谷入試ですが、今年は国語も台風の目となりそうな予感です。

 

平成31年度入試受験者倍率

 2019年入試の全体傾向を見るために、まずは日比谷高校ホームページに掲載された、受験倍率速報を確認します。

2018-19 日比谷高校受験者状況

2018-19 日比谷高校受験者状況

2019年入試の受験者数は、応募数の増加に伴って、男女とも昨年より増加しました。

ただし、男子が2倍近い倍率を保っている一方、女子は昨年からほぼ横ばいとなる1.84倍に落ち着きました。人数では男子の受験者が昨年より21人増加したのに対し、女子は4人の増加で昨年とほぼ同数です。この結果を見れば、女子受験生は多少心が落ち着くのではないでしょうか。

では次に、これを元に実質倍率を考えてみましょう。

 

日比谷男子は予想通りの1.8倍

 男子の合格者数を昨年同数の144人と仮定した場合、実質倍率は昨年よりは増加するものの、事前の予測通り1.8倍程度に落ち着くことになります。

2019年 日比谷男子8年受験倍率

2019年 日比谷男子8年実質倍率

ただし、実技4教科内申2倍となった平成28年度以降では、僅かの差になりますが、最も倍率が高い結果となりそうです。

入試の方は先に記載した通り、国語の点数が伸びた受験生は大きなアドバンテージになりそうです。逆に国語が壊滅的な結果だとしても、男子の場合はあまり大きな傷にならない可能性もあります。

このため、心を強く持って合格発表に臨むのが良いのではないでしょうか。

 

女子は予想よりやや低い1.7倍

 日比谷女子の合格者数を昨年同数の129人と仮定した場合、実質倍率については、事前の予想よりも若干低い値となります。

2019年 日比谷女子8年実質倍率

2019年 日比谷女子8年実質倍率

女子は結局、例年通りの安定した倍率に落ち着きそうですが、それでも今年の実質倍率は、男子同様に過去4年の中では僅かながら最も高くなりそうです。

例年の傾向として、数学の平均点が男子より目立って低い女子ですが、国語の問題も難しかったとすれば、合格点はやはり下がることが予測されますので、男子同様最後まであきらめずに合格発表を待つのがよいのではないでしょうか。

 

都立合格発表後の動き

 都立第一志望の受験生は、もちろん3月1日の合格発表が気になることだと思いますが、難関私立や国立附属高校第一志望で不合格となった受験生にとっては、都立発表後にどの程度繰上げが実施されるか、という点に注目しているのではないでしょうか。

2019年 都立・国立附属入試日程

2019年 都立・国立附属入試日程

入試スケジュール上は都立高校が最後尾となりますから、難関私立合格者の中にも国立附属高校合格者の中にも、例年通り都立第一志望の学生が一定数混ざっているといえるでしょう。

その点について今年は特に、学芸大附属高校が『入学辞退について』という、一番知りたいことが明確に書かれていない曖昧な文章を公表してしまったので、受験生や保護者の方は出願に際して大いに混乱したのではないかと想像します。

上の試験日程を見れば理解できることですが、学芸大附属の今年度の入試スケジュールは、他の国立附属校と同様の日程となりました。筑駒やお茶の水、筑波大附属が従来より入学手続き後の辞退が可能かどうか、学芸大もその扱いと同じでしょう。

実際のところ、同校の一般中学生の募集人員は男女合わせて106人ですが、発表された正規合格者は160人となっています。「保護者の転勤にともなう転居等」のやむを得ない事情で辞退する生徒を50人以上想定しているとはとても思えませんので、学校側も予めそれ以外の辞退を想定していると考えられます。

今年度の焦点は、それ以上の辞退者が出るかどうかという点だと思いますが、その点はフタを開けてみなければ誰にも分らないというのが本当のところだと思います。

いずれにしても、私立第一志望の受験生も、国立附属第一志望の受験生も、都立第一志望の受験生も、最終的には希望する学校へ一人でも多く収まることができればよいなと思います。 

 

日比谷高校の立ち位置

 2018年は、日比谷高校のメディアでの露出が多い印象がありました。

日比谷高校は、開成や慶應義塾、筑波大附属などと並ぶ伝統校でありながら、若い保護者に人気のある渋谷教育学園渋谷と比較されるような、大学入試改革が求める新しい21世紀型の教育を積極的に実践する先進校でもあります。

今年の東京大学推薦入試において、都内で2名合格したのが日比谷と筑附と渋渋の3校である点は、悠仁親王の中学進学問題も絡んである意味象徴的な結果となりました。

保護者の目から見ると、現在の日比谷高校は、今の時代に本来あるべき教育実験校の姿ではないかと感じることが多々あります。 実際、多くの教育関連企業が、公立である日比谷から得られるデータを頼りにしていることでしょう。

ちょうど3年前、まだメディアでの露出も今日ほど多くはなかった頃、日比谷第一志望と決めながらも、開成、慶應義塾、早大学院のどこに進学すべきか、少なからず心が揺れ動いたこともまた事実です。

ちょうど本日終了した長男の大学入試状況を思う時、親としては日比谷を選択して正解だったなと感じます。当時と比較すると、迷うべき心理的障害が相当後退している現在の状況は、うらやましい限りです。

もちろん、私立、国立どの学校もそれぞれのよさはあるはずです。

都立合格発表後に、それぞれの家庭が選んだ第一志望に収まることができますように。

ではまた次回。

 

2018年入試振り返り 

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