日比谷高校を志す君に贈る父の言葉

世間知らずな父の元で、東大生の兄と勉強嫌いな弟が織りなす家族の物語

新型コロナウィルスで進む通信教育

Z会小学生タブレット/出典:Z会HP

Z会小学生タブレット/出典:Z会HP

進研ゼミ小学生タブレット/出典:進研ゼミHP

進研ゼミ小学生タブレット/出典:進研ゼミHP

スマイルゼミ・小学生タブレット/出典:スマイルゼミHP

スマイルゼミ・小学生タブレット/出典:スマイルゼミHP

 3月2日より全国の小中高校で休校が進む中、大手の学習塾を中心に同じく授業を休講する塾も多いため、子の学習面に不安を覚えている保護者の方も多いはず。

2月、3月はちょうど塾の新学期授業が始まる月でもあり、学年の先取りに向けて塾でのスタートダッシュをかける計画がとん挫することとなりそうです。

そのような環境の中で注目を集めているのが、通信教育です。

企業のテレワークにも通じるこの往年の遠隔教育システムが、新型コロナのパンデミックな環境の中で力を発揮しています。

 

パンデミックとICTタブレット学習

 わが家では、小学生の次男に対して早くからタブレットでの学習を導入しています。

通信添削各社がタブレットコースを新設して営業に力を入れ始めた頃より利用を始め、初期のソフトの反応の悪さや画面がフリーズして一からやり直しというイライラを乗り越えて現在に至っています。

4月から中学に入学するのを機に通信教育ではなく塾の検討も進めていましたが、中学生ともなれば部活が本格的に始まるため、どのような生活リズムとなるか先の見えない中で塾通いがよいのか考える中、いつでも解約できるとの消極的な気持ちで最後の抑えとしてタブレットコースをそのまま継続しておいたのです。

そのようにわが家では消えつつあった通信教材でしたが、通学型の教育機関が機能しなくなった今となっては、コロナウィルスの影響下でも学習が変わらず継続できるテレ教育手段として、通信がその隠れた価値を発揮することとなりました。

教材では映像授業も配信されるため、最低限の要点学習は継続されるからです。

今回のパンデミック騒動だけでなく、洪水や地震などの自然災害をはじめ、放射能汚染やPM2.5など地球環境の汚染が進む可能性が高まる中において、また英語4技能試験で明らかとなった学習環境の地域格差がクローズアップされる中にあって、あるいは長期入院や引き籠りで通常の学習環境が確保できない生徒への対策として、タブレットやスマホへの配信型の学習環境は改めて価値が見直される時期にあるといえそうです。

 

学習不安の中で注目される通信教育

 新型コロナの影響で市中から早々マスクが消え、直近ではトイレットペーパーやティッシュまでもが一瞬にして店頭から姿を消した異様な状況の中、教育に熱心な保護者の方が目を向けたのはやはり通信教育のようです。

2月27日に会見が行われた安倍首相の学校休校要請を受け、通信最大手のベネッセでは早くも2月28日時点で、WEB上での新規申し込みサイトがつながりにくい状況にある旨を発信しています。

進研ゼミ遅延発生状況/出典:2月28日進研ゼミ小学講座HP

進研ゼミ遅延発生状況/出典:2月28日進研ゼミ小学講座HP

このお知らせは3月1日時点では既に撤回されていますが、トイレットペーパーのようにに短時間に多くの家庭が通信教育に対して休校中の学習の活路を見出したのでしょう。

WEBサイトの反応が鈍くなるというのは私自身もニンテンドースイッチが発売された際に嫌というほど経験しましたが、通信教育教材の申し込みで2日間にわたり回線が混雑するという状況はよほどのことだと感じます。

そして本記事を書いている正に3月1日に、今度は電話での問い合わせがパンクしていることが通知されています。

進研ゼミ電話受付状況/出典:3月1日進研ゼミ小学講座HP

電話受付状況/出典:3月1日進研ゼミ小学口座HP

この状況はしばらく続くかもしれません。

これはわが家に届く尋常ではない量のダイレクトメールから推察する勝手な想像ですが、進研ゼミはこのところ会員の確保が思うように進まない状況の中で、新型コロナの影響により相当数の新規会員を獲得することができたのではないかと想像します。

従来型の通信添削は、会員数が増加すると赤ペン先生や教材印刷数も増えるという事業構造だったと思いますが、タブレット事業の場合は装置産業とでもいうように、会員数に関わらず一定の初期投資が必要になる反面、損益分岐会員数を超えた分については利益として積み増しされるという状況があるように思います。

コロナウィルスの影響で業績にマイナスの影響が出る産業が多い中で、通信教育各社は逆に業績を伸ばすことになるかもしれません。

その他、3月休講を決定した学習塾では映像授業を作成して塾生に配信するなど、これを機に教育業界では様々な通信学習の対応が求められそうです。

 

期待される文科省発信の映像授業 

 いくら民間の教育産業が個々に対応を進めても、結局のところ現在全国の家庭で求められるのは学校で行われるはずだった通常授業のフォローです。

3月末に始まる春休み直前とはいえ、どの学年も3月のほぼ1か月分の授業がなくなるわけですから、受験を終え卒業を迎える中学3年生や高校3年生以外の生徒にとっては少なくはない量の授業が受けられないことになります。

現在のところ、中止された授業に対する振替やフォローアップは各自治体や学校の対応に委ねられるようですが、少なくとも義務教育である小中学校の授業については文部科学省が標準映像授業を作成してWEB上で無償配信するなどした方がよいのではないかと感じます。

考え方によっては、文科省はタブレット端末やパソコンでの映像授業やコンピュータテストの検証やおよび実証実験を全国規模で実施できる機会を得たこととなりますから、ICT学習環境整備を進めたい政府としては願ってもない機会のはずでもあります。

対応スピードや内容によっては、文科省は大学入試改革で失態続きの状況をプラスに転じ、子育て世代の評価と信頼を回復することができる千載一遇のチャンスを、今まさに手にしている状況だと感じます。

2月29日の首相会見以降、テレビでは政府サポートを訴えるテレビ広告も直ちに登場しましたから、非常事態宣言に近い環境の中、政府主導による義務教育映像授業の実現もそれほど困難な取組みではないように思います。

政府には、各家庭の保護者の不安を取り除くとともに、所得格差や地域格差の生じない具体的な対応をお願いしたいと思います。

 

かつて学校というものがあった時代

 われわれの頭の中には、物心つく前後から幼稚園や保育園に通い、義務教育である小学校中学校を経て高校、大学に進学するという長い経験の中で、朝起きて学校に通学する行動への疑いのない先入観や社会秩序のようなものが形成されるようです。

そのような人々の中に刻まれた当たり前の記憶を、新型コロナウィルスは一瞬で破壊してしまいました。

小学校6年生のわが子にとっても、卒業までの最後の1か月を、中学ではそれぞれの道を歩む大好きな仲間たちと共に過ごすかけがえのない時間を奪われることとなりました。

もしかすると将来、子供たちが学校に通い仲間と一緒に学ぶという、現在も引き続き疑いのない状況そのものが、当たり前ではない世界が訪れるのかもしれません。

外で遊ぶことも、仲間が集まって一つの教室で顔を合わせて学ぶという状況も、今後の地球環境や政治状況によっては本当に過去の夢となるかもしれない。

あるいは少子化や、逆に教師不足から生じる状況に対して、学校では学童のような生徒観察者が滞在し、教師が担う授業は映像により一斉配信されるというような状況が訪れる日さえあるかもしれない。

いずれにせよ、今回のパンデミックにより、これまではどちらかというと第二の選択肢であるような通信教育が、これからの時代に沿ったむしろ新しい可能性に満ちた中心的な学習機会になるのではないかという予感を感じさせる機会となりました。

子供たちの学びの機会は、今後どのようになるのでしょうか。

そして何よりも、子供たちが学校で学び、外で自由に遊ぶことができる状況はいつ戻るのでしょうか。保護者の一人として、状況の早期回復を願わずにはいられません。

ではまた次回。

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